結婚式や入籍などのお祝い事、引っ越しや起業・開店…この先うまくいってほしいと強く願うことほど、縁起のいい日を選びたいという人が多いですよね。
今回は結婚式などの日取りに人気の「天恩日(てんおんにち)」の意味や、やるといいこと、ほかの凶日と重なる場合の考え方について解説します。
天恩日とは?その意味・由来を解説
「天恩日」は「てんおんにち」と読み、暦注下段(れきちゅうげだん)のうち吉日とされる「七箇の善日(ななこのぜんにち)」の一つです。暦注下段とは、暦の最下段に書かれていた日々の吉凶やその日の運勢についての記述のこと。迷信的な要素も多いといわれています。
天恩日は「天の恩恵をすべての人が受ける日」の意味を持つ吉日で、万事に対して縁起がいいとされています。ただし、葬儀のような凶事には向きません。
天恩日は15の干支で日が決まり、一度めぐってくると5日間続くのが特徴です。ほかの吉日と重なることが多く、慶事の日取りによく選ばれています。
天恩日は結婚や入籍の日取りに人気!
天恩日はお祝い事に最適といわれているため、入籍や挙式・披露宴をするカップルが多いようです。天恩日がほかの吉日と重なる開運日はさらに人気が集中します。よって、天恩日に結婚式をしたい場合は早めの予約がおすすめです。
天恩日の過ごし方「やるといいことリスト」
天恩日は万事に対して縁起のいい吉日ですが、なかでも人生を大きく変化させるような行動に向いているといわれています。
天恩日におすすめの過ごし方の一部を紹介します。
挙式・披露宴・結婚パーティー
お祝い事の代表ともいえる挙式・披露宴や結婚パーティーはおすすめ。結婚は本人にとっても家族にとっても大きな人生の変化ですから、天恩日との相性はいいでしょう。
入籍(婚姻届を出す)
婚姻届を提出する入籍日にもおすすめです。夫婦ふたりで新しい人生を始めるのにぴったりな吉日といえるでしょう。
▼入籍には語呂のいい日もおすすめ♪
引越し・新生活のスタート
天恩日は5日連続して訪れることから、数日要することのある引越しには向いています。鍵の受け取り、荷物の搬入、入居など新生活の準備・スタートに天恩日を選ぶのもいいですね。
お宮参り・七五三など
子どもの成長を祝う七五三やお宮参りにも向いています。家族にとっても子ども自身にとっても節目といえるイベントですね。
出産祝い・入学祝いなどの慶事
出産祝いや入学祝いのために集ったり、贈り物をしたりする日にもおすすめです。お祝いの品やメッセージの発送・受け取りの日に向いています。
不動産の購入・契約
人生においてとくに大きな買い物である不動産の購入は縁起のいい日にしたいですね。家や土地の購入、大事な契約にもおすすめの日です。
厄除け・厄払い
天からの恩恵を受けられる日であることから、厄除けや厄払いにもおすすめです。天恩日は連続するので、厄除け・厄払いをしたい神社やお寺に余裕を持って足を運ぶこともできますね。
起業・開店など
何か新しいことを始める日にもおすすめです。起業や開業、開店、会社の登記など、物事の発展や繁栄を願い天恩日を選ぶのもいいでしょう。
天恩日と不成就日や仏滅・赤口が重なる場合は?
天恩日がほかの凶日と重なるとどうなるのでしょうか。選日の「不成就日(ふじょうじゅび)」や六曜の「仏滅(ぶつめつ)」「赤口(しゃっこう)」はいずれも凶日で、入籍や結婚式は避けられる傾向にあります。
これらと天恩日が重なった場合の考え方は大きく3つあり、①吉の力が強く凶が打ち消される、②凶の力が強く吉が弱まる、③吉と凶の力が相殺される、というものです。
弱まるとも吉に寄ると捉えることもできますが、気になる場合は避けた方が無難かもしれませんね。
▼天恩日と重なりやすい凶日は?
天恩日にしてはいけないことは?
天恩日は「凶事(きょうじ)には用いてはいけない」とされています。
凶事とは不吉なことや不幸なことで、葬儀や病気、災害などを指して使われる言葉です。明確に定義があるわけではありませんが、天恩日には縁起が悪い印象がある事柄は避けた方が無難かもしれません。
2024年の天恩日はいつ?吉日カレンダー
干支で日が決まる天恩日は、2024年中は少ない月では5日、多い月では10日あります。天恩日は必ず5日間連続し、月末に天恩日がくると月をまたいで5日間天恩日になります。
ほかの吉日と重なる日も多くあるので、入籍や結婚式の日取りに選びやすいでしょう。何を重視して日取りを決めるか、家族とも相談しながら考えてみてください。
▼天恩日&そのほかの吉日をチェックできる開運カレンダー
天恩日のほか、天赦日、神吉日も!「七箇の善日」とは?
暦注下段の7つの吉日を総じて「七箇の善日(ななこのぜんにち)」といいます。天恩日以外の七箇の善日の読み方や意味を解説します。
暦の上で最上の大吉日「天赦日」
「天赦日(てんしゃび・てんしゃにち)」は暦注下段のなかでも最上の吉日とされています。「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」を意味する、何をやってもうまくいく日です。
天赦日は2024年中に7日しかなく、とても貴重です。入籍や結婚式に人気の日取りとなっています。
▼天赦日の意味とやるといいことをチェック
神社への参拝が吉とされる「神吉日」
「神吉日(かみよしにち・かみよしび)」は「神よし」と書かれることもあった吉日で、神社への参拝や祭礼などの神事にいいとされています。また、先祖供養にあたるお墓参りにも適しています。
鬼が出歩かず邪魔されない日「鬼宿日」
「鬼宿日(きしゅくび)」は「鬼が宿にこもる日」という意味があり、悪さをする鬼が外を出歩かないため邪魔をされず吉日になるとされています。万物によしとされていますが、婚礼にまつわることだけは凶。結婚式や入籍の日取りには避けた方が無難かもしれません。
移動を伴う行動に適した「大明日」
「大明日(だいみょうにち)」は「天と地の道が開いて、世の中の隅々まで太陽の光で照らされる日」という意味があり、全ての行いに太陽の恵みが授けられる縁起のいい日です。とくに未来につながる結婚や入籍、移動を伴う旅行や引越しなどの日取りにおすすめです。
▼大明日の意味とやるといいことをチェック
とくに結婚にまつわることは大吉「母倉日」
「母倉日(ぼそうにち)」は「母が子を育てるのと同じように天が人間を慈しむ日」という意味があり、何事にも吉でとくに婚姻は大吉とされています。入籍や結婚式の日取りにおすすめです。
▼母倉日の意味とやるといいことをチェック
とくに建築や工事に吉の「月徳日」
「月徳日(つきとくにち・がっとくにち)」は「その月の福を司る日」の意味を持つ吉日です。何事も吉とされていますが、とくに建築やリフォーム、工事などの土に関わることとの相性がいいとされています。
古くから伝わる暦注下段の吉日である「天恩日」は入籍や結婚式におすすめの日。
気にしすぎる必要はありませんが、せっかくなら縁起のいい日を選びたいという人は、曜日やほかの吉日とも合わせてチェックしてみるといいでしょう。
日取りの参考にしてくださいね。
※ 2022年12月 時点の情報を元に構成しています
「入籍・婚姻届」 の キホン に含まれています