新型コロナウイルスの影響で新しい結婚式の形「オンライン結婚式」に注目が集まっています。
新郎新婦として企画するオンライン結婚式のやり方や費用、料理の準備、ゲストとして参加する際のご祝儀や服装など、まだまだわからないことだらけですよね。
この記事ではオンライン結婚式にまつわる、招待する新郎新婦側の疑問、招待されるゲスト側の疑問を含めてオンライン結婚式のやり方を徹底解説します。
オンライン結婚式とは?
オンライン結婚式とは、PCやスマホを利用して式場や自宅から結婚式をオンライン配信する形式の新しい形の結婚式のこと。ゲストも自宅などから参加します。
参加できるゲストは式場で、高齢のゲストや遠方のゲストはオンライン参加など、組み合わせた形で開催する方も。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染リスクを抑えて開催できる形式として、多くのカップルから注目を集めています。
【新郎新婦向け】オンライン結婚式の種類と費用
オンライン結婚式はどんな種類があり、費用はどれくらいかかるのでしょうか?大きく分けると、自分で企画するものと、式場やプロデュース会社に依頼する方法があります。
【ふたりで準備】新郎新婦で企画し、自宅などから配信:0円~
新郎新婦ふたりで企画し、自宅などから配信する場合、料金はほとんどかかりません。
準備に必要なものは、
- テレビ通話/オンライン配信ができるツール(無料あり)
- 必要であれば衣装
- 招待状を作成する場合は招待状
無料のテレビ通話/オンライン配信ツールなどは、ZoomやSkype、Discordなどたくさんのツールがありますが、LINEやFacebook Messangerなど普段多くの方が利用しているアプリでも、複数人でのテレビ通話が可能です。大掛かりな準備や難しいことはないので安心してください。
また、配信メインでコミュニケーションはチャットが利用できるYoutubeを利用する方もいるそう。
※アプリのダウンロードが必要な場合や、無料版では時間制限があるツールもあるので、注意しましょう。
*自分たちでオンライン結婚式を挙げる具体的な方法やツールについてはこちらの記事を参考にしてください。
【式場や業者に依頼】挙式・結婚式の配信プラン:約50,000円~
式場やプロデュース会社に依頼し、ふたりの挙式や披露宴の様子を配信するプランです。
さまざまな形式がありますが、主には下記の3つになります。
- 挙式のみ配信
- 挙式+披露宴の配信
- 披露宴のみ配信
披露宴は、装飾を行った高砂にふたりで座り、そこから配信を行うもの。配信内容や時間によって金額は変動してきますし、取り扱っているプランも式場によって異なるため、確認してみてくださいね。
ふたりの世界観やテーマを存分に表現することができます。
また、式場によってはゲストへお料理を配達するサービスもあるそう。自宅にいながら、なかなか食べることのできないフルコースを味わうことができるのは、ゲストにとっても大変嬉しいことですよね!
また、式場には親しいゲストなどを招待し、遠方や高齢のゲストはリモートでオンライン接続するなど、オンラインとオフラインを組み合わせたプランも最近では多いようです。
*業者にお願いしてオンライン結婚式を挙げる場合のプランをこちらの記事で紹介しています。
【新郎新婦向け】オンライン結婚式の準備方法
オンラン結婚式の準備は具体的にどのように進めるか、実際にオンライン結婚式に参列したゲストの声と合わせて解説します。
式場やプロデュース会社に依頼している場合は、基本的に準備はプランナーさんと相談して進めるとよいでしょう。
招待するゲストは?
『みんなのウェディング』編集部がオンライン結婚式に参加した人たちに聞いたところ、新郎新婦との関係は約7割程度が友人との回答でした。
新型コロナウイルスの影響で、リモートでのコミュニケーションやオンライン会議に慣れてきている方も多いですが、ご高齢の方や職業柄、ツールに馴染みがない方も多くいらっしゃいます。招待を行う際に、事前にオンラインツールの使用に慣れているかの確認をお忘れなく。
また、人数が多すぎてもコミュニケーションが難しくなるため、招待する人数には注意しましょう。
招待状は必要?
