結婚式のスピーチやスポーツ選手へのインタビューなどで聞くことのある「おめでとうございました」という言葉。
おめでたいのに過去形?と違和感を感じる人も多いようです。その正しい意味と使い方や、不快感を与えないための言い換え表現を紹介します。
「おめでとうございました」はおかしい?正しい意味は
「おめでとう」は相手におめでたい出来事があったときに言う挨拶の言葉で、「おめでとうございました」はその丁寧語です。
過去の出来事に対しても現在の出来事に対しても「おめでとうございました」とお祝いを伝えることができます。
「おめでとうございました」は過去形ではない
「おめでとうございました」の「た」は過去形ではありません。「そんなことがあったんだね、それはよかった!」というような意味合いの、認識の完了ととることができます。
似た用法の「~た」で終わる言葉
同様に「~た」で終わる過去形ではない言葉がいくつかあります。
たとえば探し物をしていて「ここにあった」と今見つけた物について言いますよね。相手からいい報告を受けたときに「よかった」と言うのも現在についての表現ですし、明日の予定を確認するときに「明日、会議あった?」と言うように、未来に起こる出来事についても使います。
「おめでとうございました」は結婚式で使ってもOK!でも違和感を感じる人も
結婚式などのお祝いでも使える
以上のように「おめでとうございました」は目の前のおめでたい出来事についても使えます。よって結婚式の司会の言葉やお祝いのスピーチで使ってもOKです。
結婚式のスピーチで上司が新郎新婦に対して
…以上をもちまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。
結婚式のお見送りでゲストが新郎新婦や親族に対して
とても楽しい式でした。この度はご結婚おめでとうございました。
相手の昇進を知ったとき
この度は昇進おめでとうございました。
スポーツの試合の結果を聞いたとき
優勝おめでとうございました。
それでも気持ち悪いと感じる人も
意味としては正しくても、過去形の表現と類似しているために違和感を感じる人は多いようです。おめでたいことをもう済んだかのように扱っていて、今はもうおめでたくない・おめでたい出来事や気持ちが終わったかのように感じることが理由のようです。
違和感を避ける「おめでとうございました」の言い換え表現
「おめでとうございました」という言葉の印象は聞く人によってさまざまだと考えられるので、意図せず不快な印象を与えてしまうこともあるかもしれません。大人数の前で話すときや公式の場では、言い換え表現を使って違和感を与えないようにできるといいですね。
おめでとうございます
「おめでとうございます」も「おめでとう」の丁寧語です。場面や相手を選ばず使える表現といえるでしょう。
お祝い申し上げます
「お祝い申し上げます」は「おめでとうございます」と同じ意味ですが、「申し上げる」と謙譲表現を使うことで相手を敬う気持ちを表現できます。かしこまった雰囲気の場にも適しています。
お慶び申し上げます
「お慶(よろこ)び申し上げます」も相手を敬う丁寧な表現です。「お喜び」としても意味は同じで、公式の場や書き言葉としても使うことができます。
「~ました」とつく表現は過去形の文章で使われることが多いので、「おめでとうございました」の正しい意味よりもイメージが先行してしまうのは無理もないでしょう。
おめでたい場で相手に不快な思いをさせないように言葉に配慮するのも、相手へのお祝いの気持ちの表し方かもしれませんね。
※ 2021年10月 時点の情報を元に構成しています
「ゲスト」 の 雑学 に含まれています