幸せな結婚を象徴するような、ダイヤモンドの婚約指輪や結婚指輪。
キラキラと輝く石はどれもとってもきれいですが、そのひとつひとつの品質は大きく異なります。
でも、はじめてダイヤモンドを選ぶ人にとって、自分が選んだダイヤモンドの品質と価格が見合っているか?を判断するのはなかなか難しいですよね。
そこで今回は、ブライダルリング選びの前に知っておきたいダイヤモンドの国際的な品質評価基準となる4C(カラット・カット・カラー・クラリティ)を中心にダイヤモンドの基礎知識をわかりやすく解説します。
そもそも「ダイヤモンド」とは何?
ダイヤモンドは炭素原子で構成された鉱物の一種です。
特にダイヤモンドは地球の地下深く、約200㎞の深さで形成されると言われています。
高温高圧の環境の中で長い長い年月をかけて固められてできるため、地球上に存在する中で最も硬い鉱物といわれているほど硬く丈夫な宝石です。
原石は無色や黄色味、グレーを帯びたものが多いのですが、無色透明で内包物が少ないものが高品質なダイヤモンドとして選ばれ、輝きを引き出すために研磨されてジュエリーになります。
魅力はそのきらめきの強さ
ダイヤモンドの魅力はそのきらめきの強さです。
カットされたダイヤモンドはどの宝石よりも高い屈折率と分散率を誇ります。
そのため、外からの光をたくさん集めダイヤモンド内部に反射させ、キラキラと輝く虹色のきらめきを作り出しているのです。
どんな宝石よりもきらめきが強く、硬くて丈夫なダイヤモンドだからこそ、永遠の愛を願う結婚にふさわしいとされているんですね。
合成ダイヤモンドとの違いは年月の長さ
合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ炭素原子で、似た環境(高温高圧)を再現した工場やラボで作られるダイヤモンドのこと。
合成ダイヤモンドは数週間程度で完成するのに対して、天然のダイヤモンドは何百万、名十億年かけて形成されるのが大きな違いです。
合成というとニセモノというイメージをもつかもしれませんが、サスティナブルでエシカルな宝石として近年注目を集めていて、専門のブランドも誕生しています。
ダイヤモンドの品質評価基準4C(フォーシー)の意味は?
ひとつとして同じものがないダイヤモンド。
品質の良いものを選ぶ基準として、アメリカ宝石学会(GIA)が制定した国際的な品質評価基準である「4つのC」があります。
ダイヤモンドの「4C」とは
- Carat(カラット)
- Color(カラー)
- Clarity(クラリティ)
- Cut(カット)
のことです。
この4つのCはどんな基準となって、どのように高品質のダイヤモンドが選ばれているのか、それぞれを詳しく解説していきましょう。
【4C】カラット(Carat)は宝石の重さを表す
耳なじみがある人も多い「カラット」とは、宝石の重さを表す単位です。
品質タグや価格タグに(〇〇ct)と表記されているのを見たことがある人も多いはず。1カラット=200㎎(0.2g)と決まっていて、0.3カラットのダイヤモンドで直径が4.3㎜程度になります。
天然のダイヤモンドはカラット数が大きいほど珍しく、価格も高価になります。
【4C】カット(Cut)の技術が高いほど輝きが増す
Excellent | VeryGood | Good | Fair | Poor |
最高級 | とても理想的 | 良好 | やや劣っている | 劣っている |
カットとは、ダイヤモンドの形のバランスと研磨レベルのことを指します。
カットの形(シェイプ)、面の取り方、輪郭、プロポーション、仕上げという5つ視点から5段階で評価されます。
最高ランクは「EXCELLENT」ですが、その中でも「プロポーション」「ポリッシュ(研磨状態)」「シンメトリー(対象性)」の3つがすべて最高評価のダイヤモンドは「トリプルエクセレント」と呼ばれ、最上級カットのダイヤモンドとされています。
カットは職人さんの判断に委ねられている部分が大きいため、原石からより美しく輝く宝石になるためには、熟練の職人さんの技術が頼りです。
※こちらはラウンド・ブリリアント・カットのみに適用される評価なので、それ以外の形にカットされたダイヤモンドには適用されません。
【4C】カラー(Color)無色透明なほど価値が高い
D | E | F | G | H | I | J | K | L | M |
Colorless (無色) |
Near Colorless (ほぼ無色) |
Faint Yellow (やや黄色味) |
N | 0 | P | Q | R | S | T | U | V | W | X | Y | Z |
