結婚が決まったふたりの次のステップとなる両家顔合わせの食事会。今後よいお付き合いをしていくための両家のはじまりの場なので、しっかり準備をしてスムーズに進めたいですよね!
この記事では、顔合わせ当日の流れ、当日の席順や服装のマナー、手土産の選び方や支払いについて、気になる両家顔合わせの内容をイラストを交えてわかりやすく解説していきます。
「両家顔合わせ」とは?
両家顔合わせとは、結婚が決まった両家の家族が正式に顔を合わせる会のことで、食事会の形式で行われることが一般的です。ホテルのレストランや料亭などの少しかしこまった場所で、両家の親と結婚するふたりで行うことが多いです。
決められた形式にのっとって行う結納と違い、両家顔合わせ食事会には決まりはありません。食事をしながら親睦を深めることが目的なので、会の内容や流れは自分たちで好きなように決めることができます。
▼結納とは何が違うの?
両家顔合わせ食事会の当日の流れ
とはいえ、好きなようにと言われても戸惑ってしまいますよね。そこで、まずは顔合わせ食事会の一般的な流れを紹介します。

1 待ち合わせ
2 入室する
3 はじまりの挨拶
4 両家の家族紹介
5 婚約記念品のお披露目または交換
6 両家の家族全員で記念撮影
7 乾杯の挨拶
8 食事・歓談
9 結びの挨拶・解散
挨拶からはじまり、家族紹介などを経て食事になります。待ち合わせから解散までは2時間~2時間半程度。そのうち食事の時間は1時間から1時間半ほどになります。
1.待ち合わせはお店の外で
お店に着いたら直接入室せずに、お店の外で待ち合わせをします。ホテルのレストランであればわかりやすいロビーなどがおすすめ。開始時間の5分くらい前に到着できるとベストです。
親と別々に向かう場合は、初対面の親同士が先に着いて気まずくならないように駐車場や駅で待ち合わせて、家族がそろった上で待ち合わせ場所に向かいましょう。
2.席順を考慮して入室する
両家がそろったら軽く挨拶を交わし、食事の席に移動します。席順について厳密は決まりはありませんが、"結婚するふたりが双方の親を招く"という形で行うことを考えると、一番入り口から遠い上座から父親・母親・新郎または新婦の順がベスト。
着席する前に手土産を交換するのを忘れずに!手土産については後ほど解説します。
【座り方】ふたり+両親の場合
一般的なのは左の図ですが、親同士が当日初めて顔を合わせる場合、会話を盛り上げるためにふたりが間に入るのもいいですね!
【座り方】兄弟や祖父母が参加する場合
兄弟姉妹や祖父母が参加する場合は、父母と本人との間に座ります。
【座り方】円テーブルの場合
円卓の場合でも基本的な考え方は同じです。景色のいい個室では上座が異なる場合もあります。不安であればお店の人に確認してから座るようにすると安心です。
3.はじまりの挨拶をする
席に着いたら食事会のはじまりの挨拶をします。挨拶をする人にも決まりはありませんが、新郎または新郎の父親がする場合が多いようです。あらかじめ心づもりを。 集まってくれたことへのお礼と、食事会の趣旨を簡潔に述べます。
はじまりの挨拶文例
本日はお忙しいなかお集まりいただき、誠にありがとうございます。 〇〇(新郎)と、△△さん(新婦)の結婚を祝福するとともに、こうしたご縁に恵まれたことに心から感謝いたします。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
▼挨拶のヒントに!顔合わせの挨拶例文集
4.両家の家族紹介で場を和ませる
次に両家の家族を紹介します。新郎新婦が代表してそれぞれの家族を紹介するか、ひとりずつ自己紹介する方法があります。
新郎新婦との関係性と名前に加え、趣味や好きな物などを盛り込むことで場の雰囲気も和んで食事会での会話もはずみそう!
家族紹介の例文
まずは私から〇〇家を紹介します。
父の〇〇です。△△を趣味にしております。
母の〇〇です。<中略>参加できておりませんがきょうだいの〇〇と〇〇もおります。
よろしくお願いします。
5.婚約記念品のお披露目または交換などを行う
婚約記念品がある場合は記念品のお披露目、または交換を行います。
ただ見せるだけではなく、両親の目の前で贈り合ったり、婚約指輪の場合は指につけて見せるとセレモニー感がアップして盛り上がります!
▼婚約指輪や婚約記念品選びはこちらを参考に!
▼婚姻届の証人欄を顔合わせで記入してもらうカップルも!
6.両家の家族全員で記念撮影!
