結婚式のクライマックスといえば、やはり新婦の手紙と花束贈呈をイメージするのではないでしょうか。
新郎の友人でさえ、花嫁の手紙に感動した…と、結婚式の感想を話す男性が多いもの。
でも、打ち合わせがはじまった頃に、新婦さんに「お手紙は読まれますか?」と質問すると、結構多い声が恥ずかしいし、しんみりしちゃうからイヤとの回答が多いのも事実。
それが、数ヶ月の結婚準備のうちに思いは深まり、ほとんどの花嫁さんは当日は両親に向けてとっても素敵なお手紙を読んでくれます。
新婦手紙から続く花束贈呈。
今回は、この新婦手紙からの花束贈呈をクローズアップしてお話します。
花束贈呈の業界用語ストレートとクロス
花束贈呈の打合せをするときによく耳にするのが、ストレート、クロスという言葉。
これは、新郎新婦が花束を渡す相手がご自分の両親なら“ストレート”、お相手の両親なら“クロス”という意味。
ストレートなら「今までありがとう…の思いを込めて」、クロスなら「これからよろしくお願いします…の思いを込めて」、花束が手渡されるわけです。
昔はクロスの方が多かったのですが、近年は家族の絆を大切にする演出が多いこともありストレートで花束贈呈をする方が多い気がします。
また、なかにはミックスして“ストレートクロス”!!
花束は自分のお母様に、ブートニアをお相手のお父様にという選択もあります。「ありがとう、そして…これからもよろしくお願いします」の集大成ですね。
あなたはどんな渡し方を選びますか?
由来を考えると違和感があるお父さまへのブートニア
さて先日、花束贈呈の話をしていたときにお母さまには花束を…お父様にはブートニアを…、当り前のようにされているこの演出ですがよく考えたら違和感があることに気づきますか?
ブートニアの由来を知っている方なら気づいたはず…!
昔、プロポーズの花束を受け取った花嫁が「YES!」の答えとして花束の一輪を抜いて新郎の胸のポケットに挿したことから、結婚式の日、新婦はブーケを手に、新郎はブートニアを胸のポケットに付けることになったというのがブートニアの由来。
あれ?なぜ、お父さまにブートニア?日本には由来を独自にアレンジして取り入れている演出が多くあります。おそらく、これもそのひとつ。
確かに由来を考えるとおかしいですが、大人になって両親との間に距離ができてしまっている新婦が、ブートニアをお父さまの胸に挿す仕草でグッと距離感が縮まる様子は、見ていてもとても感動するものです。由来はともかく、素敵な演出だなと思います。
お開き後は、よく両家の両親と新郎新婦の新しい親族全員で集合写真を撮ることが多いのですが、花が添えられて少し華やかになったお父様の胸元はより一層素敵な集合写真に思えます。
それでも、本来の由来を考えたら違和感を感じてしまった…という方は、記念品贈呈を考えましょう。
ウエイトベアだけではない!花束以外にオススメの贈呈品
贈呈品・記念品として、両親への贈り物を考える新郎新婦もいます。
根強い人気は、生まれたときの体重で作るウエイトベアではないでしょうか。生まれたての赤ちゃんだったときを思い出せる、こんなに小さなベビーが成長して結婚する、そんなワッとあふれる思いが一瞬で思い出される贈り物ですよね。
アレンジバージョンとして話題性がある、ウエイト米なんてものあります。
また、普段なかなかもらうことはない似顔絵や、新郎新婦が手作りしたお茶碗なども思いが伝わります。
両親にとっても子どもの結婚を機に夫婦二人の新しい生活がはじまるという場合には、それぞれの家庭で新しい時を刻む時計をお揃いで贈るというのも素敵です。
なかには、新しい家族にとワンちゃんをプレゼントした新郎新婦もいらっしゃいました。飲食を提供している結婚式場ですので、会場内に動物を持ち込むことはNGな場合がありますので、ペット案は要注意ですが・・・。
ほかには、花瓶も素敵だと思います。
よほどお花が好きなご家庭でない限り、なかなか花瓶を買うことは少ないもの。
ご家庭のテイストをよく知っているからこそのセレクトもできますし、花束贈呈の花束をそのまま綺麗に飾ってもらえたり、今後、お祝い事や季節のお花を贈るときにも使ってもらえる、結婚式の思い出がいつまでも続くアイテムにすることができます。
自分で手紙を読むという演出が感動を誘う
新婦の手紙はそれぞれに思いが込められているので、それだけで感動してしまうのですが、ポイントをいくつかお伝えします。
ポイント1
手紙は頑張って自分で読みましょう。緊張する、泣いてしまうから司会者さんへ代読をお願いする新婦がとても多いのですが、司会者さんも、ご自分で読むことをオススメされると思います。
読み始めて涙が止まらない状態になったりとどうしても無理な場合は、新郎がサッと手を差し伸べ、代読してあげるのがベストだと思います。
ポイント2
手紙の分量は文字の大きさや行数にもよりますが便箋2枚まで、3分くらいで読める長さが良いと思います。
伝えたいことがたくさんありすぎて…という気持ちはとてもよくわかりますが、文章が長すぎると読みきらなくては!と、感情がこもらず早口になってしまうこともあります。
また逆に、感情がはいってしまった場合に長い文章は進まず時間がかかってしまいます。
シーンと集中したなかでの5分以上の時間はゲストにとってとても長く感じられる時間だと思いますので、適度な時間で読める分量にしておくことはとても大切なポイントになります。
最後に・・・結婚式は親の卒業式という考え方
新婦の手紙は、どうしても新婦側中心に演出がすすんでしまうもの。
最近は、新郎も両親へ感謝の思いを伝えたいと相談されることがあります。
また、ご家庭の事情も複雑な場合も多々あり、なかなか新婦が感謝の気持ちを手紙にまとめあげる事が難しい場合も・・・そこで、両家両親をそれぞれクローズアップできる、親の卒業式を演出してはいかがでしょうか?
これまで育ててもらった感謝の気持ちを卒業証書に込めて、お父さん、お母さんにそれぞれ花束と一緒に渡されたら、ご両親にとっても節目となり感動もより一層増すのではないでしょうか。
まとめ
花束贈呈は、両親にとっても節目となる演出です
「これまでの感謝の気持ちを伝える」か「これからよろしくお願いしますの気持ちを伝える」か進行の打合せまでに二人で考えておきましょう
新婦の手紙、花束贈呈もアイディア次第。オリジナリティのある表現方法もOKです
※ 2022年3月 時点の情報を元に構成しています
「披露宴演出」 の スペシャル に含まれています