LINEなど普段利用しているツールを使用して、招待を送っている方が大多数でした。その中でも、Web招待状を利用している方が多かった様子。
Web招待状なら、ふたりの写真を掲載したり、オリジナリティを出すことができますし、結婚式ならではの特別感も出ます。無料で作成できるサービスもたくさんあり、操作も簡単なのでぜひ使ってみてくださいね。
*WEB招待状について詳しくはこちらの記事で紹介しています。
オンライン結婚式の所要時間は?
所要時間は挙式と披露宴を組み合わせて3時間が多いようです。オフラインでの結婚式と似ていますね。
式場やプロデュース会社に依頼している場合は、結婚式のプランで設定されている時間があると思いますが、ふたりで時間をカスタマイズできる場合、出入り自由で半日開催したり、挙式の様子を1時間だけ配信したりなど、好きなスタイルを選ぶことができます。
招待状には、挙式+披露宴なのか、挙式のみなのか、出入りや滞在時間が自由なのか、結婚式の所要時間の目安がわかるような記載をお忘れなく。
オンライン結婚式のプログラムは?
https://www.mwed.jp/articles/12299/
- 1位:新郎新婦の挨拶
- 2位:乾杯
- 3位(同率):フリートーク(歓談)
-
3位(同率):指輪の交換(複数回答)
オンライン結婚式で取り入れられた演出のランキング。トーク中心にプログラムを組み立てる方が多いようですね。
オンライン結婚式の1日の流れやプログラムに悩む方も多いかと思いますが、従来のオフラインの結婚式と同様に考えてOK。通常の結婚式のプログラムを参考に考えてもいいですし、オフラインの結婚式以上にまったくのオリジナルを作ることもできる自由度の高さがあるのが、オンライン結婚式の特長でもあります。
プログラムに困ったときは従来の結婚式の流れも参考にしてみてくださいね。
主な挙式プログラム
- 結婚の誓い
- 指輪の交換
- 結婚証明証へのサイン
- 誓いのキス
主な披露宴プログラム
- 新郎新婦の挨拶
- 主賓挨拶
- 乾杯
- ケーキ入刀
- ファーストバイト
- 新郎新婦への質問コーナー
- 余興
- 両親への手紙
- ゲストへの手紙
主なムービープログラム
- オープニングムービー
- プロフィールムービー
- エンドロール
受付や余興など、ゲストへの依頼は必要?
まず、受付については「頼まなくてもOK」。
この場合、新郎新婦自身が確認するか、式場やプロデュース会社に依頼している場合はプランナーやスタッフが確認するかで対応することができます。受付として依頼したい友人がいる場合は、友人の力を借りてもいいと思いますし、どちらでも問題ありません。
ただ、さまざまなコミュニティからゲストが参列する場合、受付担当者による出席確認は、コミュニケーションが難しく、ハードルが高い場合もあるので注意が必要です。
また余興についても「頼まなくてもOK」。
もし余興を取り入れるのであれば、オンラインでもわかりやすい、伝わりやすいものにする必要があるため、余興担当者の負担など依頼時には注意しましょう。
ご祝儀は?
調査したところ、ご祝儀や会費は約8割のゲストが「渡さなかった」と回答していました。ただし、オフラインで結婚式開催予定だった友人へご祝儀を贈ったり、お料理の配達サービスなどがある場合はそれを会費として設定しているようでした。
オンライン結婚式は、ゲスト側もご祝儀を渡すべきなのかわからず迷う方もたくさんいるので、会費がある場合はその金額や、ご祝儀を頂かない場合はその旨を新郎新婦側からしっかり伝えるようにしましょう。
※会費が発生する場合は、料理やギフトなどゲストへの還元があると思うので、金額と会費が発生する理由を招待状などに添えられると、ゲストも安心して参加できるでしょう。
ちなみに、会費やご祝儀の支払い方法は現金書留、もしくはオンライン決済で支払われているのが多い様子。また、PaypayやLINE PAYなどを活用しているカップルも多数いました。
一方、オンライン決済ツールを使ってないゲストもいる可能性があるので、その場合は銀行振込など別の決済方法が利用できるように準備をしておきましょう。
引出物は?
