結婚式の乾杯の挨拶では、短いスピーチが一般的となっています。誰が何を話すのか、上司や父親など新郎新婦との関係性別の例文とともに解説します。
お祝いの場にふさわしいマナーに従い、ユーモアや感動、話し手ならではのエピソードを盛り込むことで、喜ばれること間違いなし!挨拶の前後の流れも確認して、乾杯を成功させましょう♪
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時間は2分以内!乾杯の挨拶は短いほうがいい
結婚式の乾杯の挨拶は、短くまとめるのが理想です。披露宴で新郎新婦の入場後、主賓からの祝辞の前後に行われ、マナーとして主賓に次ぐ立場の人にお願いすることが一般的です。
上司や先輩、カジュアルな結婚式では両者の共通の知り合いや盛り上げ上手な友人にお願いする場合もあります。親族のみの結婚式では父親や、新郎が自ら行うこともあります。
乾杯の前に行うこの挨拶は、時間としては2分以内がベスト。文字数は300字前後を目安に、簡潔で短い挨拶になるよう心掛けましょう。
乾杯の挨拶の基本構成
結婚式の乾杯の挨拶は、次の4つの要素で構成するとすっきりとまとまります。
1. 自己紹介
まずは名前と、新郎新婦との関係性を簡潔に述べます。そして他のゲストに対し、代表して乾杯の音頭を取ることについてお断りを入れます。
2. お祝いの言葉
新郎新婦と両家の親族へのお祝いの言葉を述べます。
3. エピソードとはなむけの言葉
新郎または新婦の人柄が伝わるエピソードを交えながら、はなむけの言葉を贈ります。
4. 乾杯の発声
ゲストに起立と乾杯の準備を促し、タイミングを見て乾杯の発声を行います。
【関係性・シチュエーション別】乾杯の挨拶の例文
乾杯の挨拶は、新郎新婦との関係性や結婚式の形式によって様々なパターンが考えられます。関係性やシチュエーション別に、挨拶のポイントと例文を紹介します。
上司の乾杯の挨拶【例文】
上司の立場では、新郎または新婦の職場での仕事ぶりを褒めるエピソードを盛り込むことが多いです。ユーモアを交えると、乾杯が笑顔溢れる和やかなものになります。
今後の期待を込めた、温かいはなむけの言葉を贈りましょう。
【例文】
(新郎の名前)さん、(新婦の名前)さん、ご両家ならびにご親族の皆さま、本日は誠におめでとうございます。また、このような盛大な披露宴にお招きいただきまして、心よりお礼申し上げます。新郎の〇〇さんは何事にも誠実に取り組む性格で、周囲への気配りも上手く、職場はもちろん取引先でも厚い信頼を得ています。家庭においても良き夫となると確信しています。
(新郎の名前)さん、(新婦の名前)さん、これからふたりで支え合って、幸せな家庭を築いていってください。
それでは皆さま、ご唱和をお願いいたします。おふたりの前途と、ご両家のますますの繁栄をお祈りしまして、乾杯!
恩師の乾杯の挨拶【例文】
恩師の立場から、新郎新婦の良さを具体的なエピソードとともに紹介しましょう。上から目線にならず、愛情で包み込むようなスピーチを心掛けます。人生の先輩らしく、名言などを盛り込むと印象に残りやすいです。
【例文】
私は新婦の〇〇さんが通っていた高校で担任をしておりました、〇〇と申します。彼女とはクラス担任や部活の顧問として、3年間一緒に過ごしてきました。しっかり者で思いやりが深い彼女は、クラスの皆にも慕われていました。どんな場所でも真っ直ぐに頑張る彼女の築く家庭は、きっと素晴らしいものに違いありません。(新郎の名前)さん、たまに頑張りすぎてしまう彼女を、その大きな腕で支えてあげてください。
それでは皆さまご起立の上、ご唱和をお願いいたします。ご結婚おめでとうございます。乾杯!
同僚・友人の乾杯の挨拶【例文】
同僚や友人の立場で乾杯の挨拶をする際には、リアルなエピソードが期待されます。挨拶は短くコンパクトなほうが好印象です。
【例文】
多くの先輩方がいらっしゃる中でご指名いただき、誠に僭越ではございますが、乾杯の音頭を取らせていただきます。(新郎の名前)さんとは小学校からの仲で、共通の趣味もあり、たくさんの時間を共に過ごしてきました。人前では多くを語らずポーカーフェイスの彼ですが、新婦の〇〇さんの話になると本当に幸せそうな表情をします。
最高の伴侶と出会えた彼を羨ましくも思いますが、それ以上に嬉しい気持ちでいっぱいです。
それでは、おふたりの新しい門出を祝し、乾杯のご唱和をお願いします。乾杯!
父親の乾杯の挨拶【例文】
父親による乾杯の挨拶は、親の立場から参列ゲストへの感謝と「今後ともよろしく」という気持ちを伝えるものが多いです。
【例文】
本日はお忙しい中、息子夫婦のためにお集まりいただき誠にありがとうございます。たくさんのお祝いのお言葉を頂戴し、親としてこれほど嬉しいことはございません。(新婦の名前)さんという人生の伴侶と出会い、ハレの日を迎えることとなりましたが、まだまだ未熟な夫婦でございます。新たな一歩を踏み出したふたりを、温かい目で見守っていただけたら幸いです。
それでは新郎新婦の未来と、ご列席の皆様のご多幸を祈念いたしまして、乾杯したいと思います。乾杯!
新郎の乾杯の挨拶【例文】
カジュアルな結婚式や親族のみの披露宴では、新郎自ら乾杯の発声をする場合もあります。親族への感謝、参列へのお礼、今後の付き合いのお願いをしっかり伝えることがポイントです。
【例文】
本日はご多用のところ、私たちのためにお集まりいただきありがとうございます。先ほど、ふたりが一目ぼれしたチャペルにて、皆さまに見守られながら無事に挙式を行うことができました。日頃から私たちを支えてくださっている皆さまへ、感謝の気持ちを伝えるべく、このような席を設けさせていただきました。お食事の合間には演出も用意しておりますので、お楽しみいただければ幸いです。
恐れ入りますが、私が乾杯の音頭を取らせていただきます。乾杯!
乾杯の挨拶の流れ
本番でスムーズに挨拶ができるように、乾杯の前後の流れも確認しておきましょう。お辞儀のタイミングもあわせて確認しておくことをおすすめします。
1. 司会者の紹介でマイクの前へ
司会者があなたを紹介し始めたら、周りのゲストに一礼します。紹介が終わったら、グラスを持ってその場で立ち上がり、再度同じテーブルのゲストに一礼してからマイクの前へ進みます。
2. スピーチをする
スタッフの案内があったら新郎新婦に一礼します。続いて会場のゲストに向けて一礼し、グラスを持ったままスピーチを行います。
3. ゲストに乾杯の準備を促す
スピーチの最後に「グラスをお取りください」や「ご唱和ください」といった形で、ゲストに乾杯の準備を促します。グラスを目の高さまで上げ、ゲスト全員が起立してグラスを上げるのを確認します。
4. 乾杯の発声
ゲストがタイミングを掴みやすいよう、ひと呼吸を置いて「それでは」などの言葉を挟み、「乾杯!」の発声を行います。新郎新婦、ゲストの順に視線を合わせてからグラスに口をつけましょう。
5. 席に戻る
新郎新婦に一礼し、ゲストに一礼して自分の席に戻ります。テーブルに戻ったら、着席前に同じテーブルのゲストに一礼するとより丁寧な印象になります。
乾杯の挨拶のマナー&ポイント
乾杯の挨拶で気をつけたいマナーと、上手な挨拶にするためのポイントを解説します。
目線は高く、グラスは胸の下で持つ
マイクの前に立つと、視線をどこへ向けるべきか悩むこともありますが、顔を上げ、ゲスト全員に目を配るようにしましょう。グラスは胸の下あたりで持つのがスマートです。背筋を伸ばし、堂々とスピーチしましょう。
カンペもOK、でもなるべく覚えて
カンペを用意しても構いませんが、グラスを持って話すため、カンペを持つのも難しいところです。なるべく練習して内容を覚えるようにしましょう。覚えるのが難しい場合や緊張でしゃべれなくなるのが心配であれば、短い挨拶で済ますのも手です。
また、緊張すると間違えがちなのが新郎新婦の名前です。うっかり間違えないよう、練習の段階で一度読み方を確認しておくといいでしょう。
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乾杯のタイミングをはっきり示す
乾杯は、新郎新婦、親族、ゲストが一緒に行うもの。乾杯のタイミングがはっきりとわかるように、スピーチから一呼吸おく、ゲストを見回すなどしましょう。
乾杯の音頭は明るく、爽やかに
披露宴を始める乾杯の音頭は、明るく爽やかに行いましょう。スピーチがしっとりしたものでも、乾杯は笑顔で行うと良いですね。
お祝いとしてふさわしい内容に
お祝いの場にふさわしい内容と言葉遣いを心掛けましょう。新郎新婦に話してほしくないことを確認しておくことも大切です。
また、古い価値観の言葉や、不適切な内容がないかにも注意を払ってください。不幸を連想させる「忌み言葉」は避け、ポジティブな印象となるように工夫しましょう。
短い中にもユーモアや「らしさ」のある挨拶がベスト
乾杯の挨拶は慣れないと緊張してしまうのが普通です。スマートな挨拶ができるよう、しっかりと準備して臨みましょう。スピーチの長さよりも、自分らしさを意識し、心からのお祝いの言葉で乾杯を盛り上げてください。
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