Very Light Yellow (軽く黄色味がある) |
Light Yellow (薄い黄色) |
Color(カラー) とは、ダイヤモンドの色のことを指します。
アルファベット順にDからZまで23段階の評価があり、Zは薄い黄色がかった色、最高ランクの「D」に近づくにつれて無色になります。
ハイブランドのジュエリーでは、ほぼ無色と位置づけられている中でもさらに無色に近い「H」以降を扱っているブランドが多いです。
ただし、これはホワイトダイヤモンドのみに当てはまる基準になります。
ピンクや黒など鮮やかな色のついた「ファンシーダイヤモンド」は色の濃さに希少価値があるものもあります。
【4C】クラリティ(Clarity)耐久性や美しさに影響する傷や不純物の有無
FL | IF |
10倍の倍率でもほとんど欠点・内包物が見当たらない | 10倍の倍率でもほとんど内包物が見当たらない |
VVS | VS | SI | I | |||||
1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 |
非常にわずかな 内包物 |
とてもわずかな 内包物 |
少し内包物が ある |
欠陥 |
クラリティとは、透明度のことを指します。
過酷な環境下で形成されるダイヤモンドには、傷や不純物といった内包物がつきもの。内包物があることでダイヤモンドの反射を遮ってしまうため、これらが少ないものほど美しく輝きます。
11段階で評価され、10倍に拡大しても傷が見られないものが最上級の「フローレス(FL)」です。
ダイヤモンドにこだわりがあるジュエリーブランドでは、わずかな内包物が見られるSI2以上、もしくは極小さな内包物が見られるVS2 以上のダイヤモンドを扱っているブランドが多いです。
ダイヤモンドのクラリティを表す6段階の記号
- FL(Flawless/フローレス):内外部に欠点は発見できない
- IF(Intermally Flawless/インターナリーフローレス):内部に欠点は発見できない
- VVS(Very Very Slightly/ベリーベリースライトリー):10倍に拡大して発見困難な内包物が認められる
- VS(Very Slightly/ベリースライトリー):10倍に拡大して発見がやや困難な内包物が認められる
- SI(Slightly Included/スライトリーインクルーディッド):10倍拡大で発見が容易だが肉眼では困難な内包物がある
- I(Included/インクルーディッド):肉眼で容易に発見できる内包物がある
ダイヤモンドのシェイプ(Shape)とは?
シェイプというのはダイヤモンドのカットの形のことです。
先ほど「カット」部分で触れた「ラウンド・ブリリアント・カット」もカットの種類の名前で、エンゲージリングなどで見る定番の形になります。
「ラウンド・ブリリアント・カット」が人気なのは、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出せるカットと言われていることから。
他にも、最近人気の「プリンセスカット」や、長方形の「エメラルドカット」、ハートやしずく型の「ファンシーカット」などがあります。
ダイヤモンドの蛍光性とは?
蛍光性(Fluorescence)とは、ダイヤモンドに紫外線を照射したときに現れる発光色のこと。天然のダイヤモンドのみに現れる特性になるため、天然の証といわれています。
ダイヤモンドの見た目にはほとんど影響しないと言われているため、蛍光性が強いからと品質が下がることはありません。 国によっては蛍光性が強いものを好まないところもありますが、あくまで個人の好みの問題になります。
4Cでの優先順位は?値段はどう決まる?
ここまで4Cや、ダイヤモンドの価値を決める要素について解説してきました。
すべてに高いランクを求めてしまうとその分値段も高くなるため、どの要素にこだわるかを決めることは予算内で収めるためにも必要です。
4Cでの優先順位は人それぞれ、個人の好みによるところが大きいですが、どこで購入するかによっても価格が大きく変わってきます。
ダイヤモンドはすべて輸入品になるため、価格には外国為替相場や流通経路、販売に至るまでの中間業者の数などが反映されるのが一般的です。
そのため、同じランクのダイヤモンドでも、販売店によって大きく異なることがあります。
高品質なダイヤモンドを予算内で購入したい!というふたりは、輸入卸から直販をしているお店や広告費を削減しているお店など、購入場所を選ぶことも大切です。
▼ダイヤモンドの産地もチェックしたい!