記念の写真撮影はぜひ忘れずに!写真を撮るタイミングはいつでも構いませんが、酔っ払って真っ赤な顔で写るのを避けるためには、アルコールが入る前に撮っておくのがベスト。
撮影するのに十分な広さがない個室であれば食事が終わった後にロビーやお店の前で撮ってもいいですね。並び順は新郎新婦を中心に両サイドにそれぞれの家族が並ぶのが一般的です。
7.乾杯の挨拶をする
料理がそろったら乾杯の挨拶を行います。乾杯の音頭は新郎か新婦の父が行うか、新郎新婦でそろって挨拶をしてもOK。
乾杯の挨拶文例
それでは、おいしいお食事をお楽しみください。乾杯!
8.両家で食事・歓談を楽しむ
両家で会話をしながら食事を楽しみましょう。会話が途切れないか心配な場合は、ふたりが小さい頃のエピソードや家族の趣味など和やかな雰囲気になるような話題をいくつか用意しておくと安心です。
9.顔合わせの結びの挨拶・解散
食事が済んで十分な時間を過ごせたら結びの挨拶を行います。男性側の父親が閉会の挨拶をした後にふたりからの挨拶をするか、ふたりからの挨拶だけで締めてもOK。「これからもよろしく」と改めて挨拶の言葉を述べましょう。
結びの挨拶の文例
宴もたけなわではございますが、そろそろお開きにさせていただきたいと思います。
本日は皆さまのおかげで、滞りなく顔合わせを行うことができました。誠にありがとうございます。 今後とも末永くよろしくお願いいたします。
両家顔合わせ食事会の服装のマナー
続いて、悩みがちな顔合わせ食事会の服装について。
場所の雰囲気に合わせて、フォーマルなら全員がフォーマル、カジュアルなら全員がカジュアルと、両家で格をそろえるのがマナーです。両家でちぐはぐにならないよう事前に打ち合わせておきましょう。
服装のそろえ方のパターンを4つ、紹介していきますね。
フォーマルな洋装でそろえる
老舗料亭や高級ホテル内のレストランの場合のフォーマルスタイルは、男性はダークスーツ、女性はフォーマルなワンピースが基本。おめでたい場なので暗い色は避け、明るい色を選ぶといいでしょう。
きちんと感のあるセミフォーマルでそろえる
ホテル内のレストランや料亭なら、男性は落ち着いた色のスーツ、女性は上品なワンピースのセミフォーマルスタイルに。こちらも地味になりすぎないように、明るい色味のネクタイやアクセサリーを取り入れると◎
カジュアルなお出かけスタイルでそろえる
カジュアルなレストランなら、男性はジャケパンスタイル、女性はお出かけ用のワンピースなど、カジュアルなお出かけスタイルもアリ。着慣れた服装でリラックスしやすく、長距離の移動を伴う場合でも負担が少なくて済みます。
新婦と母親は和装・男性と兄弟姉妹はフォーマルな洋装でそろえる
フォーマルスタイルの場合は和装を選ぶとおめでたい席にふさわしい華やかさを演出できます。新婦は振袖や色留袖、男性も和装にする場合は女性と格を揃える必要があるため、この場合は紋付き袴になります。
兄弟姉妹の服装はダークスーツや、フォーマルなワンピースが一般的。学生なら学生服でもOKです。
冬の両家顔合わせの服装
冬の顔合わせでも基本的なコーディネートは変わりません。上記にチェスターコートやノーカラーコートなど、無地のシンプルなコートを合わせましょう。
カジュアルであればタイツもOKですが、フォーマル・セミフォーマルは冬でも肌色のストッキングを着用するのがマナーです。寒さが気になるのであればインナーやひざ掛けで対応しましょう。
両家顔合わせの服装の注意点
女性のスカートはひざが隠れるほどの丈感で、基本は肌色のストッキングにつま先が隠れるパンプスを着用します。フォーマルスタイルなら清楚に品よく、カジュアルでも露出を控えた清潔感のある服装を心がけましょう。
また、お葬式を連想するオールブラックコーデにならないように注意してくださいね。
両家顔合わせ食事会の準備の流れ
当日の流れや服装がわかったところで次は準備についてです。お互いの両親への結婚の挨拶を終えたら、ふたりが中心になって顔合わせ食事会の準備を進めます。両家の意見も聞きながら次のことを決めていきます。
1.日時を決める
お互いの両親と相談して顔合わせ食事会の日時を決めましょう。いつまでにというのはありませんが、結婚の意思がかたまったらなるべく早めに。結婚式をするのであれば5か月から8か月前が目安です。
時間帯はランチでもディナーでもOK。移動時間や前後の予定を考慮して負担が少なくなるように調整しましょう。六曜などお日柄にこだわるのであれば大安や友引がおすすめです。
▼両家顔合わせに縁起のいい日を選ぶならこちら!
2.場所を決める
場所は食事ができるレストランや料亭の個室を予約しましょう。食事会のイメージに合わせて雰囲気や料理の値段を見て選ぶといいですね。
食事は基本的にコースメニューで、ひとりあたり1万円~1万5千円が相場。参加するメンバーの好みや食べやすさにも配慮したいですね。
お互いの地元が離れている場合は男性側が女性側に出向くのが一般的ですが、最近ではそれぞれの負担を平等にするために、両家の中間ぐらいに会場を設定する人も多いようです。
大安や一粒万倍日など、お日柄のいい休日は予約が埋まりやすいので、確実に個室を確保するためにも当日の1か月前を目安に予約を済ませておくのがベスト。
▼顔合わせに人気の会場は?
3.当日の流れを決める
最初に紹介した両家顔合わせの一般的な流れをもとに、当日の流れを決めます。婚約記念品のお披露目の他に、婚姻届けの証人欄への記入をしてもらうなど、お互いの家族の仲が深まるようなアイデアを盛り込めるといいですね。
また、顔合わせの流れが決まったら両家に共有するのを忘れずに!挨拶や司会をお願いする場合は、必ず余裕を持って依頼しましょう。
4.しおり・自己紹介シートなど作成するものを決めて準備する
最近は、顔合わせ食事会への招待状、当日の流れを記したしおり、写真撮影用のガーランドなど、両家顔合わせを盛り上げるためのペーパーアイテムを手作りするカップルも増えています。
特に顔合わせのしおりには会の流れや親族の自己紹介を載せておけば進行もとってもスムーズに。食事会の話題としても活躍します。
▼「両家顔合わせしおり」の作り方はこちらを参考に!
手土産を決める
顔合わせの時に渡す手土産は必須ではありませんが、片方だけが用意したということがないように、手土産の有無と大まかな予算を両家ですり合わせておきましょう。
手土産の選び方
手土産の金額の相場は3,000円~5,000円程度。相手が受け取りやすい消え物が人気で、地元の銘菓やお酒などが選ばれています。持ち帰りが大変なものや賞味期限が短いものは避けましょう。
▼手土産のマナーと選び方について詳しくはこちら!
顔合わせ食事会の費用は誰が払う?
以前は新郎の親が払うのが一般的でしたが、新郎新婦が親を招待するという形で費用を負担するケースが多くなっています。その他両家で折半する、移動の負担などとバランスをとってどちらかの両親が払う場合も。
費用についても事前に両家で認識をすり合わせておくと安心です。
顔合わせで「非常識!」と思われない会話のマナー
たとえ会話が盛り上がってくだけた雰囲気になったとしても、相手の家族に失礼のないように会話のマナーには注意しましょう!
普段は名前やあだ名で呼び合っていてもお互いの両親の前では「〇〇さん」と呼び、相手の両親については「〇〇さんのお父さん・お母さん」と呼ぶように心がけて。また、相手を否定するようなネガティブな会話はもちろん、親族の自慢話や相手にわからない身内話で盛り上がるのはNGです。
もしも会話が途切れてしまったら、ふたりが率先して話題を投げられるといいですね。地元の話題や食べている料理について、相手の家族に質問をする、趣味の話題を広げるなど、何気ない会話からまた話が弾むかもしれません。
「これはNG!」顔合わせで注意したい会話
- 彼(彼女)を呼び捨てやあだ名で呼ぶ
- 相手の親を「お父さん」「お母さん」と呼ぶ
- 自慢に聞こえるような話
- 身内しかわからない内輪話
- 「男は仕事、女は家事」など性別役割分担意識を前提とした話
- 宗教や政治の話
***
結婚に向けて最初の大きなイベントである両家の顔合わせ食事会。いい雰囲気で両家の親睦を深められるように、ふたりが中心になって準備を進めましょう。
服装や費用分担など地域によって考え方が異なることもあるので、わからないことは都度両親とも相談しながら進めると安心です。
イラスト/モトスギユミコ
式場選びや結婚準備に関する相談は「みんなのウェディング相談デスク」
みんなのウェディング相談デスクでは、結婚式場選びやドレス選び、費用明細の見方など、結婚式準備に関するあらゆる困りごとをLINEでサクッと相談できます!
- 結婚式場選び
- ドレス選び、婚約・結婚指輪選び
- 前撮り・フォトウェディングについて
もちろん相談無料!会員登録も必要ありませんので、お気軽にご相談ください。
※ 2023年1月 時点の情報を元に構成しています
「顔合わせ」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています