振袖は、江戸時代から昭和初期にかけては裾模様(すそもよう)といい、裾に模様のある黒の振袖が一般庶民の婚礼衣装だったといわれています。
現代でも、黒の引き振袖に人気がありますし、ご自身の振袖を未婚最後の記念として結婚式で着られる方もいらっしゃいます。素敵な親孝行ですね!
今回は、その際の注意点や心掛けることについてお伝えします。
まずはこの基本のスタイルを理解し、オリジナリティとしてウエディングドレスやカラードレスへのお色直しのアレンジを加えると良いですね。
【目次】
- 持ち込み料について
- 着物のバランスを考えましょう
- 振袖をお色直しに選ぶ従来の流れ
- お色直しのタイミング
- 髪型
- 御引上げ
- 振袖姿におすすめの演出
持ち込み料について
多くの式場では、衣装に対して3-5万くらいの持ち込み料を設定している場合があります。当日、及び事前に衣装を搬入してからの取り扱いをする手数料のようなものです。
着物については、可能であれば前日から搬入して皺(しわ)をとるためにどこかにかけて保管してもらえるか確認してみましょう。
式場によっては、ご自身の大切な衣装ですから、当日持ち込みをすすめられる場合もありますが、その際もご家庭で皺(しわ)をとるために掛けておくことをおすすめオススメします。
着物のバランスを考えましょう
振袖の場合、帯を飾り結びにするなど華やかに着付けをしますが、衣装自体の幅にボリュームはでません。
結婚式という華やかな空間ですので、髪型や飾りなどでより華やかにされると良いでしょう。
最近では、和装の髪型にフラワーアレンジをされる方もいらっしゃいますし、手元には毬(まり)のようなフラワーブーケをご用意されるのも素敵です。また、番傘を使った入場演出なども人気があります。
そして、新郎様の衣装。新婦様が和装をお召になる場合はほとんどの方が紋服を着て、おふたりとも和装で揃えることが多いですが、スマートなスタイルの振袖の新婦様には、タキシードの新郎様もハイカラな雰囲気がとても良く似合います。
振袖をお色直しに選ぶ従来の流れ
振袖を選んだ時の簡単な流れをお伝えします。
1.挙式スタイル:神前式で白無垢をお召になります
2.そのまま白無垢姿で迎賓
3.披露宴入場時には色打掛に掛け替え
4.披露宴中のお色直しで振袖へとお色直しをします
お色直しのタイミング
振袖をお色直しでお召しになる場合、一般的なお色直しのタイミングとしては、2着目もしくは、3着目のお色直しの衣装としてお召しになります。
振袖の一番のメリットは、動きやすさです。新婦様の和装には、白無垢、色打掛、色打掛のなかでもオーガン素材のより軽やかなタイプもあります。
また、十二単とさまざまな種類がありますが、振袖はそのなかでももっとも動きやすく、介添えなしでも動き回ることができるでしょう。
つまり、進行上でメインテーブルを立つなどのタイミングに合わせるのも良いと思います。
しかし、注意しなければならないのは、大切な思い出の詰まった着物である場合、大暴れの激しい余興で汚れてしまった!なんてことがないよう、進行とそのときの衣装を少し考えておくこともポイントです。
最近は、披露宴を行う場所もさまざま。会場によっては、テーブルとテーブルの間のスペースが狭く、動きにくいことがあります。
振袖は、幅のボリュームはありませんので、和装のお色直しをお考えの方にはとってもおすすめです。
また、人数が多く、会場が狭い場合など打掛姿ですと、入場口からメインテーブルまでまっすぐ花道を進むことしかできないことがありますが、振袖姿ならせっかくの華やかな和装姿、テーブルサービスでゲストの方々と一緒にお写真を撮りたいという希望も叶います。
髪型
洋髪に似合う着物であること。お色直しにかかる時間というのも、進行を考える上で気になるポイントですよね。和装の着付けは最低でも20分はかかると言われています。
そこにかつらを着用となればかかってくる時間はさらに伸びます。しかも、かつらを着用するととても動きにくい。しかし、振袖なら洋髪に似合う和装姿になります。
また、お色直しにかかる時間を懸念して、最近は前撮りのみで和装を着て、当日はドレスのみという方も多いのですが、振袖なら当日も着られる…ということで人気があがっているのかもしれません。
御引上げ
御引上げとはいわゆる後片付けのこと。
ご自分の振袖をお召しになる場合は、披露宴おひらき後に御着物を持ちかえることになります。そのときに御着物をたたむ方がどなたかを事前に確認しておきましょう。
当日、列席者の着付けの場合にもお帰りの際にはご自分で御着物をたたんで持ちかえらなくていけないのがほとんどです。
ご自分の御着物、結婚式当日までにたためるように練習しておくのも花嫁準備の一つとして、身につけておくのも良いですね。
振袖姿におすすめの演出
和装の演出といえば、鏡開きが定番ですが、鏡開きは乾杯前後の披露宴の前半のタイミングで行い、披露宴中にそのお酒をゲストの皆さまにふるまうことが多いです。
振袖の場合、お色直し後になりますのでそのタイミングでしたらフォトサービス、ミニこも樽と言って各テーブルに小さな樽を置き、その中にはクジや小さなプレゼントを詰め込み、こも樽を開いてまわるというゲーム的な演出。
また、地域性もありますが特に東海地方では有名な菓子まき。
菓子まきは、メインテーブルを離れ、少し高い位置から寿菓子を投げふるまうというもの。こちらも動きが活発な演出になりますので振袖姿で行うのはオススメおすすめです。
また、花嫁の手紙から花束贈呈、送賓と両家両親と新郎新婦が一列に並ぶシーンにおいて、和装姿の新郎新婦はより格式高く感じられ、素敵なお衣装での演出だと思います。
ぜひ、参考に素敵な和装ウエディングを叶えてくださいね。
今回のポイント
1.振袖は、メリットがたくさんある和装
2.洋風なアレンジが素敵
3.持込料や御引上げについては、事前に確認を…
※ 2016年8月 時点の情報を元に構成しています
「和装」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています