家族の協力による演出は結婚式・披露宴をより感動的なものにします。
結婚式でのベールダウンやフラワーガール、披露宴のサプライズの余興など、家族による演出にはいろいろあります。家族挙式であればなおさら家族の存在は大きなものですね。
そこで今回は、結婚式での新郎新婦と家族による演出 をご紹介します。
1.家族協力による結婚式演出
結婚式はそれまで育ってきた家庭を巣立ち、新たな家庭を築く節目の儀式です。
「今まで育ててくれてありがとうございます」「これからもよろしくお願いします」という意味が込められた、新郎新婦と家族がかかわる演出がいくつもあるようです。
大きく分けると、
・新郎新婦と両親
・新郎新婦とお子様
になるのではないでしょうか。
新郎新婦と両親の演出
新郎新婦と両親が関わる演出として、親が子に行なう「最後の役目」を象徴するものや、子から親への「感謝」を象徴するものがあります。
結婚式・披露宴における演出として、次のものがあるでしょう。
【結婚式での演出】
挙式会場では、花嫁と両親との演出として、
・母親と行なう演出:ベールダウン
・父親と行なう演出:バージンロード入場
花婿と親族(友人)との演出として
・ダーズンローズ
があります。
☆ベールダウン:母親
花嫁のベールには花嫁を邪悪なものから守るための「魔よけ」の意味があるといわれています。
ベールダウンは、「これからもずっと幸せでありますように」との母親の願いを込め、大切に育ててきた娘を送り出す「最後の役目」を象徴するセレモニーです。
ベールダウンは、結婚式直前にブライズルームで母親がベールを下ろす、挙式会場の入口で、ゲストに見守られながら母親がベールを下ろす方法があります。
☆バージンロード入場:父親
花嫁が父親と腕を組んで入場する姿は、結婚式では定番のシーンですね。
キリスト教式の際、入口から祭壇までの通路に敷かれた白い布のことを、本来の英語では「Aisleアイル(通路)」。
由来は、教会の床下に潜んでいると信じられていた悪魔から、白い布を敷きその上を歩くことで新婦を守ったことから来ています。
日本では花嫁は無垢であるべき、という意味から「バージンロード」という和製英語が定着しました。花嫁と腕を組んで歩いてきた父親は、花婿に「これから娘をよろしくお願いします」という意味を込めて、新郎へとバトンタッチされます。
☆ダーズンローズ
ブーケをプロポーズの言葉とともに花嫁に差出し、花嫁が「はい」の意味を込めて、そのうちの一輪を花婿の胸に挿す「ブーケ・ブートニア伝説」。
ダーズンローズはここから発展して、12本のバラを参列者から花婿が受け取りながら花嫁のもとへむかう人前式でのセレモニーです。友人・知人のみと行う場合もありますが、多くは両親、兄弟姉妹、親族なども加わるようです。
【披露宴での演出】
「みんなのウェディング」のアンケート調査によると、結婚式で両親に向けた演出を行った先輩カップルは90%以上にのぼりました。
両親に感謝を伝える演出は、ゲストの共感も得られやすく1番の感動ポイントでもあります。 披露宴全体を引き締めるためにも企画を考えてみてはいかがでしょうか。
☆ラストバイト
母親の「最後の役目」として、披露宴でのウェディングケーキを、花嫁と花婿それぞれに「食べさせる」演出です。
☆花嫁の手紙
花嫁が両親へ宛てた感謝の気持ちを込めた手紙。 披露宴のお開き近くでの感動的な演出として、定番のものです。
結婚式で定番の花嫁の手紙は、自分で読むのは気恥ずかしい、泣いてしまって読めない、と思う方も多いかもしれません。 司会者の代読という方法もありますが、自分の言葉と声で感謝を伝えることで感動が伝わります。
両親とのこれまでの思い出を交えながら自分の言葉で書くよう心がけてみましょう。
☆花束贈呈
花嫁花婿からそれぞれの両親へ、あるいは義両親へ、など、花束贈呈では、いくつかのパターンがあるようです。 ただ花束を渡すだけでなく、顔を見ながら感謝を直接伝えられるチャンスです。
☆中座での演出
中座の際に新郎新婦をエスコートする役割を両親にお願いするケースがあります。 特別な準備も必要ないため、両親に抵抗さえなければ、素敵な思い出になる演出です。
母親の出番が多いようですが、父親でも、両親でもよいですね。 手を取って一緒に歩いたのは、小さな子ども時代以来久しぶり! BGMにはちょっと凝って感動的な演出を目指しましょう。
新郎新婦とお子様の演出
両親との演出が、感動的でしんみりとしたものであるのとは対照的に、お子様が登場する演出はほほえましく楽しい雰囲気になりますね。 定番のものとしては、
・リングガール&ボーイ
・フラワーガール&ボーイ
がありますが、そのほか参加するお子様の年齢や性格、特技にあわせた演出があると楽しいですね。
☆リングガール&ボーイ
「お子様」との演出で定番ともいえるものが、キリスト教挙式での指輪を運ぶ「リングガール&ボーイ」の演出です。 男の子や女の子が指輪を運ぶ姿はとても可愛らしいもの。
ただし、きちんと指輪を運ぶことが重要な「任務」。 それが可能なお子様を選ぶことがポイントです。
体験談
かわいい甥っ子にはリングボーイに
■5歳の甥っ子にリングボーイをしてもらいました。甥っ子をめちゃくちゃかわいがっていたので何でもいいから何かしらやってもらいたくて式場の方に聞いたらリングボーイの提案をされたので。(30代前半女性)体験談
任務遂行可能な年齢ならばリングガール
■リングガールを行ってもらいました。4歳だったので、指輪を持って歩けるだろうということと、この年齢位しかできないことなので、私にも、子どもにも思い出になるかと思いお願いしました。(30代前半女性)
