人気ドラマの影響もあり、嫉妬やいじめなどのトラブルがありそうなイメージの「ママ友」。
ママ友の家にお邪魔するときには手土産をもっていく、ランチにはなるべく参加する、など、「掟」があるとか。
本当のところはどうなのでしょうか?
1.ママ友とは?
「ママ友」とは、子どもを通した付き合いで知り合った母親同士の友達関係全般を指します。
現在、特に都市部では、子ども時代からその地域に住み続けて子育てをしている人は少なく、結婚・出産後にはじめてその地域で子育てをスタートする人がほとんどでしょう。
子育てに不安を抱いても、身近に相談できる人がいないことも多いため、同じような境遇の人が近くにいると心強いですね。
また、子ども同士を遊ばせる環境を作ることは成長のためにも大切です。
しかしながら、いろいろな背景を持つ知らない人同士が、子どもをきっかけに「ママ友」となるのですから、いろいろなことが起こりがちです。
そして、子どもの成長に応じて、付き合い方も変わっていくのも「ママ友」の特徴でしょう。
子ども同士も仲良く遊べて、母親同士も意気投合、というパターンもありますが、多くは子ども同士の関係だけで繋がっている「見かけ」の関係です。
それだけに、子ども同士の関わりが優先、自分の意思に関係なく関わりが発生するため、 「本当はあのママ友とは付き合いたくない」と思っていても、子どもの付き合いを優先せざるをえないために、自分に不本意なことが発生することは珍しくありません。
また、学校時代や社会人時代の交友関係とも違い、「子どもの年齢」や「住んでいる地域」が共通点になるコミュニティなので、年齢の幅が広く、家庭環境が異なることも特徴です。
2.ママ友の作り方
子育ての情報交換をしたり、悩みを相談できる場があることは、特に初めての出産後は必要です。
でも、地域のことにも明るくなく、人付き合いもそれほど得意ではない、という人にとっては、悩みを増やすことになってしまいがちです。
そのような場合は、まずは地域の育児スペースを利用してみることをおすすめします。
病院や地域の保健所などでは、子どもの乳児検診や予防接種が定期的に行なわれます。
そこで子育てサークルや遊び場を紹介してくれたり、その場にいるママ達との気軽な世間話を通じて、口コミでのおすすめ育児スペースが見つかるケースがあります。
また、市区町村の広報に赤ちゃん対象の親子イベントが掲載されていることもあります。
まずは「ママ友」を作らなくちゃ!と気負うことなく、気軽に子どもを遊ばせにいける場所探しをしよう、というくらいで出向いてみるとよいでしょう。
何回か出かけるうちに、同じ時間帯に同じような顔ぶれが集まるようになり、母子でランチの時間を一緒にすごすうちに、だんだんと親しくなって「ママ友」の輪が広がっていくようです。
反対に、ちょっと自分は向いていないな、と感じた場合には、「この読み聞かせの時間だけには行こう」などと時間を区切ったり、ママ友グループとの時間帯をずらしてみるなどして、少し距離をおきながら付き合うこともコツです。
子どもが成長するにつれ、リトミック(体操)やスイミングなどの「習い事」での付き合いも増えていきます。
「ママ友」同士で子どものおけいこ事も一緒に!というケースも見受けられますが、適度な距離をおきながら付き合うことが、後々のトラブルを避けるためにも大切です。
3.トラブルを避ける為の注意点
「ママ友」はあくまでも子どもを通した付き合いであることを忘れないでおくことが何より大切なのですが、うまくいく場合ばかりではありません。
よく聞かれるトラブルは、次のようなものです。
- 子どもの成長をめぐるトラブル
- 持ち物や洋服をめぐるトラブル
- プライバシーをめぐるトラブル
「ママ友コミュニティ」や特定の「ママ友」と、どの程度、いつまで付き合う必要があるのか、を念頭にいれて、上手にトラブル回避をするようにしましょうね。
子どもの成長をめぐるトラブル
子どもの成長は本当に個人差が大きいものです。特に第1子については、みんなが初めての子育てになるため、世間の情報が気になりがち。
子どもが「いつ○○ができるか」ということに一喜一憂しがちです。
まずは、子どもは生まれて、まだ数ヶ月~数年くらいのことであると割り切って、たとえ、ママ友がなにげなく話した「○○ができる」「○○がまだできない」などという話題には反応しないことが大切です。
もう少し大きくなると、子ども同士が「けんか」をすることがあります。
また、大声をだしたり、かんしゃくを起こすなど、ママとしても困った行動を起こすことがあるでしょう。
そして、他のママからは「○○ちゃんに、また叩かれた」など、自分の子どもに対してネガティブな印象をもたれることがあります。
ママとしては相手のママに謝ったり、子どもを叱ったり、疲れ切ってしまうこともめずらしくありません。
多くの場合は、子どもの成長に必要な関わりの一環なので、相手のママには、誠意をもって接し、子どもの手が出そうなときには止めに入るなど、目を離さず、事態を未然に防ぐようにしておきましょう。
また、第二子以上を持つママ友は、すでに「経験済み」なので、温かい目で見てくれるものです。
あまり深刻にならずに「本当に困っちゃって」などと話してみると、意外とたいしたことはないのだな、と思えるかもしれませんね。
もし、子どもに本当に気になることがある場合には、検診の際の医師や保健士にアドバイスを仰いだり、遊び場のスタッフなど専門家や子育て経験者に相談するようにしましょう。
そして信頼できるママ友以外には不用意に相談しないことも、「うわさ」にならないためのポイントです。
さらに子どもが大きくなると、保育園や幼稚園選びの悩みが出てきます。
口コミレベルの情報収集にはママ友のコミュニティは有益ですが、最終的にどの保育園や幼稚園を選ぶかはそれぞれの家庭の判断です。
月齢の近い子ども同士の付き合いは、すなわち保育園や幼稚園選びがママ友同士で「競合」するために、それに伴う「デマ」が飛び交うこともあるようです。
冷静に情報分析をするようにしましょう。
持ち物や洋服に関するトラブル
「ママ友」を作る際に、ママやその子どもを持ち物や洋服のテイストで判断することがあるようです。
確かに、同じ系統のファッションの人とは話も合わせやすく、気安く会話もできるでしょう。 経済状況も同じように見えるかもしれません。
同じブランドの服を着たり、着せたり、一緒に買い物に出かけるということが気軽な楽しみであるうちはよいのですが、「○○ちゃんはうちよりも早く○○の洋服を手に入れた」「○○ちゃんは断りもなく同じ服を着ている」など、エスカレートしては危険です。
また、お互いの経済状況は必ずしも「見かけ」と同じとは限らないため、付き合いを続けるがために生活にしわ寄せがくるようなことは本末転倒。
買い物やそれにまつわる立て替えなど、お金が絡むことではなにかとトラブルになりがちです。
自分に負担がいくような事態は極力さけるように心掛けましょう。
プライバシーをめぐるトラブル
ママが有職である場合は、産休期間に限定された付き合いでもあるため、あまり「ママ友コミュニティ」にどっぶりはまらないで済むようです。
一方、無職のママにとっては、期間限定とはいかないため、付き合う期間が長くなればなるほど家庭環境がお互いに知れることも増えてきます。
お互いがさっぱりした「大人のママ友」であれば問題がないのですが、なかには必要以上にプライバシーを詮索してくる人も。
聞かれたから答えただけのつもりが、相手には「自慢」に聞こえたり、自分は「常識」と思っていたことが、相手には「非常識」だったり、さらには夫の職業や年収などが相手の興味の対象になったり、と自分の意に反することも増えます。
子どもつながりであるために簡単に付き合いを断てないのが「ママ友」。
このストレスが、学生時代の女子同士のいじめをさらに複雑にしたようなトラブルにもなるようです。
将来、深刻な事態が起こらないためにも、あまりプライバシーに関わる情報や状況を自分から話さないほうがよいでしょう。
とにかく距離を保ちつつ付き合うのが「ママ友」トラブル回避のコツのようですね。
※ 2021年6月 時点の情報を元に構成しています
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