結婚式で言ってはいけない「忌み言葉(いみことば)」を知っていますか?
結婚式ではお祝いの場にふさわしい言葉遣いや配慮が求められます。知らずに使ってしまい新郎新婦や親族に嫌な思いをさせてしまったり、恥をかくことがないように知っておきたいもの。
結婚式でのスピーチや花嫁の言葉、映像演出などでタブーとされる忌み言葉とその理由、上手な言い換え例を紹介します。
結婚式で言ってはいけない「忌み言葉」とは?
結婚式は新郎新婦とその親族も集うお祝いの場です。縁起が悪かったり不安な連想をさせたりする言葉は「忌み言葉(いみことば)」と呼ばれ、結婚式では使うべきでないとされています。
ふだんの日常会話で何気なく使っている言葉も多く含まれるので、結婚式で話したり余興をしたりする際には注意が必要です。
「別れ」を連想させる忌み言葉一覧
新郎新婦の別れ、すなわち離婚を連想させる言葉は結婚式では絶対にタブーです。
ストレートに別れを意味していなくても、結婚生活が終わることを連想させる言葉はNG。スピーチや両家親族への挨拶の際はもちろん、ゲスト同士の会話でも使用は避けるようにしましょう。
別れを連想させる忌み言葉
- 離婚
- 別れる
- 切る、切れる
- カットする
- 離れる
- 裂ける
- 放す
- 断つ
- 絶える
- 去る
- 終わる
- 消える
- 忘れる
- 戻る
- 帰る
- 返す
- 短い
- 冷める
- 疎遠
- 縮まる
- 流れる
- 消える
- 忙しい(漢字表記で「亡」が入っているため)
など
「不幸・不吉」を連想させる忌み言葉
結婚式は新郎新婦の門出を祝う場ですから、不幸・不吉を連想させる言葉もNGです。
言葉だけでなく、聞く人・見る人を不安にさせるようなネガティブな言い回しにも注意が必要です。
不幸・不吉を連想させる忌み言葉
- 終わる
- 滅びる
- 破る
- 壊れる
- 負ける
- 敗れる
- なくなる
- 死ぬ
- 捨てる
- 衰える
- 病気、病む
- 悪い
- 倒れる
- 崩れる
- 欠ける
- 悲しむ
- 枯れる
- 苦しむ
- 痛い
- 散る
- ほどける
- 浅い
- 薄い
- 嫌う
- 怖い
- 四(死)
- 九(苦)
など
同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」一覧
同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」は、結婚を繰り返すことから再婚を連想させるため結婚式ではタブーです。
文脈上必要な場合は同じ意味の別の言葉に置き換えるといいですね。また、新郎新婦が再婚である場合も「再婚」という言葉を使わず話すよう心がけましょう。
重ね言葉
- ますます
- またまた
- しばしば
- たびたび
- 重ね重ね
- 重々
- 返す返す
- たまたま
- いろいろ
- 次々
- 徐々に
- だんだん
- 日々
- ときどき
- みるみる
- わざわざ
- いよいよ
- どんどん
- くれぐれも
など
ただし、重ね言葉のあとにポジティブな言葉が続く場合や文脈から前向きな話であることが明白な場合は、絶対にNGというわけではありません。
言葉単体でなく文章全体をチェックして、文脈に応じて判断しましょう。
文脈を見て判断したい重ね言葉
- ますます
- 徐々に
- だんだん
- みるみる
- いよいよ
- どんどん
など
忌み言葉は言い換えて使う
忌み言葉には、結婚式でエピソードを披露する際やメッセージを伝えるときに使いがちな言葉も多く含まれています。スピーチやムービーのテロップで使いたいときには、上手に言い換えて使いましょう。
【言い換え例】お祝いスピーチ
スピーチを頼まれたら、一度話す内容を書き出してみましょう。過去のエピソードを振り返る際によく忌み言葉を使いがちなので、ポジティブな表現になるように言い換えましょう。
■NG例
〇〇さん、いよいよこの日を迎えられましたね。ともに苦労を重ねた日々を懐かしく思います。
↓
■言い換え例
〇〇さん、ついにこの日を迎えられましたね。ともに励まし合ったあの頃を懐かしく思います。
【言い換え例】余興ムービー
見落としがちなのが余興で使うムービーやプロフィールムービーなどのテロップに使う言葉。読んだときの響きだけでなく、漢字から受ける印象にも気を配りましょう。
心配であれば、テロップに使う言葉を書き出してプランナーさんに確認をお願いするのもひとつの方法です。
■NG例
忙しい日々の中きつい練習に取り組んだ部活動。試合に敗れ、ともに悔し涙を流したのもいい思い出です。
↓
■言い換え例
いそがしい毎日の中ハードな練習に励んだ部活動。試合に勝てず、ともに慰め合ったのもいい思い出です。
【言い換え例】花嫁の手紙
花嫁が両親に向けて読む手紙では、住む場所が変わることやこれまでのエピソードで忌み言葉を使いがちです。
寂しい気持ちや苦労した・させた思い出を語る際には、暗くなりすぎないようにポジティブな表現を意識すると、自然と忌み言葉を避けることができます。
■NG例
これからは離れて暮らすことになり、当たり前だった家族との生活が終わると思うと寂しい気持ちでいっぱいです。
↓
■言い換え例
引っ越して新しい土地での生活が始まりますが、温かく育ててくれた家族を思い出しながら、私たちらしい家庭を築いていきます。
忌み言葉を言ってしまったときの対処法
気をつけていてもうっかり忌み言葉を使ってしまうことがあるかもしれません。気づいたときや指摘されたときにはすぐに謝罪しましょう。
場をつくろおうと喋りすぎては墓穴を掘る可能性もあるので、簡潔に謝罪の気持ちと一言訂正の言葉を述べられるといいですね。
結婚式で避けるべき「NG話題」
忌み言葉以外にも、結婚式で避けるべきNGな話題があります。新郎新婦の親族を含め幅広い世代のゲストがいることを忘れず、話題や話し方がくだけすぎないように意識しましょう。
新郎新婦の暴露話や過去の恋愛話
ふたりの結婚を祝う場で過去の恋愛や恥ずかしいエピソードに触れるのはふさわしくありません。事前に新郎新婦に触れてほしくない内容を聞いておくと安心ですね。
また、新郎新婦のことでなくてもほかの誰かを傷付ける可能性がある内容は避けましょう。
自分の自慢話
結婚式は新郎新婦が主役です。 友人の結婚式であるにもかかわらず自分の仕事や実績を自慢のように話すのは当然NG。あくまでも新郎新婦の話題を中心にスピーチの内容を組み立てましょう。
下ネタ・ハラスメント的な話
結婚式はさまざまな世代のゲストが出席しています。新郎新婦への親しみを込めたスピーチのつもりでも、下ネタのようなくだけた内容や話し方は「場をわきまえない非常識なスピーカー」という印象を与えてしまいます。
すべてのゲストが安心して聞くことができる内容を心がけましょう。
政治・宗教の話
政治や宗教は、人それぞれ考え方や信じるものが異なります。多様な考え方があって当然の時代だからこそ、これらの話題は避けるのがベター。
結婚式ではできるだけたくさんの人と価値観を分かち合えるテーマを選ぶのがおすすめです。
思いのほかたくさんある忌み言葉。ふだん何気なく使っている言葉が多いために、気をつけないとうっかり使ってしまった!なんてミスが十分あり得ます。
丁寧な言葉選びで大切な人の結婚式を盛り上げましょうね。
※ 2021年9月 時点の情報を元に構成しています
「ゲスト」 の キホン に含まれています