結婚式でブーケとお揃いで用意することが多い「ブートニア」。「ブートニアって何?」「どうやって付けるの?」というブートニアの基礎知識から、コーディネート実例を交えた選び方のポイント、ブートニアを使ったおすすめの演出まで、結婚式で役立つ情報を詳しく解説します。
ブートニアとは?
ブートニアとは、結婚式で新郎の左胸につける花飾りのこと。ジャケットの襟部分にあるボタン穴または胸ポケットに挿すのが一般的で、フランス語で「ボタン穴」を意味する「boutonniere」からきています。欧米では古くから結婚式の伝統として新郎が身につけるアイテムとされ、現在では日本の結婚式でも定番となっています。
ブートニアの意味と由来
ブートニアの由来は、中世ヨーロッパのプロポーズの習慣から。男性が女性へプロポーズする際に花束を贈り、女性は承認のサインとして花束の中のいち輪をそっと抜き取って男性の胸元に挿す。その胸元に挿した花が、ブートニアの由来になったと言われています。
一連の流れは「ダーズンローズ」の儀式でもお馴染みですよね。ブートニアは単なる装飾品ではなく、ふたりの愛が成就した象徴として、結婚の意味を深めてくれる素敵なアイテムなんです!
ブートニアとコサージュの違いは?
男性のスーツやタキシードの襟元に飾るのがブートニア。女性の左側の鎖骨あたりに飾る花飾りがコサージュで、つける人と場所が異なります。サイズもブートニアの方が小さめで、シンプルなデザインが多いのが特徴です。
ブートニアは誰がつけるもの?
基本的にブートニアは新郎がつけるものですが、新郎以外の親族や付添人がつけることもできます。たとえば、両家の父親やベストマン(グルームズマン)、リングボーイなどの子どもにつけてもらうことで、コーディネートに一体感と華やかさが生まれます。
ブートニア贈呈のシーンを、絆を育む演出としてプログラムに取り入れるカップルも!ブートニアを使った演出については、最後に説明しますね。
ブートニアの準備方法
ブートニアの準備方法は主に3つあります。
- 式場や提携花屋さんに依頼する
- 外部の花屋さんで購入して持ち込む
- 手作りする
それぞれの特徴や注意点を見ていきましょう。
式場・提携花屋さんに頼む
一番ポピュラーなのは、式場や提携花屋さんに頼む方法。ブーケと一緒に依頼することで統一感が出て、当日の管理も式場スタッフにお任せできるため安心です。ただし、提携先はほかと比べて料金が高めなことが多いので、予算には余裕をもっておきましょう。
提携外で購入して持ち込む
予算を抑えつつクオリティにもこだわりたい!というふたりは、フラワーショップやハンドメイドサイトなどで購入して持ち込むのがおすすめです。事前に式場の持ち込み料金の確認を忘れずに!
お願いする際は、タキシードの色や式のイメージ写真を見せながら相談すると、イメージが伝わりやすくなります。受け取りも自分たちでおこなうため、納品日や受け渡し方法もしっかりと確認し、当日に間に合うように依頼しましょう。
手作りする
DIY好きなカップルには、手作りという選択肢もあります。比較的気軽につくれるので、DIY初心者でもチャレンジしやすいアイテムです。オリジナリティを出せるだけでなく、素材次第では大幅な節約も可能。手作りならではの温かみと思い出が詰まったブートニアは、両家の父親へのプレゼントにも人気です。
ブートニアの費用相場
ブートニアはブーケとセットでオーダーするのが一般的。そのため、セット価格なことがほとんどですが、ブートニア単体でオーダーしたい場合は3,000円~が目安です。式場提携先やハンドメイド作家さんにオーダーする場合は3,000円~5,000円程度。保管が簡単なドライフラワー、アーティシャルフラワー(造花)のブートニアや既製品であれば、3,000円以下で購入できるものも多いです。
手作りであれば材料費込みで1,000円程度からできるので、ベストマン(グルームズマン)全員に用意したいという人や予算重視派は手作りも検討してみてはいかがでしょうか?
ブートニアの種類
ブートニアの種類は大きく分けて3種類あります。
- 生花
- ドライフラワー
- アーティシャルフラワー(造花)
それぞれに良さがあるので、結婚式のスタイルやこだわりに合わせて選んでみてください。
生花
一番人気の生花のブートニアは、生花ならではの瑞々しさや美しい色、香りが楽しめることが魅力。結婚式ではイメージに合うよう、色、形、咲き具合にもこだわった花を仕入れます。厳選して使用するため費用は高めですが、本物の花の美しさは格別。顔まわりを華やかに演出してくれます。
ドライフラワー
独特の風合いと味わい深さが魅力のドライフラワーは、アンティーク感やナチュラルな雰囲気を大切にしたいカップルに人気です。繊細なため取り扱いには注意が必要ですが、前撮りから当日まで使いまわしもOK。結婚式後も思い出のアイテムとして取っておくことができるためコスパも良いです。
アーティシャルフラワー(造花)
生花を模したアーティシャルフラワー(造花)は、本物そっくりな見た目ながら扱いやすいのが特徴です。価格が安定しているため予算に合わせやすく、季節を問わず好きな花が選べるのも魅力のひとつ!高品質なアーティシャルフラワーを選べば、本物と見分けがつかないくらい美しいブートニアになりますよ。
ブートニアの選び方
花嫁のブーケとお揃いにするのがブートニアの定番の選び方。ブートニアはコンパクトにまとめなければいけないため、ブーケの花材のなかでもどの花材を選ぶかや、どの程度のボリューム感にするかで、仕上がりの印象も大きく異なります。
バラやカラーなどのいち輪でも存在感のある花を選べば、シンプルながらも華やかな印象に。小花をたくさん束ねると、繊細でかわいらしい雰囲気になります。結婚式のテーマカラーや会場の雰囲気、タキシードの色との相性も考慮して選ぶと、より洗練されたコーディネートが実現できます。
ブートニア実例コーディネート
ブートニアにはどんなデザインがあってどんな雰囲気になるのか、ここからは先輩カップルの実例コーディネート写真と共に、タキシードとのコーディネートのポイントをお伝えします!
クラシカルな胸元を演出♪気品漂う白のブートニア
結婚式で定番の白のブートニアは、清潔感と上品さを演出する色。フォーマル感を高めてくれるため、荘厳なチャペルでの挙式やクラシカルな雰囲気の結婚式にぴったりです。
主張しすぎない白はどんなタキシードにも合わせやすい万能カラー。他の装飾やアクセサリーとの調和も取りやすく、お気に入りのコーディネートを引き立ててくれます。
ブラックやネイビーのタキシードとの相性も抜群!ガーベラのしっとりとした優しい白がネイビーのジャケットに映えて、明るく爽やかな印象を与えてくれます。
くすみカラーで大人ナチュラルに
こちらはくすみカラーのバラと小花でまとめたブートニア。小花やグリーンをつかってナチュラルさを出しつつも、色で甘さを抑えた組み合わせは、大人ナチュラルな結婚式を演出したいふたりにおすすめです。
知的な青でさりげない個性を演出
顔まわりをキリっと引き締めてくれるブルーのブートニアは、クールで知的な印象に。黒や白はもちろん、シルバーのチーフやタイと相性も抜群。さりげなく個性を主張できる素敵なアクセントになりますよ!
