両家顔合わせの進行に欠かせない挨拶の言葉。どのタイミングで誰が何を言えばいいのか、一般的な顔合わせの流れに沿って、挨拶や口上(こうじょう/申し述べること)が必要なシーンをわかりやすく解説します。
すぐにマネできる!"言う人別"にまとめた口上文例集のほか、挨拶で注意したいポイントもまとめています。家族でぜひ参考にしてください。
両家顔合わせで挨拶が必要なのは"4場面"
まずは顔合わせの流れから、挨拶が必要なシーンを見ていきましょう。
【一般的な両家顔合わせ食事会の流れ】
1 待ち合わせ
2 入室する
3 はじまりの挨拶
4 両家の家族紹介
5 婚約記念品のお披露目または交換
6 両家の家族全員で記念撮影
7 乾杯の挨拶
8 食事・歓談
9 結びの挨拶
10 解散
この中で挨拶の言葉が必要なのは、はじまりの挨拶・家族紹介・乾杯の挨拶・結びの挨拶の4か所。
また、婚約記念品のお披露目ではふたりが簡単な口上を述べます。
▼両家顔合わせの進行と内容をチェック!
挨拶する人は誰がいい?
進行役の新郎や新郎の父親がそのまま挨拶もするという流れが一般的ですが、特に決まりはありません。
新婦やどちらかの兄弟、または新郎新婦ふたりがそれぞれが挨拶をするのもいいですし、「家族みんなが関われるようにしたい」という場合はシーン別に分担してもOKです。家族にお願いする場合には事前に相談したうえで、早めに依頼しておきましょう。
シーン別挨拶・口上の文例
ここからは両家顔合わせで挨拶・口上が必要なシーンごとに、どんなことを言ったらいいのかや注意点、言う人別の文例を解説します。
はじまりの挨拶
両家顔合わせのスタートを告げるはじまりの挨拶。はじまりの挨拶では
- 会の概要と趣旨の説明
- 出席者への感謝の気持ち
を伝えます。
特に遠方から来てくれたお相手には、その感謝を盛り込むと好印象◎この時の挨拶がその後の式の雰囲気を左右するので、フォーマル感を大切にしたかったら丁寧な言葉で、堅苦しすぎるのが苦手ならカジュアルな言葉を選びましょう。
長すぎるとグダグダになってしまうので、短めを意識すると場も引き締まって良いスタートがきれそう!
親が挨拶する場合の文例
本日は遠方よりお越しくださいましてありがとうございます。
〇〇さんと◇◇の婚約にあたり、こうして皆さんにお集まりいただきましたことを大変うれしく思っております。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
本日は、お集まりいただき誠にありがとうございます。
食事や歓談をはさみながら両家の絆を深める楽しい会にしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ふたりが挨拶する場合の文例
本日は、お忙しいなか私たちのためにお集まりいただき誠にありがとうございます。
改めて婚約の報告と両家の紹介をしたく、このような場を設けさせていただきました。
どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
本日は、私たちのためにお集まりいただきありがとうございます。
私と〇〇さんの婚約にあたって両家の親睦を深める機会をつくりたいと思い、この場を設けました。
これを機に、両家の絆が深まれば幸いです。ぜひリラックスしながらお楽しみください。
家族紹介の挨拶
家族紹介は両家の代表者1名が家族全員の紹介をしていくのが一般的ですが、メインの進行のみ代表者が行い、ひとりずつ自己紹介していくという方法もあります。
紹介の挨拶では
- 新郎新婦から見た続柄
- 名前
を忘れずに伝えましょう。
余裕があれば趣味や最近の出来事などを添えるのがおすすめ。親近感を感じてもらうことで和やかな雰囲気が作れるのはもちろん、この後の歓談時間での会話のきっかけにもなります。
ひとりが全員を紹介する場合
これから△△家を紹介させていただきます。
私は新婦の父の(名前)でございます。
このたびは遠いところからお集まりいただき、誠にありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。隣におりますのが、新郎の母の(名前)でございます。その隣が新郎の兄の(名前)、妹の(名前)でございます。
新郎の◇◇です。△△家を紹介させていただきます。
まずは父の(名前)と母の(名前)です。
ふたりとも旅行が趣味で、〇〇さんの地元の温泉にもよく訪れています。
どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介形式にする場合
新婦の◇◇です。■■家を紹介します。
まずは父の(名前)です。ひと言お願いします。 「◇◇の父の(名前)です。休日は釣りに行くのが趣味です。どうぞよろしくお願いいたします」
こちらは母の(名前)です。ひと言お願いします。
「母の(名前)です。読書が好きで今はミステリーを読んでいます。どうぞよろしくお願いいたします」こちらは妹の(名前)です。ひと言お願いします。
「妹の(名前)です。本日はおめでとうございます。〇〇さんと家族になれることを心より嬉しく思っております。これからもどうぞよろしくお願いします」
婚約記念品のお披露目または交換
続いて、両家顔合わせで婚約記念品のお披露目・交換をする場合について。
特別な挨拶をする必要ありませんが、贈る際と受け取った後に簡単な口上を述べるとセレモニー感が深まります。
婚約記念品を交換・お披露目をする場合の口上
新郎:私から〇〇さんへ、婚約記念品の指輪を贈ります。
新婦:ありがとうございます。私から◇◇さんには時計を贈ります。
新郎:ありがとうございます。末長く大切にします。
婚姻届の証人欄へのサインもお願いする場合には最初にひと言と、記入後に感謝の気持ちを伝えましょう◎
婚約届の証人欄へのサイン時の挨拶
(記入前)
婚姻の証人欄への記載を、両家を代表してそれぞれの父にお願いしたいと思います。(記入後)
ふたりの婚約を認めていただきありがとうございます。〇月△日に提出する予定です。
お互いの家族のように明るい家庭を築いていきたいと思っていますので、末長くよろしくお願いいたします。
▼"婚姻届の証人"は両家の父親に依頼するカップルが多い!
乾杯の挨拶
乾杯の挨拶はシンプルに「乾杯」でもOK!
食事を気兼ねなく楽しんでもらうために、おもてなしの気持ちを込めたひとことを添えるといいですね。親が挨拶をする場合は、両家のつながりやふたりを祝福する言葉を添えるのもおすすめです。
親が挨拶する場合
僭越(せんえつ)ながら、私が乾杯の音頭を取らせていただきます。
ふたりの前途を祝して乾杯!
両家の結びつきを祝い、乾杯!
ふたりが挨拶する場合
どうか本日はゆっくりと、美味しい食事をお楽しみください。乾杯!
今後とも末永くよろしくお願いいたします。乾杯。
▼挨拶でよく使う「僭越ながら」正しく使えてる?
結びの挨拶
結びの挨拶は誰が挨拶をするかによって盛り込む内容も変わってきます。
親が挨拶する場合には
- 相手側への感謝
- ふたりへの祝福や激励の言葉
ふたりが挨拶する場合には
- 結婚への想いや親への感謝の言葉
- 今後のサポートのお願い
を入れてシンプルにまとめましょう。
親が挨拶する場合の文例
宴もたけなわではございますが、そろそろお開きの時間となりました。
これからも両家でふたりを見守っていけたらと思います。今度ともよろしくお願いします。
本日は〇〇さんと◇◇のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。この縁を大切に、今後もいい関係を築いていきましょう。今後ともよろしくお願いいたします。
ふたりが挨拶する場合の文例
本日は私たちのためにこのような時間をいただきまして、ありがとうございました。
未熟なふたりですが温かい家庭を築いてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
本日はお忙しい中ありがとうございました。
△△家と■■家がこうしたご縁に恵まれたこと、とてもうれしく思います。
これから結婚式などでお力をお借りすることもあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
▼お開きの挨拶で使う「宴もたけなわ…」正しい意味は?
両家顔合わせの挨拶・口上の注意点
はじまりとおわりの挨拶はそのつど立って挨拶をすると丁寧です。
自己紹介の時にも自分の番が来たら立ち上がり、自己紹介が終わったら座る前に一礼します。また、パートナーの名前を呼ぶときは呼び捨てにせず、「さん」をつけるのを忘れずに!
挨拶の言葉がどうしても心配であれば"カンペ"を作っておくのもおすすめ。メモを見ながらの挨拶はマナー的にも問題ありませんが、はじめから出しておくのではなく、困ったときに取り出せるようポケットに忍ばせておくといいですね。
スマートな挨拶で好感度アップ!思い出に残る顔合わせの食事会に
挨拶で言うべき言葉が事前にわかっていれば、心に余裕ができて当日も楽しめそう!スマートな挨拶は相手の親からの好感度もアップさせてくれます。両家顔合わせは、結婚前の特別な思い出になる出来事のひとつ。事前の準備を完璧に、楽しい会にしてくださいね。
▼顔合わせで手土産を渡すときには何と言う?
▼顔合わせの食事会には「しおり」があると便利!
※ 2023年1月 時点の情報を元に構成しています
「顔合わせ」 の キホン に含まれています