結婚式。この言葉を聞いて頭の中にはどんなイメージが湧きますか?
今回取材させていただいたMさんご夫妻の結婚式。
それはいわゆる結婚式のイメージを超越するコンテンツが盛りだくさんでした。
結婚式の内容、準備方法、演出に悩んでいる方からナシ婚の方まで必見の結婚式をお届けします!
もはやこれはエンターテイメント…!?
おふたりはテクノロジー夫婦
今回取材させていただいた新郎のMKさん、新婦のMMさんご夫婦。
おふたりとの出会いは、1通のメールでした。
「日本初ドローン8台、ブロックチェーンなどを活用した tech披露宴を2019年10月5日開催します」
内容が気になりすぎて、これはもう取材するしかない!となったみんなのウェディング編集部。
2019年10月5日に行ったおふたりの結婚式を取材しました♡

おふたりの出会いをお聞かせください。

以前、夫が住んでいたシェアハウスの下にあった、学生カフェに通っていてそこで出会いました。

出会ってすぐ恋愛に発展したんですか?

その頃まだ妻が18歳(当時新郎さんは大学院生)だったので、恋愛というふうには考えていませんでした。
なので、出会ってから付き合い始めるまでは2年ほどの時間が過ぎています。

お付き合いから結婚まではどのように進まれたんですか?

それまではほかの人も多くいるイベントなどで会っていたのですが、ふたりで話す機会があった時にきちんと話をしたことで、考え方や一緒にいる時間が心地良く感じ見方が変わりました。

プロポーズはどのようにしたんですか?

付き合って半年でプロポーズをしました。
自分の誕生日にサプライズ旅行を計画してくれていたので、一番綺麗な景色のところでプロポーズをしようと決めていました。

でも、サプライズ旅行だったのでどこに行くか知らず、一日中プロポーズ用の花束をリュックに入れて持ち歩いていました。
竹富島に行った時まさにここだ!と思ったのですが、その時だけホテルに置いてきてしまい、言葉だけでのプロポーズになりました。

翌日海辺であらためて2回目のプロポーズをしていただきました笑
そんな素敵なプロポーズストーリーを教えてくれたおふたり♡
おふたりともエンジニアとプログラマーというテクノロジーに強いご夫婦なんです。
新郎さんは都内の大学院の情報系分野を修了後2015年4月に大手IT企業に新卒入社しFE/BEエンジニアを経て、退社後は会社を創業。
新婦さんも大学卒業後、大手企業にて IT技術の講師を担当したのち、子ども向けプログラミング事業に参画しているんです。
新卒1年目の6月(22才)に新郎さんと結婚されました。
そんなご夫婦が、技術とアイデアを総結集させてつくりあげた結婚式をみていきましょう♡
式場選びの始まりはドローン!
結婚式では、おふたりが人生で身につけたテクノロジーを使って、これまで支えてくれた多くの方々に感謝の気持ちを表現したいと思ったそう。
そこで考えたのが、ドローンを結婚式で使うこと。
式場探しはドローンが使えるところという軸で探し始めたそうです。
ドローンが使える結婚式場。
おのずと天井が高くないと難しく、ホテルなど破損の恐れがある会場は選択肢から外れたそうです。
そんなおふたりが出会ったのが、旧印刷工場を改装したPARADISE GARAGE。
ドローンを8台使ってもOKということでこちらに絞られました。
なまもの以外の食べ物から、装飾、アイテムまですべて持ち込みOKという自由度の高さも決め手になったそう♡
式場探しから準備期間
もともと、「結婚式はもっと先でも良いかもね」と話していたそうですが、新郎さんの退職のタイミングもあり、結婚式を挙げることに。
そして何より、式場に決定したPARADISE GARAGEが2020年には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に使用されるため使えなくなることが決定打となりました。
結婚式場決定から、本番までの期間は5ヶ月!
限られた期間のなかでおふたりが行った準備の進め方と制作物は、必見です。
おふたりは結婚式を行うにあたり、プランナーさんに演出や内容を相談せずおふたりでつくりあげることに。
まず、結婚式でやりたいことのアイデアをお互いに出し合ったそう。
そのうちに、過去、現在、未来を結婚式で表現しようと思い至りました。
そこで浮かんだ結婚式テーマが博物館!

なぜ、博物館というテーマに…?

博物館って時間がバラバラで1個ずつにテーマがあります。
今どうしているか、将来どうなりたいか、未来の結婚式ってどうなっているのか?などを表現したいというのがあり、博物館がテーマに合っているなと思いました。
やりたいことを決めてから思いついたテーマですが、博物館に決まったことで思いついたコンテンツもたくさんありました。
結婚式のつくり方としては、アイデアの発散(コンテンツの案出し)→凝縮(テーマづくり)→アイデアの発散(凝縮したことを元に新たなコンテンツの案出し)というふうにつくりあげていったそうです。

テーマが決まってから、動画、ものすごい会場装飾、加工画像etc…DIYの域を超えるレベルで制作物を完成させましたね。
準備の進行管理はどのようにしていたのですか?

