結婚して始まる「義理の父」との関係。彼の父親をどんな呼び方をすればいいのか、迷う女性も多いようです。
本人と話す場合や人との会話で義父を呼ぶ場合、弔電を打つ相手の義理の父を呼ぶ場合など、シーン別に押さえておきたい呼び方のマナーを紹介します。
知っておきたい「父親の呼称」一覧
一般的に「父親」を指す呼称には次のようなものがあります。
自分の父の呼称
- 実父(じっぷ)…血のつながりのある父
- 家父(かふ)…自分の父 ※あまり使わない
- 老父(ろうふ)…歳を取った父
- 養父(ようふ)…養子先の父・養い育ててくれた義理の父
- 継父(けいふ/ままちち)…母の夫で自分と血のつながりのない父
- 慈父(じふ)…自分の父を親愛をもっていう言葉
配偶者の父の呼称
- 義父(ぎふ)…血のつながりのない父
- 舅(しゅうと)…配偶者の父
- 岳父(がくふ)、外舅(がいきゅう)…妻の父(妻のみ)
第三者の父の呼称
- 小父(おじ)…よその年配の男性
- 尊父(そんぷ)…他人の父に対する敬称
"義理の父本人と話すとき"の呼び方は?
義理の父本人と話すときに、相手のことをなんと呼べばいいのでしょうか。みんなのウェディングでは実際にどう呼んでいるのかアンケート調査を行いました。
「お義父さん」と呼ぶ人が大半【アンケート結果】
義理の父本人と話すときには「お義父さん(おとうさん)」と呼ぶ人が72.2%と大部分を占める結果になりました。次に多いのが「〇〇(夫の名前)のお父さん」の14.8%ですが、呼び名としては少し長い印象があります。
少数ながら「〇〇さん」と義理の父の名前にさん付けで呼ぶ人もいるようです。
体験談
■少し抵抗がありましたが、旦那さんが自分の両親を前にして「お母さん・お父さん」と呼んでくれたのがうれしくて私も呼ぶようになった。
■決めたことはないが、普通に「お父さん・お母さん」と呼べるような優しい両親でした。
■最初になんて呼んだら良いか分からず旦那の名前を前につけて「〇〇のお母さん」と呼んでいましたが、「長いから、お母さんで良いよ」と言われ、お父さんもそう呼んでいます。
呼び方を変えたタイミングは節目や流れで【アンケート結果】
「お義父さん(おとうさん)」「お義父さま(おとうさま)」と呼んでいる人にいつからそう呼び始めたかを聞いたところ、大きく「付き合っているとき」「結婚が決まってから」「入籍・挙式してから」の3つのタイミングにわかれる結果になりました。
自然な流れで呼び始める場合と、何か節目のタイミングで意識して呼び始める場合とがあるようです。
体験談
■初めから「お母さん、お父さん」と私から呼びましたが、すぐに受け入れてくださいました。
■結婚は決まっていたけど、まだ入籍していない時には、何て呼べばいいか分からずなるべく名前を呼ばないようにしていた。
■自分の呼び方が「さん」から「ちゃん」になったタイミングで、自信を持って「おかあさん、おとうさん」と呼べるようになりました。
人との会話で"義理の父"の呼び方は?
では、友人や会社の人など家族以外の人との会話の中で義理の父を呼ぶときはどう呼べばいいのでしょうか。アンケート結果をもとに解説します。
「夫の父、夫のお父さん」と呼ぶ人がほとんど【アンケート結果】
義理の父本人がいないところでの会話では「夫(主人・旦那)の父・お父さん」と呼ぶ人が80.2%でした。人との会話では普段の呼び方よりも自分との関係性がわかる呼び方が好まれているようです。「父・お父さん」や「義父(ぎふ)」と呼ぶ人は少数でした。
体験談
■人との会話では自分の父を「父」や「お父さん」と呼ぶので、わかりやすいように「〇〇(夫の名前)のお父さん」と呼んでいます。
"義理の父とのLINEやメール、手紙"での呼び方は?