オンライン結婚式に引出物は不要のようです。
ただしご祝儀などをいただいた場合は、お返しをお送りすることを忘れないようにご注意を。ご祝儀をもらった場合、お返しは品物を選びます。「半返し」と言って、いただいた金額の半分くらいの価格のものを選ぶようにするとよいでしょう。
また、引出物はほとんど渡されていませんが、感謝の気持ちとして「プチギフト」を送る新郎新婦もいました。
オンライン結婚式当日、祝福してくれたゲストへの贈り物をするかどうかは、パートナーとしっかり話し合ってみてくださいね。
料理は?
式場からのお料理配達サービスを利用しない場合は、基本的にゲストたち自身で準備してもらう形になります。
招待状にも、各自で食事は用意してもらう旨を忘れずに記載しましょう。
服装は?
オンラインといえど結婚式。ゲストたちはどんな服装で臨めばいいのか迷ってしまいます。
平服(普段着)などで問題ない旨を、招待する際に添えるようにしましょう。
【ゲスト向け】オンライン結婚式に参列するゲストの準備
オンライン結婚式、ゲストはドレスアップして参加する?
『みんなのウェディング』編集部がリサーチしたところ、服装は普段着、普段よりおしゃれした人それぞれ約半々という結果に。礼服をきちんと着用したという人はわずか数人でした。
招待の連絡に記載がある場合はそれに従い、記載がない場合は、ドレスコードがないかなどを新郎新婦に確認してみてもいいかも知れませんね。
ご祝儀は送った方がいいの?
会費が設定されている場合は、その会費を指定の支払い方法で支払います。また、オンライン結婚式は「ご祝儀やお祝いなどは不要」と招待状に記載されている場合も多くあります。
ですが、新郎新婦が、仲の良い友人(親友)、親族、これからも長い付き合いがある方、自分の結婚式に来てもらった場合などは、ご祝儀を送ることを検討したほうがよいでしょう。
金額はオフライン時に合わせて30,000円が多いようですが、結婚式欠席時と同様の10,000円を支払う方も。
まだまだ新しいオンライン結婚式。この式スタイルのご祝儀の金額についてマナーが確立していないため、本来払う予定だった金額をお贈りしてもいいかもしれませんね。
オンライン結婚式の視聴は「スマホ以外」が約8割
多くのゲストがゆったり大きめの画面で視聴できる、PCやタブレットを使用して参加しているようです。
使用するデバイスによって動画などが小さくて見えにくい場合もあるようなので、新郎新婦・ゲストともに推奨の環境など事前にチェックしておくのがおすすめです。
また、コミュニケーションは画面上を通しての通話よりも、搭載されている「チャット機能」が使われることが多いそう。
ゲストは、指定されたツールのチャット機能の使い方を確認しておくこと、新郎新婦はLINEのオープンチャットなどを作成し、参列者が気軽にやり取りできる仕組みを準備するようにしましょう。
オンライン結婚式で困ったこと1位は音声が聞こえない!
- 1位:音声が聞こえにくかった
- 2位:オンライン結婚式がどんなものかわからなかった
- 3位(同率):ネット環境が悪かった
-
3位(同率):動画が見えにくかった
(複数回答)
困ったことは配信環境に関することがほとんど。
整えるのもなかなか難しいですが、通信環境に不安がある場合は、結婚式の時間だけ通信環境の良い場所に移動するなどを検討してみても良いかも知れません。
そもそも、新しい結婚式のスタイルである「オンライン結婚式」のイメージがわかず、戸惑ってしまったゲストもいる様子。
そのため新郎新婦側は、事前にオンライン結婚式をする意味合いを伝えたり、使用するツールの説明や事前に一緒に使ってみたり、当日の流れの説明など、ゲストがより安心して参加できるように工夫する必要がありそうです。
【ゲストのリアルな声】オンライン結婚式に参加してよかったことは?
続いて、ゲストがオンライン結婚式に参加してよかったと感じたのはどんな点だったのか。みんなのコメントを見ていきましょう。
・ゲストが有名人ばかりだったので、オンラインでないとあのメンバーが揃うことはなかったと思う
・遠くにいても、パーティに参加できて感動した。
・遠方の友人だったので、久々に顔を見ながら話せて良かった。
・参列者の友人とも久々の人が多かったので、良い機会でした。
・世界中にいる参加者が同時に参加したこと。
・時差による違いやロックダウン状況の共有が生々しかった。
・会場の雰囲気も伝わるように複数のカメラで撮影してたので良かった。
・移動せずに自宅から参加できた。
・2人の息子がまだ小さいので、リアルな披露宴だと常に子どもたちの行動を気にかけないといけないので、オンラインで時々ミュートにしたりこちらの都合に合わせて気楽に参加できたこと、家で好きな食べ物とワインを用意して楽しめたこと、往復の移動もなく、気軽に楽しめてよかったです。
・ご親族の表情が垣間見られること。
・服装をそこまで気にしなくて良かった。
・お金がかからない(髪のセットアップ)、式場までの時間短縮、気軽さ、リラックスできる、場所を問わず参加できる、子どもがうるさくても気にせず参加できる(ミュートにする等)。
・幸せな気分になれました。
・CGを使った空間作りなど通常の結婚式ではできないこともが可能なことを見ることができたこと。
移動することなくリラックスした状態で参加できたことが、多くのゲストの嬉しかったポイントの様子。また、CGの使用や複数カメラでの撮影など、オンライン結婚式ならではの演出が心に残ることも。
ふたりをお祝いできることはもちろん、普段なかなか会うことができないゲスト同士の交流の場としても喜ばれているようです。
【ゲストのリアルな声】オンライン結婚式に参加してよくなかったことは?
続いて、オンライン結婚式に参加して残念に感じたことについて、ゲストのコメントを見てみましょう。
・新しい出会いはない。
・発言するタイミングが、はかりにくかった。
・スマホしか持っておらず、画面が小さくて見えづらかった。
・特になし
・披露宴がないと食事の機会がない。
・参加者同士での会話がしにくかった。
・3時間の間、パソコン画面の前に張り付いて観ることは難しかったのと、子を預けてリアル披露宴に参加するような没入感(たとえば感動して泣いたりすること)は得難かったです。あと、参加費と別に自由に設定できるご祝儀(オンライン決済)で悩む人は多かったのでは?と思いました。
・小さなお子さんの声が気になってしまい新郎新婦の話を聞き取れなかったあたり。
・やはり配信なのでネット環境が悪いとすぐに止まってしまい見えづらかった。
・かなりカジュアルな感じなので結婚式という感じがあまりなかった。
・他の参加者との交流ができない。
・酒をついつい飲みすぎてしまった...
・内容は特になし。しいていうなら見る側のネット環境も整えておかないといけない点。
困ったことと同様、やはりネット環境に関連する事柄が気になったゲストが多い様子でした。
また、発言のタイミングが難しかったり、ゲスト同士の交流がしにくい点もネックに感じられることがあるので、参加型のプログラムを入れると喜ばれるかもしれませんね。
新たな結婚式の形「オンライン結婚式」
ゲストとの距離も近く、リラックスした状態で参加できるオンライン結婚式。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染リスクを抑えた新たな結婚式の形として注目を集めていますが、高齢、遠方のゲストでも気軽に参加できる手段としても有効です。
マナーなど不明瞭な部分も多いですが、新しいからこそ自由にできることもたくさんあります。
ぜひふたりらしいオンライン結婚式で、最高の時間を過ごしてください。
▼オンライン結婚式のみんなの声についてはこの記事にまとまっています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
※ 2021年1月 時点の情報を元に構成しています
「結婚式の種類」 の キホン に含まれています