二世代同居が当たり前ではなくなった今、昔と比べると嫁姑関係も仲が良くなっているといわれています。でも、油断はNG。SNSで見た姑の悪口に、ヒヤリとした経験がある人もいるのではないでしょうか?
せっかく良好だと思っていた嫁姑関係も、ちょっとした言葉選びのミスで亀裂が入ってしまいます。一度関係が悪化してしまうとなかなか修復は難しく、言葉や話題には気を付けたいところ。
では、姑が嫁に行ってはいけない言葉やタブーの話題にはどんなものがあるのでしょうか?具体的な禁句例から、イマドキの嫁姑関係をうまくやっていくための秘訣を解説していきます。
昔とはここが違う!令和の嫁姑関係でおさえるべき3つのこと
今は親も子も同居を遠慮する意識が高まっている時代。別居や近居でお互いが適度な距離感を保てるようになったことから、嫁姑の関係で求められていることや、夫婦の在り方も大きく変わってきています。
まずはおさえておきたい、イマドキの嫁姑関係における意識の違いを3つご紹介します。
友人関係のような嫁姑関係が求められている
家事や育児において頼りない嫁であれば、ついつい世話を焼いてしまいそうになりますが、姑は指導したり、教えたりする立場ではありません。
今はお互いを思いやって助け合える、いわば友人関係のような嫁姑関係が求められがち。
でも、だからといってぐいぐい距離を縮めていけば良いというわけではありません。希望する距離感は人によってそれぞれなので、相手に合わせて配慮を忘れずに。
結婚・出産後に「働く・働かない」は自由
家事に専念するように言われていた昔と違い、今は共働きの割合が増えています。結婚や出産までの腰かけと考えている人は少なく、責任をもって仕事している女性も多いので息子の仕事と同様にきちんと尊重すべきです。また逆に共働き家庭が増えているからと言って妻が働くのが当たり前ではありません。どちらを選択してもいい世の中になっています。
子どもを「持つ・持たない」も自由
今は生き方にも多様性が認められていることから、子どもを持つ・持たないは自由です。仕事や趣味に時間を使いたいから、経済的に不安だからとその理由はさまざま。
子どもが好き!という人からすると信じられないかもしれませんが、子どもは嫌いだから欲しくないという人ももちろんいます。姑には語らずとも、不妊治療で経済的にも精神的に負担を抱えている人も増えています。
ここからは、嫁に言ってはいけない言葉の代表的な例を、嫁の立場からの体験談と共に8つご紹介します。
禁句その1「孫はまだできないの?」
孫が楽しみな気持ちはわかりますが、急かす発言は絶対に禁句!また、妊娠もしていないうちから「子どもができたらもっと大きい部屋に引っ越さなきゃね」と子どもを産む前提で夫婦の生活に口を出したり、「子どもが産まれたら~してあげたい」と勝手な理想や希望を押し付けるのもNGです。
子どもは授かりもの。タイミングは夫婦ふたりの問題であり、周囲が口をはさむことではありません。また、前述したように、子どもを望まない夫婦もいます。言われて傷ついた体験談の中でもダントツで多かったエピソードなので、特に気をつけましょう。
体験談
■「子どもはまだか?」と言われたこと。よくある話ではありますが、とても傷つく。(30代・女性)
■初対面で、「息子の奥さんだから~」や、「赤ちゃんができたら~」など、認めてくれているのはうれしいけれど、気が早いなぁ、とちょっと引いた。(30代・女性)
■子どもができにくい体質だと伝えた上で結婚しているにも関わらず、記念日に旅行に行く際など義母に「頑張ってきてね」と言われ、暗に早く妊娠してと言われているようで不快だった。(30代・女性)
■ペットについて「子どもができたとき、どうするの?」と言われ、まだ予定もないのにペットを否定されたようで辛かった。(20代・女性)
禁句その2「息子のことなら何でも聞いて」
「息子はこうだから」「息子はこれが好きだから」と、嫁にマウントを取るのはNG。嫁側からしてみれば「まだ子離れできていないの?」と姑に不信感を抱く要因になったり、夫婦関係にも亀裂が入りかねません。
嫁が困ったときに相談にのってあげたい!という意味なら息子を引き合いに出さず「困ったときは相談にのれるかもしれないから、よかったら話してね」と言えばいいだけのこと。息子のことは自分が一番わかっている!それが事実だとしても、夫婦はお互いを知ろうとしてる最中です。そっと見守ってあげましょう。
体験談
■言葉ではなく行動ですが、夫の誕生日に好物の唐揚げを作ってあげようと思っていたのに、義母がわざわざ手作りの唐揚げを大量に持ってきた。私の息子なのよっ!と主張しているようで怖かった。(20代・女性)
禁句その3「仕事まだ続けるの?」「働きに出ないの?」
先ほどのポイントにも挙げたように、嫁が働くこと・働かないことの否定につながる言葉は避けましょう。また、「楽そう」といった嫁の仕事を軽んじる発言や、「もっと早く帰ってこれないの?」といった干渉、自分の子どもたちの仕事内容や収入と比較するのもNG。
収入や子作りの面から心配している、自身の経験からアドバイスしたい気持ちもわかりますが、それもまた夫婦の問題です。仕事をはじめる・辞めることを報告された時にもその決断を否定したりせず、労いの言葉をかけてあげてくださいね。
体験談
■病棟のクリニックから美容クリニックへ転職したら、「そっちのほうが楽だもんね」と言われて少し傷ついた。(20代・女性)
■「年齢的に子どもを早く作らないと厳しいから、仕事を辞めたら良いのに」と言われた。 (30代・女性)
禁句その4「お母さんに教えてもらわなかった?」
嫁の教養や価値観について、「お母さんはこうしなかった?」「お父さんはどうされてたの?」と、嫁の親を引き合いに出す発言は絶対に避けましょう。 ただの質問だとしても、嫁側からしてみたら「親のしつけが悪いせい」と言われている気がしたり、大切な家族を否定された!と捉えられかねません。
ヘタをすると義実家同士の関係悪化にも及ぶ可能性も。家庭の教育や価値観はそれぞれ違って当たり前です。自分の家庭と比較してしまうこともあるかと思いますが、非難しているように聞こえないか今一度注意して発言しましょう。
体験談
■自分の両親のことを聞かれて答えたが「ああ、うちとは違うね」と、おそらく悪気なく言ったのだとは思いますがどういう意味?と気になりました。 (20代・女性)
■自分の両親について、自分たちより格下と思われる様な発言をするところ。門下や趣味など、細部においてイヤミをいう。(40代・女性)
■「子どもにお金の苦労させるのは親として失格だ」と言われた。私は奨学金で学校に通っていたのを知っているのに…。当時は一生懸命奨学金を返していた時期なので親を否定された気分だった。 (女性・20代)
禁句その5「母乳が足りてないんじゃない?」
近年のSNSで見る姑への愚痴で、特によく見るのが子育てに関する口出しです。 「泣くのは母乳が足りてないからじゃない?」「味が薄いからごはんたべないんじゃない?」など、経験則からの口出しはNG。 的確なアドバイスだったとしても、嫁からしてみると自分の育児を非難されているように聞こえてしまいます。
昔はよしとされていた子育ての知識が実は根拠がなかったり、間違った情報だったということも多いことから、検討違いなことを言われていると感じる人も多いです。自分なりに育児を頑張っている自信を削がないように、頼られた時以外は子育てのアドバイスは極力控えるのがベストです。
禁句その6「〇〇さんのお嫁さんは…」
「〇〇さんのお嫁さんは3人も育てて偉い」「〇〇さんのお嫁さんは〇時まで仕事して家のこともきちんとしている」など、別の嫁を引き合いに出して比べるような発言はいけません。
それが嫁にとってできていない事だった場合、できない自分を否定されたように感じてしまいます。
とくに注意したいのは、「長男のお嫁さんは〇〇なのに…」といった、夫の兄弟姉妹の妻との比較です。不用意な発言で、嫁同士が険悪なムードになってしまった!なんてこともあります。また、「長男のとこの子どもはもう〇〇できるよ」といった孫の比較も同様です。孫に会わせたくない!面倒を見てもらいたくない!と思われてしまうことがないように、注意しましょう。
禁句その7「この家のやり方に従って」
昔は”夫の家に入る”という考え方が多く、姑に反論せず、義実家のルールに従うのが当たり前でしたよね。今はそういった感覚を持っている嫁のほうがまれです。
お互いに相手に合わせながら生活していくのが当たり前という感覚なので、「うちはこうしてきた・うちはこうする」といった発言は一方的に感じられてしまいます。どういった経緯で同居することになっても、今は嫁姑に優劣はありません。お互いが思いやりを忘れずに生活できるように配慮しましょう。
体験談
■お手伝いをしていたら義母から「やり方が違う!」と言われた。気を遣って手伝ったのに、うまくいかなかったと落ち込んだ。(女性・30代)
禁句その8「同居したらサポートできるのに」
今は嫁姑の適度な距離感を保つために、別居や近居が選ばれている時代。姑側でも子どもたちに迷惑をかけないよう終活を考える人も増えていて、嫁が親の面倒を見なければいけないといった考えも古いととられることが多くなっています。
二世帯同居の現実をSNSで目の当たりにすることも多いことから、絶対に同居は避けたい!と構えている嫁も多いです。気が進まない嫁に同居をにおわすような言葉はストレスを与えることになります。同居関係の話題を簡単に口にするのはNGです。
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発言に配慮し嫁とより良い関係を築こう
姑が嫁に言ってはいけない言葉と、タブーな話題をご紹介しました。言ってはいけないとわかっていながらも、ついつい言ってしまうことが多い言葉ですが、関係が悪化すると後悔するのは自分です。
不平不満や嫌味を言うのではなく、せっかく縁あって親子になった嫁とよりよい関係を築き上げる賢い姑でいたいですよね。嫁への発言には十分配慮して、息子夫婦とベストな距離感を保ってくださいね。
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▼ほどよい付き合い方は?
▼お互いの呼び方、どうしたらいいの?
※ 2022年4月 時点の情報を元に構成しています
「家族関係」 の キホン に含まれています