直接の会話や電話ではなくLINEやメールなどで文字にして義理の父本人を呼ぶ場合はどうでしょうか。文字表現ならではの感じ方があるようです。
義理の父本人とのLINEやメールでは「お父さん・おとうさん・お父さま」のように表記する人が約半数でした。本来の意味の「お義父さん・お義父さま」とするとわざとらしく感じるのが理由のようです。
また「本人についての呼称を入れないようにする」人も3割近くいる結果になりました。
体験談
■「お義父さん」か「お父さん」、いつもどちらが良いのか悩みます。
■特に何かを言われたわけではなく、自分から進んで、お父さん・お母さんと呼ぶ、文章でも書くようにしました。
人の義理の父の訃報を聞いたとき、弔電や葬儀、香典での敬称のマナーは?
自分ではなく友人知人の義理の父はどう呼べばいいのでしょうか。おもに訃報に際して葬儀での会話や弔電で使う呼称について説明します。
弔電で使われる義理の父・母の敬称は?
一般的に弔電は喪主に対して送ります。したがって喪主と故人との関係で故人の呼び方が変わるので注意が必要です。
喪主から見た関係別の故人の敬称
故人が喪主の父の場合
- ご尊父様(ごそんぷさま)
- お父様(おとうさま)
- お父上(おちちうえ)
故人が喪主の母の場合
- ご母堂様(ごぼどうさま)
- お母様(おかあさま)
- お母上(おははうえ)
故人が喪主の妻の父の場合
- ご岳父様(ごがくふさま)
- お義父様(おとうさま)
故人が喪主の妻の母の場合
- ご岳母様(ごがくぼさま)
- お義母様(おかあさま)
- ご丈母様(ごじょうぼさま)
- ご外母様(ごがいぼさま)
故人が喪主の夫の父の場合
- ご尊父様(ごそんぷさま)
- お義父様(おとうさま)
- お父様(おとうさま)
- お父上様(おちちうえさま)
- お舅様(おしゅうとさま)
故人が喪主の夫の母の場合
- ご母堂様(ごぼどうさま)
- お義母様(おかあさま)
- お母様(おかあさま)
- お母上様(おははうえさま)
- お姑様(おしゅうとめさま)
敬称のほかに注意したいのが「忌み言葉」です。弔電では不幸が続くことを連想させる重ね言葉や生死を直接表す言葉は避けるようにましょう。
また宗教によって不適切とされる表現もあるので、訃報を聞いたら宗教の確認も忘れずに行うようにしましょう。
アメリカや韓国での"義理の父"の呼び方は?
日本語でも迷う義理の父の呼び方ですが、国際結婚をするとまた呼び方が変わってきます。英語・韓国語では義理の父をどう呼べばいいのでしょうか。
英語ではファーストネームが基本
英語圏では義理の父を呼ぶとき、本人相手の会話であればファーストネーム(下の名前)で呼ぶことが多くなっています。家族以外との会話や文章では"father-in-law"(義理の父)としたり"Mr.〇〇"と苗字で呼ぶこともあります。日本語の「お父さん」や「パパ」に当たる"Dad"は実の父を呼ぶときだけ使うものなんですね。
体験談
■義理の父を人に紹介するときはFather-in-lawで、本人を呼ぶときは基本的には名前です。
「お父さん」と呼ぶ人もいなくはないようですが、ごく少数派の印象です。
ただし、やはり名前を呼ぶことを気まずく感じることもあるようで、名前を呼ぶシチュエーションを避けている人もいるようです。
(40代女性/アメリカ人夫とNY在住)
韓国語では「オモニ」「オモニム」
韓国語で実の父のことは「アボジ」と呼び、本人に対しても他人との会話でも使われます。一方義理の父については、夫側の父は「シアボジ」、妻側の父は「チンジョンアボジ」となります。これらは家族以外との会話での呼び方で、義父本人との会話では「お父様」を意味する「アボニム」を使うことが多いようです。
家族の呼び方についてはこちらの記事もオススメ
正しくは何と呼ぶ?意外と知らないそのほかの家族の呼び方についてこちらの記事で詳しく解説しています。
結婚してから関わりが増える義父の呼び方に悩む人は多いようです。状況や本人との関係性にもよるので正解はないですが、いつまでも他人行儀なのも寂しいもの。パートナーとも相談しつついい関係を築ける呼び方ができるといいですね。
■調査概要
みんなのウェディング「結婚についてのアンケート」
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年12月3日~10日
回答者数:227名
※ 2021年12月 時点の情報を元に構成しています
「家族関係」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています