結婚披露宴の食事中、「これで合ってるかな?」と不安になることも多いテーブルマナー。
一般的なレストランでの食事と違い、大勢との乾杯や席を離れるシーンがあるため、戸惑うことも多いですよね。「マナーが気になってお料理がゆっくり味わえなかった…」なんてことになってはもったいない!
本記事では、披露宴に参加する前に押さえておきたいテーブルマナーをわかりやすく解説していきます。結婚式の進行に沿って、シーンごとに必要なマナーや間違えやすいポイントを見ていきましょう。
椅子の座り方
まずは椅子の座り方です。
椅子の右側が上座、左側が下座になるため、着席・退席するときは左側からが基本のマナーといわれています。スタッフが椅子を引いてくれたら、左側から椅子とテーブルの間に入ります。椅子が押されてひざの裏に軽くふれたら、慌てずゆっくりと腰を下ろしましょう。
おなかとテーブルの間にこぶし一個分のスペースが空くように意識しておくと、座ったときにちょうど良い距離感が保てます。背もたれには寄りかからず、姿勢を正して座ってくださいね。
バッグはどこに置く?
バッグは椅子の背もたれと腰の間か、ひざの上に置きます。かさばって置きにくい場合は足元でOK。料理がサーブされるのは左側からが多いので、邪魔にならないよう右側の足元に置きましょう。
乾杯&飲み物のマナー
新郎新婦入場が終わり、まず最初にあるのは乾杯シーン。手元のグラスに乾杯の飲み物が注がれます。
飲み物を注いでもらう時に持ち上げたり、グラスに手を添えるのはマナー違反!グラスを置いたままで待ちます。
グラスは親指、中指、薬指の3本で持ち、人さし指と小指は軽く添える程度で大丈夫。乾杯の音頭があったらグラスをぶつけず目の高さまで持ち上げて、周囲の人に目礼をしてから一口だけいただき、グラスを置いてから拍手をします。
ナプキンのマナー
乾杯が終わるとお料理が運ばれてくるため、ナプキンを広げてスタンバイしておきましょう。
ナプキンは広げて半分に折り、折り目をお腹側に向けてひざに置くのが正しいマナー。口を拭く時は汚れが表に出ないように、折ったナプキンの裏側で口元を抑えるように軽く拭いてください。
うっかりやってしまいがちなナプキンのNGマナー
うっかりやってしまうと恥をかく、ナプキンのNGマナーはこちら!
首元にかける
ドレスの襟元が汚れないようにと首元にかけたくなるところですがこれはマナー違反。ナプキンは指や口を拭くために置かれているものなので、ひざの上が正式になります。
テーブルを拭いたりグラスを拭く
おしぼり気分でうっかりやりがちなのは、ナプキンでテーブルを拭いたりグラスを拭くこと。こちらもナプキンの使い方とは異なるのでNGです。グラスの水滴が気になる場合でも、手についた水滴をナプキンで拭く程度にしましょう。
自分のティッシュやハンカチを使う
ナプキンが汚れないように自分のティッシュやハンカチを使う行為も、良さそうに見えても実はマナー違反。「用意されたナプキンは汚くて使えない」というメッセージになり、逆に失礼にあたります!ハンカチは感動シーン用にとっておきましょう。
食べ終わったときにきれいに畳む
食べ終わったらナプキンをきれいに畳むという一見良さそうな行為。こちらもまた「サービスに満足できなかった」という意思表示になってしまいます。
食事が済んだらナプキンはあえて崩した状態で、左側に置いておくのが正しいマナーです。
食事中のマナー【洋食編】
次は食事中に気を付けたい、カトラリーのマナーを解説していきます。
カトラリーの使い方とマナー
カトラリーとは、フォークやスプーン、ナイフの総称のこと。ずらりと並ぶ姿に身構えてしまう人も多いですが、コースの順番ごとに必要なカトラリーが並んでいるので、外側から使っていけばOKです。
グラスも、シーンに合わせて適切な飲み物が注がれるので、空のグラスは動かさずに置いておきましょう。
食事の時には右手にナイフ、左手にフォークを持ちます。柄を握って、人差し指に背をあてて持つのが正しい持ち方です。
ドリンクを飲む時やパンを食べるために一時的にナイフとフォークを置く場合、ナイフとフォークをハの字に置くことで「このお皿はまだ食べ途中ですよ」のサインになります。
この時フォークは伏せたままで、ナイフは刃を内側に向けておきます。
ナイフとフォークを平行に揃えて、3~4時の方向に置くのは「このお皿は食べ終わりました」というサインです。フォークは食べ途中の置き方とは逆で表向き、ナイフの刃はそのまま内側に向けておきましょう。
カジュアルなレストランウェディングなど、略式のテーブルセットではナイフレストが用意されていることがあります。ナイフレストがあるときには、一皿食べ終わるたびにカトラリーを戻すのを忘れずに。
覚えておきたい!洋食の基本マナー
つづいて洋食の基本的なマナーです。間違いやすいポイントのみピックアップしてご紹介しますので、ここだけでも覚えておくと安心ですよ。
お皿は基本的に持ち上げない
