1. 結婚式口コミ みんなのウェディング
  2. みんなのウェディングニュース
  3. 結納
  4. 結納品の品目と飾り方、地域別の違いや結納後の処分・リメイク方法も

結納品の品目と飾り方、地域別の違いや結納後の処分・リメイク方法も

2024.12.18

普段目にする機会がない結納品。たくさん種類があるのは知っているけれど、どんなものでどんな意味があるのか、何をどこまで用意したらいいのかわからないという人も多いですよね。

この記事では、結納品の正しい品目や役割の基礎知識から、関東・関西別の品目の違いや飾り方、購入できる場所、さらには結納後のリメイクアイデアまで、結納品の準備から処分方法までをわかりやすく解説していきます。

結納品とは?読み方と込められた想い

結納品(ゆいのうひん)とは、結婚の約束を交わす「結納」の際に新郎側から新婦側へ贈る品々のこと。婚約の証として古くから伝わる日本の伝統的な習慣で、品物は主役となる結納金をはじめ、末広(扇)や濃州(昆布)など、縁起の良い品々で構成されています。

結納品は誰が用意する?

結納品は男性側が用意するのが一般的です。女性側は、結納品へのお返しとして「結納返し」を準備します。ただし婿入り婚の場合は女性側が結納品を用意することもあります。「結納返し」の品目や返し方は後ほど詳しく解説していきますね。

目次に戻る

結納品の品目

正式な結納品は9品目が基本ですが、最近は結納の規模や予算に合わせて、7品目、5品目、3品目と、簡略化するケースが多くなっています。品目を減らす場合でも奇数にするのがマナーです。

用意する結納品の内容は地域によって異なります。大きく分けて関東式と関西式があり、贈る側(男性側)の地域の風習に合わせて品物を選び、受け取る側(女性側)の地域の作法に沿って受け取るのが一般的です。

関東式

関東式

正式な関東式は、次の9品目を用意します。

【1】目録
【2】長熨斗(ながのし)
【3】金包(きんぽう、かねつつみ)
【4】寿恵広(末広/すえひろ)
【5】友志良賀(共白髪/ともしらが)
【6】子生婦(こんぶ)
【7】寿留女(するめ)
【8】勝男武士(勝男節・松魚節/かつおぶし)
【9】家内喜多留(やなぎだる)

簡略化する場合は、以下のように品目を減らしていきます。
・7品目の場合:勝男武士と家内喜多留を除く
・5品目の場合:子生婦、寿留女、勝男武士、家内喜多留を除く
・3品目の場合:一般的に目録、長熨斗、御帯料の基本3点を残す

関西式

関西式

正式な関西式は、次の9品目を用意します。関東式と同じ品物でも、呼び方が異なるものもあるので注意が必要です。

【1】御帯(おんおび=結納金)
【2】柳樽料(やなぎたるりょう)
【3】松魚(しょうぎょ、まつお)
【4】熨斗(のし)
【5】高砂人形(たかさごにんぎょう)
【6】寿恵広(すえひろ)
【7】寿留女(するめ)
【8】結美和(ゆびわ)
【9】子生婦(こんぶ)

関西式でも、7品目や5品目、3品目など簡略化することができます
・7品目の場合:子生婦と寿留女を除く
・5品目の場合:子生婦、寿留女、高砂、結美和を除く
・3品目の場合:一般的に熨斗、寿恵廣、小袖料を残す

関東式との違いは目録を結納品の品目に含まないことと、結美和(ゆびわ)=婚約指輪を結納品として含めていること。これらの結納品はどんなものでどういった役割があるのか、次で詳しくみていきましょう。

目次に戻る

結納品の役割と意味

前述したように結納品はすべて縁起物で構成されていて、それぞれに夫婦の末永い幸せを願う想いが込められています。

目録

結納品の品目と数を箇条書きにした書面です。納品書のような役割があります。

長熨斗(ながのし)/熨斗(のし)

長熨斗(ながのし)は古くから神様への供物として珍重されてきたあわびの干し貝を薄く伸ばしたものです。その長さには夫婦の絆が永遠に続くようにという願いが込められています。関西式では「熨斗(のし)」と呼ばれ、祝儀の意味も含まれています。

金包(きんぽう)/御帯(おんおび)

結納金そのものを指します。関東式では「御帯料(おんおびりょう)」、関西式では「小袖料(こそでりょう)」とも呼ばれます。もともとは花嫁の着物代として贈られていましたが、現代ではふたりの結婚資金として考えられています。

寿恵広(すえひろ)

