ビジネスシーンや結婚式の挨拶などで聞くことのある「ご教示ください」は相手に何かを教えてもらいたいときに使う表現。似た言葉に「ご教授ください」があり、それぞれの意味や使い方に迷う人も多いのではないでしょうか。
シーン別の例文や言い換え表現をチェックして正しい使い方を知っておきましょう。
「ご教示ください」の読み方と正しい意味は?
「教示」は「きょうじ」と読み、字の通り教え示すことを意味します。「ご教示ください」は相手に何かを教えてください、とお願いするときの言い方です。
少し堅苦しい印象を持たれることもあり、口頭よりもメールなどの書き言葉で使われることが多くなっています。
簡単な知識や方法を聞くときに使う
「ご教示ください」はその場で教え示すことのできる簡単な知識や方法、手順などに対して使う言葉です。たとえば次のようなことが挙げられます。
- 仕事の手順
- 機械やシステムの使用方法
- スケジュール
「ご~ください」は敬語表現のため上司のような目上の人に使っても失礼にあたりません。
また結婚式などで「これからもよろしく」という意味合いの挨拶として使うこともあります。
間違えやすい「ご教授ください」の意味は?
よく似た言葉に「ご教授ください」があります。「教授」は「きょうじゅ」と読み、学問や技芸などを継続的に教え授けることを意味します。
たとえば次のようなより専門的な知識や時間をかけて習得する学問・技芸などを教えてもらいたいときに使う言葉です。
- 相手の専門分野の知識
- 研究や学問
- 楽器、スポーツなど
学問なら大学教授、楽器ならプロ奏者など、その道のプロに教えてもらうようなことに対して使います。その場でサッと教えられる内容に対しては使わないので注意しましょう。
「ご教示ください」を使った例文
シーンごとに具体的な使い方を見ていきましょう。
【ビジネス】仕事の手順や方法を聞くとき
新しい仕事や作業のやり方を先輩に教えてもらいたいときに「ご教示ください」を使います。堅苦しい、強制されていると感じる人もいるので、相手との関係性に応じて前後の文章を工夫できるといいでしょう。
例文
システムの入力方法についてご教示いただけるとうれしいです。
こちらの書類の処理について、お時間のあるときにご教示いただけますか?
【ビジネス】取引先との連絡
「ご教示ください」は敬語表現なので、社外の取引先との連絡でも使用できます。
例文
来月のスケジュールについてご教示いただきたく存じます。
〇〇の管理方法についてご教示くださいますと幸いです。
【結婚式】新郎スピーチ
結婚式の新郎の謝辞で、ゲストに対する締めの挨拶として使うことがあります。
例文
未熟なふたりでございます。これからもご教示のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
至らないところの多い私どもではございますが、今後とも公私に渡るご助言・ご教示をいただきますよう心よりお願い申し上げます。
▼結婚式の新郎の謝辞についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
【結婚報告】結婚報告をする挨拶の文例
また、お世話になった人への結婚報告はがきなどで「これからもどうぞよろしく」という意味合いの挨拶としても使います。
例文
今後とも変わらぬご教示と励ましをいただけますよう心からお願い申し上げます。
これまで以上に公私に渡るご助言・ご教示を賜りますようお願い申し上げます。
▼結婚報告はがきの文例についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
「ご教示ください」の言い換え表現
「ご教示ください」と同様に何かを教えてもらいたいときに使える言い換え表現を紹介します。
お教え願います
「教えてください」を丁寧に言う表現です。端的な響きであるため、どちらかというと書き言葉で使われることが多いでしょう。
例文
週末の稼働状況についてお教え願います。
ご指導いただけませんか
「教えてもらうことはできるか?」と相手の都合や意見を伺う表現です。疑問文なので直接や電話など口頭での使用が適しています。
例文
先ほどの商談について、改善点などご指導いただけませんか?
ご連絡ください
相手に予定を聞きたいときや、返答に時間がかかるであろうときには「ご連絡ください」としてもいいですね。
例文
来週のスケジュールが確定しましたらご連絡ください。
ご意見をお聞かせください
明確に何かを教えてほしいわけではなく、気づいたことや助言がほしい場合はこういった言い方でもいいでしょう。
例文
使用した商品についてご意見をお聞かせください。
伺ってもよろしいでしょうか
謙譲語「伺う」を使った敬語表現で、「聞いてもいいか」と丁寧に尋ねる言い方です。主に口頭で使い、相手に強制しない「待ち」の姿勢が感じられる表現ですね。
例文
差し支えなければご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?
「ご教示ください」は日常会話ではあまり使わない言葉なので、意味の理解があいまいなまま使われていることも多くあります。正しい意味を理解して、相手に失礼のないように丁寧な言葉遣いができるといいですね。
▼そのほかの使い方に迷う敬語についてはこちら!
※ 2021年10月 時点の情報を元に構成しています
「披露宴演出」 の 雑学 に含まれています