人とは違ったを優先するならここ

設備の充実度、ハイレベルの料理、独創的な演出アイテムの数々、温かみのあるサービス、そして立地と、どれをとっても満足度は非常に高く、全てを含めての評価であれば決して高い費用だったとは思えない。

本格的なゲストハウスとしては、訪れた者に感嘆の声を挙げさせる外観を始めとして、天井高のあるチャペルや披露宴会場、様々な用途のあるガーデンの付設、そして音響照明などの設備といった条件をすべてクリアしており、利用した者としては微塵の不満もなかった。

「人とは違った」という今流のトレンドを重要視している式場であり、数十にも及ぶ演出アイテムの用意は十分すぎるほど。中でも巨大なスクリーンを活かした映像演出は見学時に自分も感動を実感させてもらっており、その赤の他人の映像でさえ湧きあがったあの感覚を自分たちの画で製作してもらえば、不本意ながら参列者を泣かせようと目論んだ当人がこぼれる涙をおさえることが叶わなかった。

頑ななまでにドレス選びは母親と二人で行った妻。挙式の数時間前になってようやくオアズケを食らっていたドレス姿の妻を目にすれば、いやが上にもテンションは押し上げられる。これは妻からの所謂サプライズとでも言えるのか正直かなり参った。したり顔の担当プランナーにちゃんと感想を言ってあげて下さいと背中を押されれば綺麗だとしか言えない自分だった。

こうしたいという希望は否定されることがない。こうしてもらえるかという要望を拒絶されることもない。こうしたらどうだろうという問いにはこうした方がもっとよいと助言をくれた担当プランナー。普段の生活の中でああいった友がいてくれたらどれほど助かるだろうかと今でも妻と話題にしている。

騒がしくない場所。結婚式という性質上、それは最低限というか絶対の条件だった。駅からの送迎バスを成約時のプレゼントで手に入れれば、まったくもって問題ないロケーションとなった。