洋食ではお皿は基本的に持ち上げません。口直しにいただくソルベが入った小さな器も、持ち上げず食べるのがマナーです。
コーヒーを飲むときもソーサーは置いたままに。右手だけでカップを持ち、左手を添えずに飲みましょう。
パンはちぎって食べる
パンは丸ごとかぶりつかず、一口大にちぎって食べます。バターを塗る時も、ちぎってから塗りましょう。
食べるタイミングにも迷いますが、運ばれてきたタイミングから食べはじめてOK!その後に出てくる魚料理や肉料理と一緒に食べ切るのがベストです。
料理のソースをパンにつけて食べたくなりますが、結婚式などのフォーマルな場ではマナー違反になるので注意しましょう。
スープは音をたてない
スープはスプーンの7~8分目を目安にすくって、すすらず、口に流し込むようにして飲みます。
日本では手前から奥にすくう英国流が主流です。残り少なくなったら無理やりすくわず、終わりにして大丈夫です。
メイン料理は左の端から食べる
魚やお肉料理のメイン料理は、左の端から食べはじめるのがマナーです。最初に全てを切ってしまうのではなく、食べる分だけ切り分けるようにしましょう。
そうすることでお料理のメインのお料理が冷めてしまったり、パサついて味が落ちることを防げます。
▼婚礼料理の基礎知識をチェック
▼高級レストランで食べるフレンチの詳しいマナーはこちら
食事中のマナー【和食編】
次は和食の場合の食事中のマナーです。まずはお箸の扱い方から見ていきましょう。
お箸の持ち方とマナー
婚礼料理では、洋食でもゲストに配慮して用意されているケースが多いお箸。
割り箸の場合は縦に持って左右に割るのではなく、膝の高さで横持ちにして扇を開くように割ります。割った後は一旦箸置きに置いてから使いはじめてくださいね。
食べ終わるごとにカトラリーをお皿に置く洋食と違い、箸は食べ終えたら箸置きに。お椀やお皿の上に置きっぱなしにしないように注意しましょう。
覚えておきたい!和食の基本マナー
お箸の扱い方がわかったら、次は和食の基本マナーをご紹介します。
手のひらより小さいお皿は持って食べる
お皿を持たずに食べる洋食と違い、和食の場合は豆皿や小皿など、手のひらより小さいお皿は持って食べるのがマナー。
お刺身も、お醤油の小皿を持って食べるのが正しい食べ方です。
吸い物のふたは裏返さない
お吸い物や茶碗蒸しなどふたつきの器の場合、ふたを開けたら逆さにしてお椀の右側に置きます。食べ終わったら器に傷をつけないよう、運ばれてきたときと同じ状態に戻してください。
食べ終わったことがわかるよう、ふたを裏かえして重ねたり、少しずらしたりする必要はありません。
こんな時どうする?
最後は、結婚式のテーブルマナーで気になるQ&A。
こんな時はどうしたらいいの!?と戸惑いがちなマナーを解説していきます。
乾杯のお酒が飲めない
体質や帰りの関係で乾杯のお酒が飲めないという人もいますよね。お祝いムードの中飲めないとも言いにくく、1口でも飲んだ方が良いの?と心配する人もいますが、この場合は飲んだフリだけでOKです。グラスに口をつけて、祝福の気持ちを表しましょう。
使うカトラリーを間違えてしまった
カトラリーを使う順番を間違えてしまった!という時も、焦らないで大丈夫。使う時になれば、スタッフさんが再度用意してくれますよ。
席を離れたい
お手洗いや演出などで席を離れる場合は、膝の上のナプキンは畳んだまま、座席の上か背もたれにかけて置きます。
席についた時と同じように、椅子の左側から出入りするようにしましょう。
カトラリーを落とした
うっかりカトラリーを落としてしまった!という場合には、自分で拾わずスタッフを呼んでください。
万が一飲み物をこぼしてしまった場合も、自分でどうにかしよう!とするのは逆に失礼になります。スタッフが新しいものを用意してくれたら、軽くお礼伝えてくださいね。
スタッフを呼びたい
スタッフを呼びたい時には声を出して呼んだりせず、アイコンタクトで伝えるのがマナー。気づかれない場合でも声を出さず、片手を軽く上げてアピールしましょう。
新郎新婦の食事姿も見られている!
ここまでゲスト向けにマナーを紹介してきましたが、新郎新婦が披露宴の間に食事ができる場合ももちろんマナーは同様です。
人生で一番食べる姿を見られると言ってもいいほど、ゲストから見られていることを忘れないで。衣装を汚さないように配慮しながらの食事になるので食べる姿勢や、カトラリーの使い方など、配慮できるといいですね。
マナーの基本を押さえて食事を楽しんで
迷いがちな結婚披露宴でのテーブルマナーをシーンごとに解説しました。
結婚式の前にはもう一度マナーを予習しておくことで、当日は心にも余裕ができそうです。食事はもちろん、周囲との会話やおもてなし演出もたっぷり楽しんでくださいね。
※ 2022年12月 時点の情報を元に構成しています
「ゲスト」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています