結婚式の男性ゲストの服装はスーツにネクタイが基本ですが、その色や柄、バッグや小物などにも細かいマナーがあります。当日自分自身が恥ずかしい思いをしないため、また新郎新婦やその親族に失礼がないよう、きちんとマナーを守った服装で参列したいもの。
結婚式にふさわしい服装とアイテム選び、着こなしのポイントを紹介します。
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結婚式の男性ゲストの服装マナーは?
結婚式のようなフォーマルな場では礼服を身につけましょう。モーニングコートやタキシードなどの「正礼装」、ディレクターズスーツやブラックスーツなどの「準礼装」、ダークスーツなどの「略礼装」があり、場の格式や雰囲気に合わせて使い分けます。
結婚式の男性ゲストの服装は新郎より目立たないことが大前提で、スーツやシャツ、ネクタイや靴、そして小物にもマナーがあります。場にふさわしい服装をすることは新郎新婦へのお祝いの一つともいえるでしょう。
立場や会場に合わせて選ぶ
結婚式に参列する際には、会場の雰囲気や新郎新婦との関係・立場に合う服装を心がけましょう。
新郎新婦の上司として参列するなら親族より目立たずかつ上品でフォーマルな装いを。友人であれば次に紹介するような一般的な服装でOKですが、スピーチや受付など役割がある場合は華やかさもプラスしたいですね。
また格式高いホテルや神社、専門式場での結婚式には、派手すぎず落ち着いた服装がおすすめです。一方レストランのようなカジュアルな会場であれば、明るい色を取り入れたりコーディネートを工夫して個性を出したりしてもいいでしょう。
では、男性ゲストが気をつけたい服装マナーをスーツやシャツなどのアイテムごとに解説していきます。
▼結婚式で受付係を依頼されたら?
▼親族として参列する結婚式のマナーは?
【スーツのマナー】ブラックスーツが基本
男性ゲストの服装はブラックスーツが基本です。ブラックスーツは昼夜問わず着用できる準礼装で、上質なウール生地が使われています。
ジャケットは後ろに切れ込みがないノーベントで、すっきりと見せたいならシングル、貫禄を出したいならダブルがおすすめです。パンツの裾はシングルにします。柄はなしが基本ですが、シャドーストライプのような控えめな織り柄であればOKです。
スタイリストセレクト
「ブラックスーツは黒色のスーツのことをいいますが、ビジネススーツとはデザインが微妙に異なります。主賓から一般ゲストまで幅広く着られるスーツです」(スタイリスト大沢さん)
カジュアルな式なら紺やグレーもOK
カジュアルな結婚式なら濃紺やグレーのダークスーツでも構いません。ダークスーツと同じくノーベントで、パンツの裾はシングルにします。
格式高い結婚式では着用しないのが無難ですが、招待状に「平服でお越しください」とあった場合はダークスーツを選ぶといいでしょう。ベストを重ねるとフォーマル感が増し、色を変えればおしゃれな雰囲気になりますよ。
スタイリストセレクト
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「ややカジュアルな結婚式の場合、フォーマル感を出すのにベストを重ねたスリーピースもおすすめです。ジャケットと同色が基本ですが、ベストの色を変えるとしゃれた雰囲気も醸し出せます」(スタイリスト大沢さん)
明るい色やカラースーツはNG!
ビジネススーツはNGです。また明るいグレーやカラースーツ、派手すぎる柄も避けましょう。
【シャツのマナー】色は白、無地が基本
シャツは白の無地が基本で、襟はレギュラーカラーかセミワイドカラーを選びましょう。
ボウタイ(蝶ネクタイ)を身につける場合はウイングカラーに。ウイングカラーシャツとは首を囲むように襟が立ち上がり、襟先だけが前に折れたシャツのことです。
光沢のあるブロード生地がフォーマルスーツとの相性がよくおすすめです。
上品な色や織り柄入りもOK
織り柄入りのシャツは品格があり華やかな印象で、結婚式に向いています。また、ややカジュアルな結婚式であればサックスブルーや淡いピンクのシャツもOKです。
ボタンダウンシャツ、半袖シャツはNG!
ボタンダウンシャツはカジュアルな印象になるのでNGです。
また、夏であっても半袖シャツはNG。原色のような派手なカラーやはっきりした柄物も避けましょう。
【ネクタイのマナー】色は白やシルバー、柄は無地が基本
ネクタイは白やシルバーの無地が基本です。
スピーチなどで人前に出る場合は、パーティーらしいボウタイ(蝶ネクタイ)もおすすめ。ボウタイの色は白・シルバーのほか黒もOKです。
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Grancreer【日本製】ふじやま織シルクネクタイ&挿すだけ台紙付きチーフセット
「ネクタイは結婚式にふさわしい光沢感のあるシルク素材のものがおすすめです」(スタイリスト大沢さん)
「ボウタイ(蝶ネクタイ)は、夕方から夜の結婚式で使われていますが、最近は昼間から着用される方も増えてきています」
(スタイリスト大沢さん)
パステルカラーやおしゃれなペイズリー柄もOK
明るいブルーやピンク、パープル、シャンパンゴールドなどのパステルカラーもOKです。シャツやポケットチーフと色をそろえてコーディネートするとおしゃれにまとまって見えます。柄物を取り入れるなら高級感のあるドットやストライプ、おしゃれなペイズリー柄など、派手すぎなければ問題ありません。
スタイリストセレクト
「柄はレジメンタル(等間隔に入ったストライプ)、ドット(小さな水玉柄)が定番です。 その他は千鳥格子やペイズリーなど。柄が細かいほどフォーマルな印象になります」(スタイリスト大沢さん)
グランクレエ 日本製 ふじやま織 蝶ネクタイ&ポケットチーフセット
「ボウタイは黒、シルバー、白のほか、パステルカラーや紺もOKです。 素材は光沢感のあるシルクやベロアがおすすめです」
(スタイリスト大沢さん)
ネクタイの結び方のポイント
ネクタイは結び目が大きいとだらしなく見えるので、小さめに結ぶのがポイント。ディンプルと呼ばれるくぼみが綺麗に見えるように意識して結びましょう。
黒いネクタイはNG!
弔事用とされる黒いネクタイはNGです。またヒョウ柄のようなアニマル柄は殺生をイメージさせるため結婚式には向きません。
【靴のマナー】色は黒、ストレートチップが基本
靴は黒の紐付きの革靴で、つま先に一本線が入ったストレートチップがフォーマルに適しています。
つま先に装飾のないプレーントゥもフォーマルですが少し値段が上がります。また靴紐を通す部分の羽根が全開しない内羽根が基本です。
スタイリストセレクト
[ジョーマリノ] Jo Marino 日本製 本革 メンズ ストレートチップ
「黒のストレートチップが最もフォーマルなデザインです」(スタイリスト大沢さん)
茶色の靴やカジュアルシューズはNG!
ブーツやスニーカーなどのカジュアルシューズ、ブラウン系の革靴はNGです。装飾が多いウィングチップやアニマル柄も避けましょう。
【靴下のマナー】色はスーツや靴に合わせ、無地が基本
靴下の色はスーツか靴の色に合わせるので、黒を選んでおけば間違いありません。無地が基本で、素肌が見えないようにミドル丈かロング丈の靴下を選びましょう。
靴下の準備を忘れていて、ふさわしい靴下の手持ちがなく当日直前にバタバタした、という声もよく聞きます。おしゃれの基本は足元から、ともいいます。あらかじめ準備しておきましょう。
スタイリストセレクト
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「歩いたり脚を組んだりしても素肌が見えないミドル丈~ふくらはぎ全体を覆うロング丈だと安心です。素材は薄すぎず厚すぎないもので、長時間靴を履くので通気性が良く、防菌防臭・消臭など機能的なものだとよりいいですね」(スタイリスト大沢さん)
素肌が見えてしまう丈の靴下はNG!
素肌が見えるくるぶし丈のもの、白色や柄物は避けましょう。素足ももちろんNGです。
【バッグのマナー】男性は手ぶらが基本。貴重品はクラッチバッグに
手ぶらでバッグなしが男性ゲストの基本スタイルです。とはいえスマホや財布、ご祝儀など少なからず荷物があるので、貴重品を持ち込む場合はクラッチバッグ(セカンドバッグ)を使いましょう。
スタイリストセレクト
[Duvialno]クラッチバッグ セカンドバッグ メンズ 本革 レザー 結婚式
「色は目立ちすぎない黒やチャコールグレーで、素材はレザーがいいですね。コンパクトなサイズで厚さが薄いものが好ましいです」(スタイリスト大沢さん)
通勤バッグはNG!
仕事で使うビジネスバッグはNGです。また大きな荷物はクロークに預け、会場に持ち込まないのがマナーです。
【小物のマナー】さりげなく取り入れてスーツに差をつける
スーツやシャツ、ネクタイの色柄に決まりがある分、みんな同じようなスタイルになりがちです。おしゃれに差をつけるなら小物使いに力を入れたいところ。
マナーを守ってネクタイピンやポケットチーフ、カフスなどを使いこなしましょう。
ネクタイピン
シルバーを基本に、スーツやネクタイに合うものを選びましょう。派手すぎないシンプルなデザインのものが無難です。
ポケットチーフ
生地は麻またはシルクで白の無地が基本です。ほかにもピンクのような明るめの色や多少柄が入っているものもOKです。
カフスボタン
シャツの袖口にカフスボタンをあしらってもいいでしょう。白蝶貝のものが最もフォーマルで、石素材のデザインがおすすめです。
結婚式の服装にはたくさんマナーがあって何を選ぶべきか悩みますよね。
迷ったらまずはブラックスーツに白シャツの基本スタイルで、慣れてきたら色柄や小物でおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。
場にふさわしい服装で新郎新婦をお祝いできるよう、参列の際はぜひ参考にしてください。
イラスト/モトスギユミコ
※ 2018年3月 時点の情報を元に構成しています
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