人気ブランドのダイヤモンドの婚約指輪をチェック
ダイヤモンドが魅力のジュエリーブランドはたくさんあるため、下見をするにもどこから見たらいいのかわからない!という人も多いですよね。
そんなふたりのために、こちらの記事では最新の人気ブランドのランキングや予算相場、人気のデザインをご紹介していますのでぜひチェックしてくださいね。
▼人気ブランドランキングはこちらから
鑑定書(グレーディングレポート)で4Cがわかる
高品質のダイヤモンドジュエリーには、鑑定機関による検査データからダイヤモンドの価値を証明する鑑定書(グレーディングレポート)がついていることが多いです。
鑑定機関やブランドによって少し異なることもありますが、基本的に以下の情報が記載されています。
①Shape&Cut(形とカット)
カットされた形の名称
②Measurement(寸法)
直径の最大値と最小値
③Carat Weight(カラット)
デジタル重量計を使用したダイヤモンドの重さの数値
④Color Grade(カラー)
色のグレード
⑤Fluorescence(蛍光性)
蛍光性の有無
⑥Claroty Grade(クラリティ)
クラリティのグレード
⑦Cut Propotions(カットプロポーション)
ダイヤモンドのプロポーションを細かな要素に分けた時の数値とグレード
婚約指輪にも使われる「メレダイヤ」とはどんなダイヤモンド?
メレはフランス語で「小粒石」のこと。
その名前のとおり、婚約指輪のメインとなるセンターストーンの周りに散りばめられた、小粒の宝石のことを指します。
明確な定義はありませんが、0.1カラット以下のものをそう呼ぶことが多いです。一般的に鑑定書がつくのが0.2カラット以上というところが多いですが、小さいからといって品質が悪いということはありません。
メレダイヤも4Cに基づいて品質が分けられているため、高品質なものはより美しく輝いてメインダイヤモンドのきらめきを増幅させてくれます。
▼メレデザインが人気のブランドはこちらから
ダイヤモンドの輝きを測定・評価する「サリネ・ライト」
ここまで解説してきたダイヤモンドの「4C」とは異なる評価基準として、「サリネ・ライト」という測定システムがあります。イスラエルのサリネ・テクノロジー社による評価基準で、ダイヤモンドの輝きを測定して9つのグレードで評価します。ダイヤモンドの色や内包物などさまざまな要因で少しずつ異なるダイヤモンドの輝きを定量的に評価し、「サリネ・レポート」として購入者の手に渡されます。
サリネ・ライトでは、Brilliance(ブリリアンス・白色光の輝き)、Sparkle (スパークル・動く際に現れるキラキラとした輝き) 、Fire(ファイヤー・放たれる鮮やかな虹色の輝き)、Symmetry(シンメトリー・反射される光の分布の対称性) の4項目について5段階で評価され、9つのグレードスケールに分けられます。その最高評価がUltimate(ウルティメイト)です。
銀座ダイヤモンドシライシ、エクセルコ ダイヤモンド、ケイウノなどのブランドでサリネ・ライトの評価基準を取り入れています。
ダイヤモンドの原石からの道のりがわかる「ダイヤモンドジャーニー」
ダイヤモンドの原石がどんな形だったのか、どうカッティングされたのかを最新のテクノロジーで証明するのが、サリネ・ライト社によるダイヤモンドジャーニー(原石証明)。原石が手元に届くまでのジャーニー(軌跡)を知ることができる、購入したダイヤモンドがより愛おしい存在になる証明です。
付属の二次元バーコードを読み込むことで、オンライン画面で輝きの4項目の測定結果、原石のカタチ、マッピングプロセスなどを確認することができます。
エクセルコ ダイヤモンドでは一定の基準を満たしたダイヤモンドにダイヤモンドジャーニーが付与されています。
婚約指輪のダイヤの大きさは?何カラットを選んだ?【先輩カップルの体験談】
ダイヤモンドがメインとなる婚約指輪は、特に品質にこだわりたいですよね。その中でも大きさを表す「カラット」数で悩む人が多いのではないでしょうか?