華やかな赤で印象的に
赤や紫は顔まわりをぐっと華やかにしてくれるカラー。写真のように大ぶりの花を束ねたブートニアはエレガントな印象に。遠くからでもよく映えるので、大きな会場やホテルなどのゴージャスな会場にもおすすめです。
オレンジ×シルバーでおしゃれに
こちらは、ビビッドなオレンジがおしゃれなドライフラワーのブートニア。リボンとリンクしたシルバーのチーフはこなれ感抜群!秋冬の結婚式にもぴったりなブートニアです。
個性的ないち輪をアクセントに
花嫁のブーケの花材をふんだんに使ってつくる、ミニブーケのようなブートニア。ふたりの関係性を象徴する素敵なコーディネートに。個性的な白の花がアクセントになって、ほかにはないふたりらしいブートニアに仕上がっています。
リボンの素材にもこだわって
くすみ系の色合いと独特の質感が、とってもおしゃれなドライフラワーのブートニア。コットンのリボンを合わせることで、ほどよいナチュラル感もプラスして、ナチュラルシックな雰囲気によく似合うブートニアに仕上がっています。
家族お揃いのブートニアで絆を確認
小花を束ねた小ぶりのブートニアは、ナチュラルでかわいらしい印象に。アットホームな少人数婚やファミリーウェディングなど、あたたかみのある結婚式にしたいふたりにおすすめです。
子どもにもお揃いのブートニアを用意すれば、視覚的にも家族の絆が感じられる結婚式に。写真撮影時にも一体感を演出できます。
ブートニアのつくり方
材料も工程も少ないブートニアは、初心者でも手軽にDIYが楽しめるアイテムとして人気です。「ブートニアならつくれるかも!」という人のために、ブートニアのつくり方を簡単に解説します。
【材料】
- お好みの花材(アーティシャルフラワー)
- ワイヤー
- 花材をカットするハサミ
- フローラルテープ(花用テープ)
- リボン
【つくり方】
1.花材を花の根元1センチあたりでカットし、ワイヤーを巻き付けて茎をつくる。
2.ワイヤーで巻き付けた部分をフローラルテープで巻く。
3.メインの花→小花や実→グリーンの順に束ねる。
4.束ねた花材をフローラルテープで固定し、バランスを見ながら先端をカット。
5.先端からリボンを巻き付けていき、花の背面の根元で輪をつくりくぐらせてひと結びにする。
6.余ったリボンをカットし、お好みでリボンをつけて完成。
ブートニアのつけ方
ブートニアのつけ方はいくつかありますが、一般的なのはブートニアピンと呼ばれる大きなまち針のようなピンを使って刺す方法です。両側の生地をピンですくい、その間にブートニアを置いて固定します。
ほかにも、左胸ポケットに直接挿す方法や、ブートニアクリップや磁石タイプを使う方法もあります。ピンと違って穴を開けずにつけられるため、タキシードを傷めたくない場合や子どもにつける場合に便利。持ち込みの場合でも当日はスタッフさんが着けてくれることがほとんどなので、安心してくださいね。
ブートニアを使った演出
最後は定番の演出から、家族の絆を深めたい結婚式にぴったりな演出まで、ブートニアを活用した演出を紹介します。
ブーケ・ブートニアセレモニー
「ブーケ・ブートニアセレモニー」は、ゲストから集めた花を束ねてつくったブーケを、新郎がプロポーズと共に花嫁に贈り、返事の代わりに花束からいち輪の花を抜いて新郎の胸元に挿す、中世ヨーロッパのプロポーズスタイルを再現したロマンチックなセレモニーです。
似た内容に、「愛情」「誠実」「永遠」など12の意味が込められた12本のバラを使う「ダーズンローズセレモニー」もあります。どちらもゲスト参加型で会場全体が一体になれる、挙式で人気の演出です。
▼ダーズンローズセレモニーとは?儀式の流れやセリフ例文はこちら
父親・母親からのブートニアセレモニー
家族の絆を感じる結婚式にしたいというふたりは、いままで育ててくれた両親から、あるいはこれから家族になる花嫁の両親から、新郎へブートニアをプレゼントするブートニアセレモニーがおすすめ!
家族水入らずならファミリーミートで、ゲストの見守るなかでおこなうなら、ジャケットセレモニーのタイミングで取り入れてみてはいかがでしょうか?
両家の父親にブートニアをプレゼント
ふたりから両家の父親にこれまでの感謝を込めて、ブートニアをプレゼントする演出も人気です。贈るタイミングはファミリーミートや、披露宴の花束贈呈のシーンが一般的。
ふたりのブーケ・ブートニアとリンクしたデザインのブートニアを贈ることで、「これからはひとつの家族として」という気持ちが伝わって、両家の絆を深める素敵な瞬間に。記念写真も統一感のある雰囲気で撮影できますよ。
ブートニアにもふたりのこだわりを詰め込んで♪
胸元を華やかにしてくれるだけでなく、演出アイテムとしても活躍するブートニア。費用の幅も少なくこだわりを実現しやすいアイテムなので、好きな色や花を取り入れて、個性をプラスしてみるのはいかがでしょうか?ブートニアにもふたりらしさを詰め込んで、理想の結婚式を実現してくださいね。
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※ 2025年5月 時点の情報を元に構成しています
「ブーケ・ブートニア」 の キホン に含まれています