結婚式準備がいよいよ佳境に入る頃、引き出物や引菓子選びに入ります。
以前までは、鰹節などの「おめでたいもの」を配ったり、披露宴の料理の一部を披露宴出席者の家族へのお土産として持ち帰ってもらうものでしたが、現在では形にとらわれずおふたりが自由に選んだものを持って帰っていただくスタイルに変わりました。
引き出物は、披露宴で用意する料理の値段のおよそ三分の一までを目安に準備するのが相場といわれてきました。
引き出物は、新郎新婦側からゲストへの「お礼」であって、ご祝儀に対しての「お返し」ではありません。
また最近では、おもてなし傾向の高まりからゲストごとに贈り分けするケースも増えています。
では、先輩カップルたちは、どのように引き出物の贈り分けをしたのでしょうか?
贈り分けの仕方
親族とそれ以外で分ける
親族は、友人や会社同僚よりもご祝儀の額が多いもの。
親戚間では結婚式披露宴に「招き・招かれる」ということもあり、暗黙の了解として、「夫婦で十万円」などとなっている場合も少なくありません。
友人や会社同僚と同じ金額やランクの引き出物ではちょっと気が引けるケースでは、贈り分けをした先輩カップルが多くいました。
体験談:「引き出物は4パターンに分けた」
■新郎新婦の親族/新郎新婦の目上に当たる方/新郎側/新婦側 の4パターンでわけました。新郎側と新婦側で年齢に差があったのでギフトの内容も変えました。(30代前半女性)
体験談:「親族と友人の2パターンに分けた」
■私は親族と友人で分けました。親族と友人では頂くご祝儀も違ってくるので、必然的に引き出物も違うものになると思います。(28歳女性)
男性と女性で内容を変える
男性と女性では嬉しいと感じる品物には差があるかもしれません。
男女別なら新郎新婦側も別々に品物も選べるため、選択肢が増えますね。
体験談:「ゲストにあわせて男女別にした」
■私は親戚・上司・会社と友人の男女別の4パターンにしました。不公平を感じる人もいるかもしれませんが、非常識ではないと思います。(29歳女性)
既婚と未婚で内容を変える
引き出物の定番商品として「食器」がありますが、特にセットを選ぶと「小皿5枚組」など、家族仕様になっている場合がほとんど。
独身で1人暮らしのゲストは、保管場所にも困ってしまうかもしれません。
家族がいるかいないかで品物を分けることも可能です。
体験談:「既婚と独身で贈り分け」
■私は親族と主賓・女性と既婚男性・独身男性の3つに分けて贈りました。(27歳女性)
贈り分けの注意点
中身が違うことを知られないよう配慮する
個人に合うものを新郎新婦が考えてくれた!という気持ちはゲストにとって嬉しいものです。
しかしながら、「違い」が分かることで、ゲスト感に不快な思いをさせないために、配慮が必要になります。
特に同じグループの友人間では、違う引き出物を贈るのは避けた方が無難でしょう。
体験談:「会場での手渡しでなく、配送に」
■贈り分けをして他の人と品物が違うと分からないよう、配送にしたら全く問題ないと思います。(34歳女性)
体験談:「友人同士での品物違いはマイナスイメージに」
■友人同士で話をして品物が違うことがわかると、マイナスに受け取る人もいますよ。ほどほどに分けてくださいね。(28歳女性)
【細かく分類しすぎない】
ゲストに喜ばれるような引き出物を選びたいという気持ちはとても大切です。 しかしながら、あまりに細かく贈り分けをすると、手配にミスが起きる可能性があります。
確実に該当ゲストに引き出物がわたるように、慎重に行いましょう。
引き出物の相場
親族:約7,000~12,000円
親族には友人や上司よりもランクアップさせた引き出物を贈るケースが多いようです。
親族とは長い付き合いになり、また両家両親の顔を立てる意味でも、満足いただける内容の引き出物選びは重要でしょう。
ぜひ、両家両親にも確認の上で決めるようにしましょう。
友人・同僚:約3,000~7,000円
友人や同僚など、新郎新婦と同列の立場の方の場合、一般的にご祝儀は3万円が相場とされています。
上司や親族と比べると、ご祝儀の金額は低めかもしれません。
それを反映して、引き出物の金額も控えめ設定となり、3,000円~7,000円の範囲内が多いようです。
ただし、引き出物の金額を節約しすぎるとゲストからがっかりされ、イメージダウンにもなってしまいます。品選びは慎重に行いましょうね。
上司:約5,000~10,000円
結婚式に招く上司は、主賓であったり挨拶をお願いするケースが少なくありません。
上司は同僚よりも高額なご祝儀をいただくことが予想されますし、当日の「お礼」も兼ねて、ワンランク上の引き出物を贈るとより丁寧になります。
引き出物の選びかた
これまでの引き出物選びは、おふたりの考え方をはじめ、両親や「家」の慣習など、主催者側の意向が強く反映されてきました。
一方、最近は「おもてなし」の傾向から、ゲスト目線で引き出物を選ぶ傾向も高まっています。
カタログギフトのメリット・デメリット
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メリット
ゲストそれぞれの趣味を満足させる引き出物選びは難しいものです。 そんなとき、いろいろな商品が掲載されているカタログギフトはとても重宝します。
特に、遠方からのゲスト、高齢のゲストには、引き出物を持ち帰っていただく手間が省けてよいですね。
体験談:「かさばらず重くない」
■披露宴後、2次会や3次会まである場合もあるし重くないのがいいと思います。選ぶ楽しみもありますし、私はもらって嬉しいですよ!(33歳女性)
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デメリット
とはいえ、カタログギフトも万能ではありません。
現在、カタログギフトにはたくさんの種類があり、それぞれテイストも異なります。
残念ながら「趣味にあわない」と思うゲストがいる可能性はあります。
体験談:「カタログギフトの商品が趣味に合わなかった」
■私が頂いたカタログギフト商品で欲しいものは余りありませんでした。今でも商品に交換していないものもあります。(26歳女性)
カタログギフトと品物との贈り分け
引き出物を結婚式に出席するお楽しみ、と考えるゲストはいるかもしれません。
また地方によっては、引き出物を持ち帰るのが当然、という考え方もあります。
ゲストそれぞれの状況に配慮しつつ、カタログギフトを喜んでくれそうなゲストは誰か、という視点で考えてみる贈り分けもよいですね。
特に、「遠方」、「年配」の方への配慮として、カタログギフトを考えるという方法もあります。
体験談:「友達は品物、親族はカタログギフトに」
■私はゲストによって変えました。友達は近くからしか来ないので、食器。親戚は遠方からだし年配の人が多いのでカタログギフトにしました。親戚受けは良かったですよ。予算にあうカタログを見て、選ぶ人の好みを想像して、決めると良いかもしれませんね。(32歳女性) )
家族や夫婦のゲストには?
引き出物の悩みとして、家族や夫婦など、複数名で出席するゲストに対しての引き出物は、やはり人数分用意するかどうか?ということがあるようです。
人数分の用意となると、夫婦それぞれに同じものが2セットわたることになり、「家庭に2つも同じものはいらない」となるかもしれません。
一方、「夫婦でご祝儀」をくださるゲストは、一人で出席するゲストよりも金額は多いはず。夫婦に引き出物1セットだけでは見合わないのでは?という疑問もあります。
家族で参加するゲストに対しても同じです。
解決策として
夫婦1組にペアものの引き出物を選ぶ
夫婦それぞれ別々に男女別の引き出物を選ぶ
子どもが参加している場合には、別途用意する
などがあるでしょう。
なお、親族で夫婦参加をするゲストについては、両親や「家」の慣例がある場合が多いので、かならず両親に確認の上、引き出物を準備したほうがよいかもしれません。
引き出物選びは二人の考え方が反映されるものです。
ご祝儀を想定してランク分けすることも合理的ですが、結婚式後に予想されるお付き合いや、それまでのお世話になった度合いから選んでみても「おもてなし」感が高まります。
忙しい時期の引き出物選びは大変ではありますが、ぜひゲストの顔を思い浮かべながら、楽しく選べるとよいですね。
※ 2016年3月 時点の情報を元に構成しています
「引出物」 の 花嫁相談室 に含まれています