扇子のことで、「末広がり」という言葉に由来します。扇を開くように家運が広がり、幸せが増えていくようにという願いが込められています。

友志良賀(ともしらが)

「共白髪」とも書き、夫婦が白髪になるまで仲睦まじく共に暮らすことを願う品です。白い麻糸を束ねて白髪に見立てたもので、長寿と夫婦円満の象徴として贈られます。

子生婦(こんぶ)

昆布のことで、「子」が「生まれる」という願いを込めた縁起物です。子孫繁栄を象徴する品として古くから結納品に含まれています。

寿留女(するめ)

するめいかを乾燥させた食材で、「寿」と「留まる」という語呂合わせから、長寿と夫婦の堅い絆を象徴します。また、するめのように夫婦の絆が強く、しなやかであることを願う意味も込められています。

勝男武士(かつおぶし) /松魚料(まつうおりょう)

鰹節のことで、「克つ」に通じることから、様々な困難を夫婦で乗り越えていけるようにという願いが込められています。保存性が高いことからも、長く続く縁起物としても重宝されています。

松魚も鰹節のことを指します。関西式は松魚料(まつうおりょう)といって品物ではなくお金を包みます。

家内喜多留(やなぎだる)/柳樽料(やなぎたるりょう)

家庭内に喜びが留まるようにという願いを込めた品です。関西式では「柳樽料(やなぎだるりょう)」と呼ばれてお金を包みます。樽が酒を蓄えるように、家庭に幸せが満ちあふれることを象徴しています。

高砂人形(たかさごにんぎょう)

主に関西式で用いられる結納品で、仲睦まじい老夫婦を表現した人形です。「高砂」は長寿を象徴する地名で、相思相愛の象徴として贈られます。末永い幸せな結婚生活への願いが込められています。

結美和(ゆびわ)

関西式で使われる結納品で、婚約指輪そのものを指します。比較的新しい結納品で、現代的な婚約の証として取り入れられています。

目次に戻る

女性側が用意する結納返しとは?

結納返しは、結納品へのお返しとして女性側が用意する品物や金品のこと。関東式と関西式では、その内容や金額の相場に大きな違いがあります。

関東式の結納返しは半返し

関東式の場合は、男性側と同様の品物を用意して贈り合う形を取ります。結納金に対しては「半返し」と呼ばれる習慣があり、受け取った金額の半分程度をその日に返すのが一般的です。

たとえば結納金が100万円の場合、50万円程度を結納返しとして贈ります。また、結納品に対しても同等の品物を用意します。

関西式の結納返しは1割程度

一方、関西式では、まずその場で「受書(うけがき)」という結納品の受領証を渡します。金品の結納返しについては、結納金の1割程度と関東式に比べて控えめです。

たとえば結納金が100万円なら10万円程度を返します。また返す時期も、当日か、あるいは日を改めておこなうことが一般的です。

目次に戻る

結納品の飾り方

洋室の飾り方

結納品の飾り方は、関東式と関西式で大きく異なります。関東式では、すべての結納品を白木の台に並べて横一列に飾る「総おき」に、関西式は結納品一つ一つに専用の飾り台を用意する「一台飾り」と呼ばれる豪華な飾り方が特徴です。

和室での飾り方

和室では床の間の前の畳の上に毛せん(ひな人形などを飾る際に敷く赤の敷き物)を敷いて、その上に結納品を並べるのが正式な飾り方です。床柱(床の間の境目にある化粧柱)に近いほうから格式が高い順に並べます。和室に十分な広さがない場合は、床の間の上でもOKです。

洋室での飾り方

洋室の場合はテーブルや専用の飾り台を用意してその上に毛せんを敷いてから配置します。できるだけ上座(入り口から遠いほう)に飾り付けをしましょう。 品物は上座側から格式が高い順に並べます。

目次に戻る

結納品が購入できる場所

結納品は以下のお店で手に入ります。

  • 結納品専門店
  • 大型デパートや百貨店
  • オンラインショップ

専門店や百貨店は地域の習慣に詳しいスタッフがいるため、地域ごとの違いをふまえた上で自分たちにあった品を提案してもらえます。いまは専門店のオンラインショップもあり、関東式セット、略式セットのように、必要な品物がセット販売されています。何を買えばいいのか迷ったら、まずは専門店のオンラインショップをチェックしてみるのもいいですね。

「結納プラン」が用意されている料亭やレストランでは結納品一式をレンタルできるところもあります。 結納品の飾り方や結納の進行もサポートしてくれるので、「結納プラン」がある会場を選ぶのも手です。

目次に戻る

目録の書き方と記入例

目録

目録は奉書紙(ほうしょがみ)という和紙に毛筆を使って、縦書きで右から左に書きます。まずは「目録」と大きく書き、 その次に贈る品物を順番に書いていき、最後に「右の品をどうぞお納めください」という意味を表す「右之通幾久敷芽出度御寿納被下度候也(みぎのとおり いくひさしく めでたく ごじゅのうくだされたく そうろうなり)」と書きます。

日付は和暦で書くのが一般的で、その隣に贈る側(新郎)の氏名、一番左端に受け取る側(新婦)の氏名を書いて完成です。

目次に戻る

受書の書き方と記入例

受書 受書の書き方も基本的な構成は目録と同じです。「受書」という文字を右端に書き、受け取った品物を順番に記載していきます。

品物の最後に「右の品を確かに受け取りました」という意味の「右幾久敷御目出度御受納仕り候也(みぎいくひさしく おめでたくごじゅのうつかまつり そうろうなり)」と記入して、日付、受け取る側(新婦)の氏名、贈る側(新郎)の氏名を書いて完成です。

受書を書くために結納品を事前に聞く必要がありますが、わからなければ「御結納品 一式」でもOKです。

目次に戻る

結納品の処分方法とタイミング

受け取った結納品や結納返しの品は、結婚式当日まで飾ります。結婚式に出席できない親族などから早めに御祝儀をいただいた場合は、その祝儀袋も結納品と一緒に並べて飾りましょう。

ただし場所をとることもあり、結納後2、3日飾った後いったん片付けて、結婚式の1週間前くらいに再び飾る家庭が多いようです。処分のタイミングは結婚式を過ぎた後であれば問題ありません。

結納品目別の処分方法とリメイクアイデア

役目を終えた結納品の処分は、消費する、記念としてとっておく、リメイクして再利用するという方法があります。

水引飾り・熨斗

熨斗そのものは使いませんが、水引き飾りはほかの水引き飾りと組み合わせてアートやアクセサリーを作るのに使えます。手作りが苦手という方は、アートボードや羽子板飾りにリメイクしてくれるショップに依頼するのもおすすめ。羽子板は女の子が生まれたときの初正月のお祝いに、とても縁起が良いといわれています。

▼水引の活用アイデアをチェック!

目録

結納品の明細書となります。場所をそれほどとらないものですし、保管しておくと記念になってよいでしょう。

末廣(すえひろ)

中身の白扇子は、慶事の挨拶用に使えます。

志良賀(しらが)、友白髪(ともしらが)

麻(あさ)が束ねられているもので、お札を家の柱に縛るのに使い、保存しておくと家の新築や増改築のときに使えるようです。

するめ・こんぶ・かつおぶし

早めに取り出して使い、食用にします。水引き飾りだけを結婚式終了まで飾っておきます。

高砂人形、福槌

夫婦和合と長寿の象徴として、そのままの状態で永く飾れる縁起物です。

小槌(こづち)

関西式で用いられる縁起物の飾りです。新婦が「お金や通帳などをしまう場所」に一緒に入れておくと福が貯まるといわれています。

結婚式まで飾らずに早めに使って構わないとされています。結納の食事の席でいただいてもよいでしょう。

その他

結納品を飾る際に敷く「毛せん」は、子供が生まれたあと、節句飾りの敷物などに使えるので保管しておくのがおすすめ。

関西式の結納品のやりとりの際に必要となる「広蓋盆(ひろぶたぼん)」は、結納の都度購入するのではなく、その家の慶事道具として代々受け継いでいくものなのでこちらも大切に保管しておきます。

結納品や指輪飾り ・ 記念品飾りの箱、金包用の祝儀袋、水引き飾りは不要と判断した場合でもゴミ箱に捨てず、神社に納めて処分してもらうのが一般的。処分に困ったら、最寄りの神社に相談してみてください。

目次に戻る

ふたりの幸せを願う結納品を正しく準備しよう

夫婦の末永い幸せや子孫繁栄への願いが込められた結納品。いまは品目を減らしたり、ネットで結納品セットを購入できたりと、両家の負担を減らしながら結納をおこなうための選択肢も増えていることがわかりましたね。両家の意向を尊重しながら、ふたりらしい結納の形を見つけてください。

▼「結納金の相場」の相場はいくら?渡し方とお返しのマナー、先輩花嫁に聞いた使い道も紹介します。

▼結納金なしってアリ!?結納金なしを選んだカップルの割合やその理由をチェック!

▼結納に必要な「家族書」「親族書」って何?役割や書き方、準備の方法を解説します。

※ 2024年12月 時点の情報を元に構成しています

みんなのウェディングアドバイザー