☆フラワーガール&ボーイ、花束贈呈
お花にまつわる演出はお子様にぴったりです。 挙式でのフラワーガール&ボーイのほか、披露宴での花束贈呈もかわいらしく華やかな雰囲気になります。
花びらをまいたり、花束を渡すことができれば、年齢が小さくても可能な演出。 ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
体験談
新郎新婦に4人で花束贈呈
■新郎新婦に花束贈呈をしました。子供の年齢は3歳2人5歳8歳の4人です。せっかく参加してもらったので子どもたちにも飽きないようにと写真撮ったり出来るようにしました。(30代前半女性)体験談
かわいらしいサプライズで感激
■サプライズで子どもたちから私たちにお花のプレゼントがあった。年齢は4歳くらいから7歳くらいの子が多かった。(20代後半女性)
☆エスコートガール&ボーイ(入退場)
花嫁のドレスの裾やトレーンの端をもったり、一緒に手をつないでの入退場の演出も定番です。
お色直しなどの中座のタイミングでもみられ、結婚式・披露宴を通して可能な演出といえるでしょう。 お子様自身も注目を集める演出でもあり、はりきってくれる姿は微笑ましいですね。
☆乾杯の発声
フォーマルな披露宴であれば、上席のゲストが行なうケースが多い「乾杯の発声」ですが、アットホームな式ではさまざまな演出が可能です。 お子様の乾杯の発声はかわいらしく、場がなごみます。
体験談
乾杯のあいさつにはお礼のプレゼントを
■お子様ゲスト(6歳)に乾杯のあいさつをしてもらい、お礼にプレゼントをあげました。また、別の親族のお子様ゲスト(10歳)には、結婚式でのリングボーイをしてもらいました。(30代女性)
☆デザートの配膳の手伝い
新郎新婦が取り分けるデザートの演出が増えています。 「お手伝い」をお子様にお願いしてもいいかもしれません。
比較的小さなお子様に出演の場が多い結婚式・披露宴ですが、このデザート配膳のお手伝いは少し大きなお子様にこそ任せられる演出でもあります。 お子様の性格などに配慮しつつ、お願いしてみてはいかがでしょうか。
2.注意点
新郎新婦と家族との演出は「感動的」になるものです。 そして、「涙」「笑顔」が出席ゲストの心を打ちます。
一方、あまりに「家族」がクローズアップされすぎると、 わざわざ結婚式・披露宴会場でなく、家庭の中ですればいいのに… と会場全体が引いてしまうことも。 会場全体の雰囲気を配慮しつつ、演出を計画するように心がけるとよいですね。
<両親へのフォロー>
両親のなかには、人前に出ることに抵抗があるケースが少なからずあります。 たとえプランナーから「定番の演出だから」と勧められても、かならず自分たち両親のタイプを見極めたうえで決めましょう。
そして、万が一「両親が前に出てきたがらない!」「号泣してしまった」などというハプニングがあってもフォローがきくよう、プレゼントを準備するなど配慮をしておきましょう。
体験談
花束に記念品をプラスした
■花束贈呈では花束の他に、新郎新婦の出生児の写真と、両親と撮った写真を組み合わせたものを自作してプレゼントしました。サプライズだったので花嫁の父が号泣しており、ラストで涙涙の演出になりました。(30代後半女性)
<お子様への配慮>
【タイミングに配慮する】
お子様の演出はとてもかわいいものの、ハプニングは想定しておく必要があります。 よくあることとして「嫌がって泣く」「ぐずる」「寝てしまう」などでしょう。
お子様は大人にとってたいしたことのないことや、待ち時間には敏感に反応してしまいます。 もしお子様の演出を考えるならば、あまり待たせないように、早めの時間を設定するように配慮しましょう。
体験談
嫌がって泣いたので抱きかかえて退場
■4歳の姪っ子に、新郎新婦のお色直しの入退場のエスコートをお願いしました。新郎の時は嫌がって泣き出しましたが、無理矢理抱きかかえて連れて行くとみんなの笑いがとれました。(30代前半男性)
【プレゼントを忘れずに】
一生懸命がんばったお子様には、かならずプレゼントを渡してあげましょう。
そして、複数の参列者がいる場合には、演出に参加しないお子様の分を含めて、少し多めに準備しておくようにしましょう。
体験談
プレゼントを渡したら喜んでくれた
■式では3歳の姪にリングガールをしてもらいました。披露宴では、テーブルラウンドの時にお礼のプレゼントを渡しました。とても喜んでもらえました。(30代後半女性)体験談
デザートの配膳のお手伝いにはご褒美を
■簡単なデザートのとりわけを新郎新婦でやりました、そのときに、各テーブルに配膳してもらう役を子どもたちにしてもらいました。手伝ってもらったあとに、ご褒美としてお菓子をあげました。7歳、5歳、4歳、3歳。(30代後半女性)
【衣装の準備】
おめかししたお子様の演出はかわいいもの。 ただし、そのドレスアップ用の衣装はお子様のパパママの準備の負担にしてよいものか、必ず相談しておきましょう。
基本的には新郎新婦はお子様の出演を「お願い」する立場です。 たとえばドレスの手配をしてあげる、ネットで購入するなど、多少の出費を覚悟しておいたほうがよいかもしれませんね。
3.まとめ
家族とのひとときはとても大切なもの。 普段できないことだからこそ、結婚式・披露宴という場でできることもあるでしょう。
ぜひ結婚式・披露宴をより感動的な思い出にするためにも、家族との演出を考えてみてはいかがでしょうか?
※ 2016年8月 時点の情報を元に構成しています
「披露宴演出」 の キホン に含まれています