では、先輩花嫁さんたちの体験談から、選んだカラット数やどんな点を重視して購入を決めたのかのエピソードを見ていきましょう。
体験談
■私は6号、0.3カラットで、メレダイヤが左右2つずつついてます。
普段付けできるように結婚指輪と重ね付けしてます。 普段誰かと「私のダイヤの方が輝いてるわ」なんて比べたりするものではないし、将来売るわけでもないのでランクは全く気にせず、予算内で一番気に入ったダイヤを選びました。手にしっくりきたサイズを選ばれるのが良いと思います^_^
■私は0.227カラットをもらいました。
お試しで0.3や0.5も着けてみましたがどうも品がなく、自分の指に合わないように見える…と感じ、自分から0.2サイズを望みました。
好みとして、自分の手に溶け込むような自然な指輪が欲しかったのと、
結婚指輪と違ってずっと付けるものでもないし…と思ったのもあります。
■私は最終的に0.28カラットのものにしました。
彼の予算的にはもう少し大きいものも大丈夫だったのですが、実際に指にはめてみると私の小さい手には大きいのはなんだか不釣合いで、もう少し小さいものがいいと何度かリクエストして、しっくりきたのがこの大きさでした。
婚約指輪のダイヤモンドカラット数は0.3カラット前後が平均的なサイズです。
0.3は派手過ぎず小さすぎずちょうど良いボリューム感ですが、あまり存在感を出さずカジュアルに身に着けたいという人には0.2~0.3カラット未満が人気です。
体験談
■私は8号、0.5カラットの物にしました。
婚約指輪は節約…なんて思っていたはずがいざ選ぶとなると、大きいカラットに目を奪われます。笑
■私は予算内で考えて0.7カラットにしました。
4Cもこだわりましたが最終的にカラーを落としてカラット数を上げました。
■私は1.38カラットのダイヤを買ってもらいました。
幼い頃から2カラットぐらいの大きいダイヤモンドに憧れていたので、1カラットアップをもらいたいと願っていました。
逆に大きなダイヤモンドを選んだという人は、その存在感に魅了された!という意見や、憧れていたから!という人が多いようです。また、小さ目のダイヤは年齢を重ねると少し物足りなく感じてしまうこともあるので、長い目で見て選ぶことも大切です。
体験談
■私はカラーをEにしました。実際Dと比べても目では確認できないぐらいなので、Dより大きめなのが買えましたので満足です。後はカットとリングの部分の光の反射で輝きが違いますので好みで。私のは質をほんの少し下げて、量を重くした感じです。
■私はカラーはGです。
素人目には全然違いはわかりませんし鑑定書を見せることもありません。
実際の予算がそんなになかったのでそれ以上のカラーにすると、カラット数ががたんと落ちたので。カットはラウンド・ブリリアント・カットです。 とても満足しています。
カラット数を重視するため、カラーのグレードを落としたという意見もありました。 自分が4Cのうちどこにこだわりたいのか、決めておくとダイヤモンド選びもスムーズになりなりそうです。
体験談
■ブランドにこだわらず、4Cとお店が決め手
ダイヤの大きさと4Cなどの質にこだわりたかったので、有名ブランド店にこだわらず決めました。
お店の店員さんや社長さんの商品知識の豊富さ、価格に対してのダイヤの品質の良さが決め手です。(30代前半女性)
■ブランドより、ダイヤの輝き(4C)で選びました!
デザインはセミオーダーだったので、好きなデザインになったし、大満足です。 ブランドでない分、ダイヤにお金をかけました。(20代後半女性)
ブランドにはこだわらず、ダイヤモンドの質にこだわったという人も多いですね! 有名ではない分価格もリーズナブルで、その分グレードを上げられたという意見も。
ダイヤモンドの品質を決める基準となる「4C」について、どのように評価されているのかの基礎知識や鑑定書の見方をご紹介しました。
先輩花嫁さんたちが何を重視してダイヤモンドを選んだのかの体験談も、とても参考になりますね。
ダイヤモンドは天然の鉱物なので、同じグレードでもその輝きはひとつひとつ違います。
数値やグレードではわからない、身に着けた時の感覚や気分も選ぶ時に大切にしたいポイントです。
どれにしたらいいのかわからない!となったら、ぜひ手に取って身に着けてみてください。 結婚生活を華やかに彩ってくれる、素敵なダイヤモンドと出会えますように。
▼年代別購入価格や価格別人気ブランドはこちら
▼ダイヤモンド以外の宝石を使った婚約指輪の選び方はこちら
※ 2023年10月 時点の情報を元に構成しています
「婚約指輪」 の キホン に含まれています