結婚式などの行事に参加するときに使う「参列」の正しい意味を解説します。似た意味の「列席」との違いや、立場による使い分けを例文でチェックしてください。
参列とは?意味をチェック
結婚式や卒業式など、多くの人が集まる行事に参加するときに「参列」という言葉を使います。参列の意味はこちらです。
参列
式や行事などに参加し、列席すること。引用:goo辞書
「結婚式に参列する」「参列者の中には…」のように使いますよね。参列の「参」には「参る(自ら行く)」という謙譲語としての意味も含まれています。
「参列」と「列席」の違い
一方、同じく結婚式などで聞くことのある列席の意味はこちらです。
列席
その席につらなること。出席すること。列座。「結婚式に―する」引用:goo辞書
列席には「列なる(つらなる)、列をなす」といった意味がありますが、行事などに参加するという意味では参列とほとんど同じです。
結婚式には参列する?列席する?
結婚式では、一般的に使う人の立場によって参列と列席が使い分けられています。「参る」という意味があることから、自分が結婚式に行くゲストは参列を使います。乾杯やお祝いのスピーチをする場合も同じです。
反対に、結婚式を催す側の新郎新婦や親族はゲストに対して列席を使います。司会者や受付係も主催者側になるので同じく列席を使います。
結婚式の立場による使い分けを例文でチェック
結婚式での参列と列席の使い方を例文で紹介します。最初に、結婚式に招待されるゲストの立場での使い方です。
ゲストが使う場合
■先日参列した結婚式で同級生と再会した。
招待状返信
■喜んで参列させていただきます
乾杯のスピーチ
■おふたりの末永いお幸せと
ご両家 ならびにご参列のみなさまのご多幸をお祈りいたしまして
乾杯!
お祝いのスピーチ
■ただいま紹介に預かりました〇〇でございます
僭越ながら ご参列の皆さまを代表し お祝いの言葉を述べさせていただきます
スピーチをする場合もゲストの代表としての立場なので参列を使うのが適切です。自分以外のゲストを指す場合は「ご参列の…」などとするとより丁寧な印象になります。
続いて、結婚式を催す立場での使い方です。
新郎新婦が使う場合
ウェルカムスピーチ
■本日はご多用のところ 多くのみなさまにご列席いただき 大変うれしく思います
招待状
■10時より挙式
11時より披露宴を行いますので
ご列席いただければ幸いです
親族が使う場合
締めの挨拶
■本日はご多用の中 新郎新婦のためにご列席をたまわり 心より御礼申し上げます
■ご列席の皆さまには 今後ともどうか両人を温かく見守り ご指導ご鞭撻をたまわりますようお願い申し上げます
司会者が使う場合
■ご列席のみなさま どうぞご着席ください。
受付係が使う場合
■本日はご列席いただきまして ありがとうございます
受付係は新郎新婦のゲストが担当しますが、新郎新婦側の立場なので列席を使いましょう。スピーチや受付のマナーや例文はこちらの記事でチェックしてください。
▼結婚式のウェルカムスピーチのコツと文例集
▼受付にふさわしい服装と当日の流れ、トーク文例集
参列=葬儀を連想する人も
この使い分けは明確なルールではなく、あくまで一般的なものです。また、年齢や地域によっては、慣例的なイメージで参列=葬儀、列席=結婚式と捉える人もいます。
特定の相手との会話などで使い分けに迷ったら、無難に出席を使ってもいいでしょう。ただし、スピーチや司会など大勢の前で話す場合は立場による使い分けを意識するようにしましょう。
卒業式や卒園式での使い方
学校の卒業式や卒園式でも参列や列席が使われます。
結婚式以外の行事でも考え方は同じで、自ら行く保護者は参列を使えばOKです。式典を催す側の学校の先生や生徒は列席を使いましょう。
保護者が使う場合
■先日、長男の卒業式に参列してきました。
司会者が使う場合
■本日ご列席いただいている来賓のみなさまをご紹介します。
参列と列席はよく似た意味の言葉ですが、結婚式のような公式の場では立場に応じて使い分けましょう。迷ったら出席を使ってもOK。適切な言葉遣いで、招待する側もされる側も気持ちよく過ごせるといいですね。
知っておきたい言葉遣い一覧はこちら!
※ 2022年4月 時点の情報を元に構成しています
「結婚式準備」 の 雑学 に含まれています