ジェンダーの観点から配偶者の呼び方にニュートラルな表現が意識される昨今、自分の配偶者のこと以上に悩ましいのが会話相手の配偶者の呼び方ではないでしょうか。
最近では、芸能人などの配偶者の呼び方をめぐって話題になることもしばしば。
相手の妻・夫を呼ぶのに適した表現を考えていきます。
目上の男性との会話で配偶者は「奥様」が主流
「奥様」は元々他人の妻に対する呼び方で、相手を敬う意味を含んでいます。そのため上司のような目上の男性との会話で相手の配偶者のことは「奥様」と呼ぶのが一般的です。上司に限らず職場の人との会話や公的な場でも本来失礼にはあたりません。
友人などカジュアルな関係の男性との会話では「奥さん」「ママさん」など
友人同士の会話でも「奥様」と呼べば失礼にはあたりません。ただし、かしこまった印象を与えるのが気になるのであれば、カジュアルな関係の人との会話では「奥様」のくだけた表現である「奥さん」や、相手に子どもがいるなら「ママさん」などと呼ぶのもいいでしょう。
目上の女性との会話で配偶者は「旦那様」「ご主人様」が多い
目上の女性との会話では相手の配偶者、つまり夫のことは「旦那様」や「ご主人様」と呼ぶ人が多いようです。「旦那」は軽い敬称の意味を含む格上の人に対する呼び方です。「主人」は昔ながらの呼び方で、特に年長者には受け入れやすいと考えられます。
友人などカジュアルな関係の女性との会話では「旦那さん」「ご主人」「パパさん」など
友人女性の会話でも「旦那様」などと呼べば間違いはありませんが、あまりかしこまりたくない場合には「旦那さん」「ご主人」と響きもカジュアルな呼び方をしても。相手に子どもがいる場合やママ友同士であれば「パパさん」と呼ぶのも自然ですね。
「ご主人」「奥様」が主従関係を連想させてしまうことも
「ご主人様」や「奥様」が相手の配偶者を敬う丁寧な呼び方ではありますが、本来の意味や言葉の由来から不快に感じる人もいるかもしれません。
「主人」は「家の主」の意味があり、家庭内の主従関係を連想させます。また「奥様」は「家の中にいる人」に由来しているといわれ、「男性が外で働き女性は家にいるもの」という古い考え方を反映しているともいえます。言葉から受ける印象や夫婦関係についての考え方がさまざまなので、相手によって配慮が必要です。
相手の配偶者の呼び方は自分たち以上に悩むもの
自分の配偶者を呼ぶ際に対等な関係を意識して「夫」や「妻」を使っていたとしても、相手の配偶者となると「夫様」「妻様」などは不自然な日本語になり、完全にニュートラルな表現がないのが実情です。ちょうどいい表現がないために違和感を抱きつつも「ご主人様」や「奥様」を使っている人もいるでしょう。
本人が「パートナー」のように呼び方を決めているようであれば「パートナーの方」と相手にならうのが自然です。また相手が名前で呼んでいるようであれば「〇〇さん」と名前で呼んでもいいでしょう。そのほか「〇〇さんのお宅では…」「〇〇さんのご家族は…」などあえて特定の呼び方を使わない方法もあります。
言葉はコミュニケーションの大切な要素です。自分が気にしない場合でも「相手はどう感じるだろう?」と考えを巡らせて、丁寧な言葉選びができるといいですね。
▼自分の配偶者についての呼び方はこちらの記事で詳しく解説しています。
※ 2021年10月 時点の情報を元に構成しています
「生活・家事・ライフスタイル」 の 雑学 に含まれています