結婚指輪は毎日つけていると多少の傷や汚れはどうしても出てくるものです。
ダイヤなどの宝石は汚れで曇ることがありますし、柔らかなプラチナやゴールドはどうしても細かな傷が入ってしまいます。
長く使うためにも修理やメンテナンスをしながら大切に扱いたいですよね。
そこで今回は、マリッジリングの汚れや傷を最小限に抑えるコツをご紹介します。
1.傷や変色が起こりやすい素材
指輪の素材によっては傷がついたり、変色が起こりやすいものもあります。
しかし、結婚指輪の素材としてメジャーなプラチナやゴールドなどは強度を高めるために合金になっているのが一般的。
同じ金属でも配合の仕方によって強度・腐食性は異なってきます。 そのため、一概に「この素材は傷つきやすい」とは断言できません。
金属の純度や合金の配合によって、素材のメリット・デメリットが変わってくることを覚えておきましょう。 ちなみに、純度は、配合物の割合が少ないほど高くなります。
プラチナ
結婚指輪の素材として人気No.1のプラチナですが、純度100%のプラチナ(Pt1000)は柔らかく傷つきやすい金属です。
そのままだと強度に欠けるため、パラジウムなどの金属を混ぜた合金で結婚指輪を作成します。
一般的にPt950やPt900といった純度の合金がアクセサリーとして使われています。 数値が高いほどプラチナの純度が高いので、その分傷つきやすくなることを覚えておきましょう。
ゴールド
ゴールドはプラチナと同様、純度が高いほど変形に弱い素材です。
純度100%は24Kと表示されているものにあたります。 結婚指輪として使われるのは金の含有率が75%程度の18Kや14Kと呼ばれるものが一般的。
この数値が高いほど純度が高く傷つきやすいということになりますが、反対に低すぎると金以外の金属が酸化して変色しやすくなるという一面もあるので気をつけましょう。
ホワイトゴールド
ホワイトゴールドはゴールドにメッキ加工をすることで、プラチナのような白色の輝きを持たせた金属。
メッキ加工なので使用を続けることでメッキがはがれ、黄色っぽい地金が見えてきてしまいます。
これはメッキをし直すことで新品同様の輝きを取り戻せますが、定期的なメンテナンスが必要になってきます。
ピンクゴールド
ピンクゴールドは銅を配合することで赤みを持たせた素材。
銅が混じっていることにより、汗や温泉などに反応して変色が起こりやすくなります。
ゴールドは変色しないと思ってしまいがちですが、ピンクゴールドの場合は要注意です。
シルバー
シルバーは安価で加工しやすいのがメリットですが、柔らかくて傷つきやすく、変色が起こりやすい素材
汗の成分に反応して輝きがくもり、少しずつ黒ずんでいきます。 市販の研磨剤やクリーナーで輝きを取り戻すことは可能ですが、シルバー素材の指輪はこまめな手入れが必要となるでしょう。
2.傷や変色に強い素材
金属の配合や金属が元々持っている特性により、硬くて傷がつきにくく、変色に強い素材もあります。
ただし結婚指輪に硬さ・強度があればあるほどいいかというと、実はそうではありません。
硬いと加工しづらいためサイズ直しが出来ない、硬すぎて曲がらずに割れてしまうという一面もあるからです。
一生付き合っていく指輪ですから、メンテナンスのしやすさで選ぶことも大切。
自分にあったちょうど良い素材を選びましょう。
プラチナ・ゴールド
プラチナとゴールドは純度が高いと強度に欠ける一面もありますが、結婚指輪として人気の秘密は変色に強いこと。
プラチナとゴールドは金属として非常に安定性が高いため、長い時間が経っても、温泉に入っても、色が変わることはありません。
ピンクゴールド
ピンクゴールドは銅の分量が多いため変色に弱い一方、ホワイトゴールドやゴールドよりも硬くて強度があります。
ただし、加工が難しいためメーカーによってはサイズ直しを受け付けていません。 購入前にサイズ直しが出来るかどうか確認しておくようにしましょう。
パラジウム
パラジウムはプラチナよりも安価で、プラチナと同等の銀白色の輝きを持つ素材。 近年結婚指輪として人気が出ている金属です。
特徴としてはメッキなしで美しい輝きが保て、汗や温泉などでも変色することがありません。 また、プラチナよりも軽いので装着感がいいのがメリットです。
チタン
チタンはとても耐食性の高い金属で、普段の生活のなかで変色することはほぼありません。
硬さもプラチナの倍程度の強度があるとされており、アレルギーを起こしにくい金属としても知られています。
また、ゴールド・プラチナに比べて軽く、指輪が苦手という男性にもおすすめです。
ステンレス
ステンレスはキッチン用品などで馴染みのある素材ですが、結婚指輪としても実は有能です。
変色に強く耐久性に優れ、アレルギーを起こしにくい素材です。 一方でサイズ直しがしづらく、お店によっては受け付けてもらえないこともあるので注意しましょう。
3.変色・傷・汚れがつきやすい場面
どんな素材の指輪でも、毎日つけていることでどうしても細かな傷はついてしまいます。 少しでも劣化を防ぐために、指輪が傷つきやすい行動、指輪が変色してしまう場面を覚えておきましょう。
硬い物を触る
日常生活では食器に触れたり、お鍋を扱うことで細かな傷がつきやすくなります。
また、ゴツゴツとした岩場での登山など、アウトドアの時も要注意。 硬い岩や砂などの自然物に触ると傷がついてしまいがちです。
男性では金具や工具を触るような仕事をしている方は、特に変形や傷が起きやすくなります。 あらかじめ変形に強い素材を選ぶのがおすすめです。
重い荷物を持つ
指輪をした手で重い荷物を長時間持ったり、荷物の上げ下げをするような力仕事をしている場合、指輪の傷だけでなく変形が起きやすくなります。
指輪が変形するとデザインが崩れ、指から外れなくなってしまう可能性があります。 長年力仕事をしている男性などは、金属疲労が重なって指輪が切れてしまうことも。
重い荷物を扱う場合は指輪を外すように心がけましょう。
運動する
運動することで考えられる1番のリスクは、転倒した時に手をついて指輪を傷つけたり、変形させてしまうこと。
また、ボールを触ったり、ラケットを扱ったり、手に強い衝撃が加わるスポーツでは指輪を変形させる恐れがあります。
シルバーなど汗に弱い素材だと黒く酸化することもあるため、運動時は指輪を外しておくのがおすすめです。
肌のお手入れ・メイクをする
女性なら毎日メイクや肌の手入れが欠かせませんよね。 しかし、化粧品類に含まれる油分は指輪の輝きを曇らせます。
特にダイヤモンドは油分が付着しやすいため、ダイヤつきの結婚指輪を選んだ方は注意しましょう。
温泉に入る
シルバーやピンクゴールドなどの素材は、温泉に入ることで硫黄などの成分に反応して変色してしまうことがあります。
ゴールドやプラチナなどは純度が高ければ温泉などで変色することはありませんが、ごく稀に割り金に反応して変色することもあるそう。
温泉に入る時は万が一のことを考えて外しておく方が無難でしょう。
体験談
「指輪に傷がつくことでいい味が出る!」
■決定的な理由は私と主人が共に気に入ったデザインだったことです。シンプルだけどアンティーク風の彫刻が施してあり、長い年月が経って傷がついても、いい味が出そうだなと思いました。(30代前半女性)体験談
「高価な指輪はもったいないかも」
■結婚指輪は毎日するものだと思うので、傷も入るし、汚れます。あまり高すぎる結婚指輪はちょっともったいないんじゃないかな?と個人的には思います。(30代前半女性)体験談
「傷が目立たないデザインを選ぶのがコツ」
■結婚指輪を選ぶ時は、これから先長くつけることを配慮して選んでください。傷ついてもわかりにくい仕様のもののほうがいいかもしれません。(20代後半女性)体験談
「指輪の素材選びは慎重に」
■結婚指輪は毎日使うものなので、私はあっという間に傷を付けてしましました。指輪にも色々な素材(強度)がありますので、よく考えてみて下さい。(20代後半女性)体験談
「毎日つけることを考えて選ぶ」
■なるべく毎日付けていたかったので、傷などが目立ちにくく、仕事中も邪魔にならないが存在感のあるデザインのものを選びました。体験談
「装飾の多い指輪は汚れも溜まりやすい」
■コンビタイプの指輪なので、デザインの関係で筋(=溝)のところ&メレダイヤとの境目に汚れが溜まりやすいのが満点からのマイナスポイントです。(30代後半女性)体験談
「汚れそうな場面ではちゃんと指輪を外す!」
■宝の持ち腐れになるのが嫌で、外出する時は常に着けています。温泉などの汚れそうな時は基本外していきます。(20代後半女性)
4.汚れ・傷への対処法
輝きが曇った時は中性洗剤で洗う
プラチナやゴールド、ダイヤモンドなどは油分により輝きが曇ってくることがあります。 それを防ぐには、こまめに柔らかい布で拭いておくこと。
もし汚れが溜まってしまった場合は、中性洗剤を泡立てて洗ってあげましょう。 やわらかいブラシなどを使うと細かな汚れも取り除けます。
クリーニングサービスを利用しよう
マリッジリングを販売しているメーカーでは、大抵指輪のクリーニングサービスがあります。
油分などの汚れを取るにはぴったりのサービスなので、ぜひ利用しましょう。 ブランドにもよりますが、結婚指輪を購入したお店なら無料で行ってくれることも多いようです。
ホワイトゴールドはメッキの再加工で蘇る
ホワイトゴールドはメッキ加工で銀白色を作り出している素材。
長年使っているとメッキが剥がれてくるため、これを直すには購入したお店に相談してメッキをかけ直すようにしましょう。
メッキをかけ直すことで新品と同じような輝きを取り戻すことができます。
細かな傷は磨き直しで
長年使っていて細かな傷が気になってきたら、指輪の仕上げ直し・磨き直しをしてきれいな輝きを取り戻しましょう。
ただし、磨き直しは言葉の通り指輪を研磨して傷を取り去る方法です。 度々行うと指輪が少しずつ薄くなり、強度が損なわれることもあります。
ピカピカの状態で使いたいイベントがある時にだけ利用するのをおすすめします。
変形・大きな傷は買ったお店で相談
指輪が変形してしまったり、大きな傷ができた時は放置せず早めに購入したお店に修理に出しましょう。
変形を放置するとますます変形が進み、指から外れなくなってしまうといったトラブルもあります。
また、大きな変形や傷があると留めてある宝石が落ちてしまうこともあるので要注意です。 早めにお店で相談し、メンテナンスを受けるようにしましょう。
※ 2016年8月 時点の情報を元に構成しています
「結婚指輪」 の キホン に含まれています