基本的に一般的な結婚式のスケジュールを入手しておいて、彼が大体の予算感、スケジュールを作成、スプレッドシートで共有してくれました。
一方で私が業者や素材を探したりと、実現のための情報収集をしていました。
妻の感性爆発!もはやこれはDIYではない
アイデア出しとテーマが決まり、準備が着々と進みつつあったおふたり。
そんな時起こったのが、新婦さんの感性大爆発でした。
もともとドローンをはじめ、プロジェクションマッピングを行おう!とクリエイティブなアイデアを出し合っていましたが、新婦さんは実際に準備が進むにつれて制作熱がエスカレート。
DIYは、5つの動画、席札、会場装飾、取り入れるお料理のアイデアからドリンク、さらには再帰性反射材を用いた光る挿花etc…という、もはやDIYを超える域にまで。
しまいには、高さ3メートル超横7メートル超の恐竜までつくりかけていたんだとか…!
恐竜は新郎さんが止め本番ではレンタルされたそうですが、結婚式準備をとおして新婦さんの創造力が爆発していたことを目の当たりにし、あらためて良さを実感したそうです♡
結婚式当日~挙式編~
そんなおふたりの前代未聞の結婚式はいよいよ当日を迎えます。
親族だけで行った挙式から、独特な世界をつくりあげていました。
結婚指輪の交換と、新郎さんのお母さまがしたためた結婚証明書の朗読、そして花嫁花婿から両親への手紙を読みました。
披露宴ではこれまでお世話になった方々への感謝の時間としたかったので、親族のみが集う挙式であえて、おふたりからそれぞれのご両親へ手紙を読まれたそう。
結婚式当日~披露宴編~
そして、いよいよ和風のムービーで披露宴のスタートです。
ゲストはご友人を中心に総勢160名で行われました!
シャッターが開くと人力車に乗ったおふたりが入場です。
新郎さんの大学ご友人でもある株式会社ふんどし部に囲まれて高砂に向かいます。
おふたりがこだわった装飾はまさに博物館!
フラッシュを使って撮った写真の中でだけ色が変わるお花に、アンモナイトの高砂。巨大な恐竜がゲストをお迎えします。
初めて新婦さん家族と新郎さんで行った思い出の地、香港のお茶の紹介もしました♡
こちらは職人さんが長い時間をかけてじっくりとつくるお茶なのだそう。
そして中座までの間に、一番準備のなかでも時間をかけた動画コンテンツをお披露目しました。
動画の構成や原稿はすべておふたりでつくりあげ、Twitterで出会った映像クリエイター清水良広さんに制作をお願いしました。
自分たちが考え抜いたことが、清水さんの作品で表現してもらえるよう、綿密な打ち合わせとコミュニケーションをはかったそう。
いずれの動画も結婚式ムービーの域を超え、映画のような世界観に仕上がりました。
中座の後はまさお待ちかねの演出が…!
ブロックチェーンを使った婚姻届と、ドローン8台の浮遊です。
婚姻の証明として、ブロックチェーンを使ったのは日本でおふたりが初の試みです。
ブロックチェーンとは、とても強いデータベースのようなもの。
誰かが管理するのではなく、個々のパソコンがつながり合って、データを持ち合っているようなイメージです。
ブロックチェーンを選んだ理由は、インターネットが存在し続ける限り永遠にこの世に残るものだからだそう。
役所の紙よりも強いブロックチェーンが、結婚や誓いに最適だと思い採用したおふたり。
本番では、失敗しないようあらかじめプログラミングしておき、その様子を録画したシーンとともにゲスト全員の前で結婚を誓いました♡
ご両親への記念品贈呈の後、エンドロール動画を流して披露宴は幕を閉じました。
結婚式当日~二次会編~
そして、披露宴後同じ会場で行ったのがゲスト主催の二次会です。
その名もオールスター感謝祭と名付けられ、ドローンを飛ばしたり、新郎さんのご友人がつくったスマホサービスを活用したクイズなど結婚式に負けず劣らずの盛りだくさんな二次会となりました♡
結婚式の感想
今回、日本初・前代未聞の結婚式をつくりあげたおふたり。
感想を聞いてみました。

そもそも結婚しようと思ったのは、彼自身が人を大事にし、有言実行する人だったからです。
そういった人柄が好きで一緒になる人生を選びました。
結婚式を一緒につくりあげていくうちに、彼がプロジェクトマネジメントのスキルに長けていることに気づきました。
また、ふたりでやり遂げたことで達成感がありました。

結婚式をとおして本当に妻がすごいなと思いました。
以前LINEスタンプをつくろう!となった時もものすごい勢いで衣装や小道具をどこからか調達して、素材となる写真を次々と送ってきたことがあったんですけれど…。
結婚式ではさらにクリエイティブの才能が爆発していました。
そして、当日の写真をゲストの方もたくさん撮ってくれていて、共有していただいた写真を見るたびに幸せな気持ちになります。
ふたりで振り返って幸せな思い出ができたことも、結婚式をして良かったことです。
おふたりでつくりあげたテクノロジー結婚式。
テーマの『博物館』にふさわしく、時も場所も飛び越えるような結婚式でした。
結婚式は結婚の挨拶や、これまでかかわった方々へ感謝の場であるのと同時に、新郎新婦で共有できる一生の宝物をつくりあげることなのかもしれません。
結婚式を挙げるということ。
それはお金をたくさんかけたり、着飾った瞬間を披露するのではなくお互いが向き合うことに大きな意味があるのでは…。
結婚式の本来の意味をすごくおもしろい形で見せてくれたおふたりでした。
※ 2019年11月 時点の情報を元に構成しています
「結婚式レポ」 の スペシャル に含まれています