友人や同僚などに結婚式の受付係を頼まれたら、あなたは自信をもってその役目を務められますか?もしかしたら、マナーやゲストとのやり取りなどで不安に感じる部分もあるかもしれませんね。
この記事では、受付係を担当するときのマナー、ゲストとのやり取りに役立つ文例集を紹介します。これを読めば安心して当日を迎えられるはず!
結婚式受付係の仕事とは?
結婚式の受付係は、結婚式当日にゲストを出迎えご祝儀を預かる大事な役目があります。受付に立つのは新郎側のゲストから2名・新婦側のゲストから2名が一般的です。
受付係に指名される場合、招待状に受付係への案内が同封されていることがほとんど。もし指名されたら集合時間・場所などが記載されているのでしっかり確認しておきましょう。
当日の流れは結婚式場のスタッフとの打ち合わせで確認します。受付係の主な仕事はこちら。
- ゲストの出迎え
- 芳名帳の記帳をお願いする
- ご祝儀の預かり・保管
- 席次表を渡す
- お車代を渡す
- 控え室や披露宴会場への案内
そのほか演出に必要なものの受け渡しやゲストへの説明が必要になることも。また、新郎新婦へのお祝い金であるご祝儀を管理するので、受付係同士でコミュニケーションをとり、決して受付を無人にしないようにしましょう。
受付を頼まれたら「基本は断らない」がマナー
もし新郎新婦から受付係を依頼されたら、快く引き受けましょう。もしどうしても断らざるを得ないときは、新郎新婦は別の受付係を探さなければならないため、早めに返事をするようにしましょう。
▼新郎新婦向け!受付係の依頼方法をチェック
受付担当になると挙式や披露宴に参加できない?
結婚式の受付係は集合時間がやや早いだけでなく、ほかのゲストが到着し終えるまで仕事があるので挙式や披露宴に参加できないのでは?と不安に思う人もいるかもしれません。
しかしその心配はなく、会場にもよりますが基本的には挙式や披露宴の10分ほど前に受付を閉め、受付係も挙式・披露宴に参加することが可能です。
スタッフから案内がある場合が多く、遅刻者がいる場合はスタッフに伝えて対応してもらいます。
受付が挙式後の場合は、挙式直後の写真撮影やフラワーシャワーなどの演出の途中で受付に移動し準備をするパターンもまれにあります。当日の流れについて不明な点があれば事前に新郎新婦や会場スタッフに確認しておきましょう。
結婚式の受付にふさわしい服装
結婚式は若い世代だけでなく、両家の親戚も一堂に会する公式の場です。受付係も基本的なゲストの服装マナーに則り、失礼のない服装を選びましょう。基本のマナーと受付係が意識したいポイントを解説します。
【女性の服装】清楚で明るいドレス
女性はフォーマルなドレスやワンピースが基本で、お祝いの雰囲気に合う明るい色がいいでしょう。ただし白は花嫁の色とされているのでNGです。
羽織りを用意するなどして肌の露出を抑え、スカートは膝が隠れる丈が安心です。TPOにそぐわないビビッドカラーのパーティードレスや胸が大きく開いた服装は避けましょう。もちろん和装もOKです。
会場で着付けを行っている場合もありますが、着付けてから来場する場合は受付係の集合時間を確認してから着付けや美容室の予約をするといいでしょう。
また、受付係はお辞儀をしたり記帳を促したりと下を向くことが多いので、髪が邪魔にならないようにセットしておきましょう。メイクは派手すぎず、上品で華やかな雰囲気を意識したいですね。目元や口元に明るいカラーを取り入れるのもおすすめです。
足元は洋装であればヒールありのパンプスが基本です。露出が多いオープントゥパンプスやミュール、カジュアルな素材は避けましょう。受付係は立っている時間が長いので、履きなれた靴だと安心です。
▼女性ゲストの詳しい服装マナーやおすすめドレスをチェック
【男性の服装】柄のないダーク系のスーツ
男性はブラックスーツが基本です。そのほか、濃いネイビーやグレーのダークスーツもOK。チェックや派手な柄入りのものはカジュアルになるので避けましょう。
シャツは白の無地が基本で、レギュラーカラーかセミワイドカラーがフォーマルです。ネクタイは白やシルバーの無地が基本ですが、華やかなシャンパンカラーや淡いブルー、パープルなどもOK。シャツやネクタイと色を合わせたポケットチーフをプラスするとより華やかになりますよ。
足元は黒のストレートチップが基本です。靴紐を通す羽根が全開しない内羽根がフォーマルで、スーツか靴の色に合わせた靴下を着用しましょう。
▼男性ゲストの詳しい服装マナーをチェック
受付係の当日の流れ
受付係を引き受けたら、事前に当日の流れをイメージしておくと安心です。会場や新郎新婦の意向により流れが異なる場合もありますが、一般的な流れを紹介します。
1.新郎新婦の親族に挨拶
受付開始前に新郎新婦の親族に挨拶をします。親族の準備が整ったときに受付に来られる場合が多いので、その際にお祝いの言葉と受付係を務める旨を伝えます。新郎新婦との関係性を含めて短く自己紹介もできるといいですね。
新郎新婦の友人である場合
本日はご結婚、誠におめでとうございます。本日受付を担当する、〇〇さん(新郎・新婦の名前)の友人の**と申します。しっかり務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
新郎新婦の同僚である場合
本日はご結婚おめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。私、本日受付を務めさせていただく〇〇さん(新郎・新婦の名前)の同僚の**と申します。〇〇さん(新郎・新婦の名前)にはいつも大変お世話になっております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
2.受付係の打ち合わせ
通常、新郎側・新婦側から2名ずつの4名が受付を担当します。ゲストの案内とご祝儀の管理に分かれて対応するのが一般的です。ほかの受付係と初対面であれば、受付係同士でも挨拶をしておきましょう。
私、〇〇さん(新郎・新婦の名前)の大学時代の友人の**と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
3.式場スタッフとの打ち合わせ
式場スタッフとの打ち合わせで受付の流れを確認します。ボールペンや芳名帳、ご祝儀を置くトレーなど受付用の備品はスタッフがセットしてくれている場合が多いです。備品の扱いやご祝儀の管理方法などをしっかり確認しましょう。
また、受付中にゲストを案内する可能性があるので、トイレやクローク、喫煙室、授乳室などの場所もこのタイミングで確認しておきましょう。
4.受付開始
ゲストへの挨拶
ゲストが来たら、立って一礼して迎えましょう。ゲストが「本日はおめでとうございます」とお祝いの言葉を述べたら、新郎新婦に代わって出席に対する感謝を伝えましょう。
本日はお忙しいなか、ご出席いただきましてありがとうございます。
受付が混雑しているときは「ありがとうございます」と一言でもOKです。また、雨など天候が悪いときには気遣いの言葉を添えると丁寧になります。
本日はお足元の悪いなか、ご出席いただきましてありがとうございます。
また、新郎新婦の親族が受付に来られたらお祝いの言葉を述べましょう。
本日は誠におめでとうございます。
ご祝儀を受け取る
ゲストからご祝儀が差し出されたら、両手で受け取りお礼を伝えましょう。
ありがとうございます。お預かりいたします。
「ご祝儀はございますか?」のように催促するのはNGです。ご祝儀を受け取ったらトレーに置いておきます。
芳名帳への記帳をお願いする
ゲストに芳名帳への記帳をお願いします。手で記入する位置を示して案内すると親切です。
こちらにご記入をお願いいたします。
名前と住所を書く場合が多いですが、名前だけやウェディングツリーのように芳名帳以外のものを用いるケースもあります。記帳してもらっている間に出席者リストにもチェックを入れましょう。
配布物を手渡し、控え室を案内する
席次表などの配布物を手渡し、控え室を案内します。
こちらが本日の席次表です。お席のご確認をお願いいたします。会場の準備ができましたら係の者が案内いたしますので、もうしばらく控え室でお待ちください。控え室は左手奥にございます。
控え室は新郎側と新婦側で分かれていることもあります。その際は、応対しているゲストにどちら側か説明しましょう。
こちらが本日の席次表です。披露宴開始の10分前になりましたら係の者が案内いたしますので、もうしばらく控え室でお待ちください。向かって右側が新郎側の控え室です。
また、控え室に飲み物が用意してある場合は、その旨を伝えてもいいでしょう。
控え室にお飲み物を準備しております。お取りになって今しばらくお待ちください。
ゲストが全員揃っている場合
ゲストが揃ってすでに開場しているときは、控え室ではなく会場へ案内します。
こちらが本日の席次表です。お席をご確認のうえ、お席におかけになってお待ちください。
遅刻者がいる場合
遅刻の人がいて開宴に間に合わない場合は、到着を待たずに受付を閉めます。スタッフに遅刻者がいることを伝えて引き継ぎましょう。
会費制の結婚式の場合は会費を確認する
会費制の結婚式の場合は、ゲストごとに金額を確認する必要があります。現金で受け取って卓上の金庫にしまうのが一般的です。
本日、おひとり会費〇〇円となります。(お金を受け取ったら)確認させていただきます。
会費をご祝儀袋に入れてこられた場合も同様に金額を確認しましょう。また、会費とは別にご祝儀を持ってこられた場合は「ありがとうございます」と受け取り、会費とは別に保管しておきましょう。
当日の打ち合わせで確認すること
受付の打ち合わせの際に確認しておきたいことがいくつかあります。
お金に関わることやゲストによりイレギュラーな対応が必要なこともあるので、メモを取るなどしてしっかり確認しましょう。
受付で預かったご祝儀の保管先
一般的なご祝儀の扱いとしては、ゲストから受け取ったら一旦トレーに置きますが、あふれないように少しずつ専用の袋に移します。袋は会場側が用意してくれている場合が多いので確認しておきましょう。
集めたご祝儀を渡す相手(親族の誰か)
受付が終わってから預かったご祝儀を誰に渡すのかを確認しておきましょう。渡す相手は親族であることがほとんどなので、お祝いの言葉を伝えて無事に受付が終わったことを報告します。
本日はご結婚おめでとうございます。無事に受付が終わりました。
こちらが本日皆様からお預かりしたご祝儀です。
受付の終了時間によっては親族もすでに会場に入っている場合があります。渡す相手の居場所がわからない場合は会場スタッフに問い合わせましょう。
受付からお車代を渡すゲストはいるか、またはそのリスト
新郎新婦からゲストに渡す交通費の「お車代」やそのほかの品を預かる場合があります。リストを用意してくれていたり、渡すものに名前が書いてあったりするので、出席者名簿と照らし合わせて確認しておきましょう。ご祝儀を受け取った後に、新郎新婦から預かったことを伝えて渡します。
新郎新婦より、こちらをお預かりしております。
新郎新婦または親族に取り次ぐ必要のあるゲストの有無
新郎新婦や親族から「来られたら知らせてください」「親族の控え室に案内してください」などと頼まれているゲストがいる場合は、そのゲストの受付が終わった時点で対応します。
新婦のお母様が〇〇様にお会いしたいと申しております。すぐにお呼びいたしますので、こちらで少しお待ちいただけますか?
遅刻者への対応
遅刻する予定のゲストが事前にわかっていることもあります。開宴に間に合わない予定の場合は、そのゲストは待たずに受付を閉めて会場スタッフに引き継ぎます。受付開始後に遅刻するゲストが判明した場合も、忘れずに会場スタッフに伝えましょう。
こんな時、どうする!?
トイレに行きたくなったら?
持ち場を離れなくてもいいように、受付が始まる前にトイレを済ませておきましょう。それでもトイレに行きたくなってしまったときは、スタッフに一言伝えてから受付を離れるようにします。
ゲストがご祝儀を忘れていた場合
ご祝儀はあくまで気持ちを受け取るものなので、催促するのはNGです。ご祝儀をいただかなかった場合やゲストから何か申告があった場合は、名簿にその旨を記入しておきましょう。
新郎新婦から受付のお礼をいただいた
挙式や披露宴の前後に、新郎新婦の両親や親族から受付のお礼をいただくことがあります。その場合は、お礼を述べてありがたく受け取りましょう。
新郎新婦側の人間としての振る舞いを
結婚式での受付係は、新郎新婦側の立場で最初にゲストを迎え入れる大切な役割です。結婚式が滞りなく始められるように、流れを確認して服装にも気を遣いましょう。
受付を頼まれるのは新郎新婦からの信頼の証ですから、お祝いの気持ちを持って、明るく笑顔で受付係を務められるといいですね。
※ 2022年1月 時点の情報を元に構成しています
「ゲスト」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています