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【弁護士に聞いた!】台風などの自然災害で結婚式は延期…キャンセル料はどうなるの?

2020.06.30

甚大な被害をもたらした台風19号の被害に遭われた方々へ、謹んでお見舞い申し上げます。
一刻も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

この台風により、結婚式延期を余儀なくされた花嫁さんたちの悲痛な思いがみんなのウェディング「花コミュ」にも多数寄せられ、編集部一同本当に胸を痛めておりました。

►花嫁さんの台風による結婚式延期のお悩みを読む

その「延期」によりキャンセル料を支払うことになった方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、中止にしたわけではなくあくまでも延期であること、また今回は自然災害で防ぎようがない出来事であり「それでこのキャンセル料は辛い…」という声も相次ぎました。

今回は自然災害によるキャンセル料について、みんなのウェディング編集部が弁護士の方に直接お話を聞いてきました!
今後もこういうケースは起こり得ること。
ぜひ、結婚式を控える全ての花嫁さんに読んでいただきたいです!

台風によるそのキャンセル料は払わなくてよい場合があります!

今回は、熊谷法律事務所の熊谷弁護士にお話を伺いました。

編集部 goma

今回の台風の影響により、結婚式延期を余儀なくされた花嫁さんたちからの悲痛な声がたくさん寄せられました。
また、その中で「キャンセル料」をどうするかどうかで会場によって対応が分かれたのも注目されました。
防ぎようのない自然災害であっても、日程変更ともなればやはりキャンセル料は発生してしまうのでしょうか…?

熊谷弁護士

単刀直入に言って、キャンセル料は払わなくてよい場合があります

編集部 goma

…!?それ本当ですか!?

熊谷弁護士

はい。しかしそれにはいくつか注意しておきたいチェックポイントがあります
それをこれから説明していきましょう。

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【ポイント1】ひどい震災や台風が来た際に、式場側が債務を履行できるかどうか

熊谷弁護士

そもそも、ひどい震災や台風が来た際に、式場側が債務を履行できるのか(サービス提供に必要な従業員を集めたり、食事を提供できたか)と言う問題があります。
この点、従業員を併設するホテルに泊まらせ、食材等も事前に確保して結婚式や披露宴ができる状態にしていたということであれば、新郎新婦側都合のキャンセルと言うことになります。
しかし、式場側もサービス提供ができない状態にあったのであれば、これは新郎新婦側のキャンセル扱いではなく、式場側も代金を受領する権利はありません

編集部 goma

なるほど。
確かにプランナーさんやサービススタッフさんがいなければ、そもそも結婚式を行うことは不可能ですものね。
今回で言うと主要公共交通機関の多くが止まり、移動が困難な状態となりました。
そうなると、先生がおっしゃる状態であった会場もありそうですよね。

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【ポイント2】キャンセル料が式場の損害よりも高すぎないか

熊谷弁護士

また、たとえ式や披露宴の開催が可能だった場合でも、規定通りのキャンセル料を支払わなくてよい場合があります

編集部 goma

それはどんな場合ですか?

熊谷弁護士

多くの契約書では、前日以降は100%、1週間前以降なら80%など、キャンセル料金が時期によって決められています
しかし、個人が式場と契約をするとき、両者の間には持っている情報の質・量や交渉力に格差があります。
このような格差のある中で消費者の利益を守るため、「平均的な損害の額を超えるもの」は消費者に酷であり不当なので、無効と法律で決められています(消費者契約法第9条1号)。
例えば、「挙式前日から14日前までのキャンセルの場合、見積り額全額をキャンセル料とする」という規定は、消費者にとって不当であるため、全額の請求はしないとした例が過去にあります(2016年9月16日和解。 消費者庁公表)。

編集部 goma

これはびっくりしました!
ちなみに「平均的な損害の額を超えるもの」とありますが、明確にいくらってあるのでしょうか

熊谷弁護士

これは明確には決まっているわけではないのですが、結婚式キャンセルの事案で損害金が争われた事例において判例は、
損害金=「解約に伴う逸失利益(得べかりし利益)」-「再販売により得られる額」―「解約により支出を免れる経費」としています。

編集部 goma

なるほど。
一般的には直前のキャンセル料は100%となっていますが、その金額を払わなくてもいい場合もあるのですね!

熊谷弁護士

これを更に具体的にした事例で、大学のラグビーサークルが旅館の宿泊等を宿泊前日にキャンセルし、その際に支払ったキャンセル料の返還を求めた事案があります(東京地裁判決平成23年11月17日)。
この判例では、旅館の損害として認められるものと認められないものを分け、100%のキャンセル料を認めませんでした
具体的には、宿泊料金(逸失利益)は、キャンセルがなければ得られるはずだったが、他の宿泊客により埋められる可能性は(前日キャンセルであり)極めて乏しいので、損害を回避できないとして損害を認めました。
他方、まだ調達していなかった食材費や、クリーニング費、アメニティ代は、支出を免れたとして、損害として認められた宿泊料金から控除しています。
また、このケースでは、直前にキャンセルされたからと言って少人数の従業員で回しているような旅館の場合、従業員を休ませ給料を支払わないことが簡単にできず、現実も従業員に対し給料を減額していないという理由から、人件費は損害から控除されませんでした。
この判例からすれば結婚式・披露宴の場合も、まだ調達していない食材費や会場のクリーニング費といったものは支払う必要がありません
また、人件費などもバイトで回している場合などは損害から差し引くことができるかもしれません

編集部 goma

なるほど過去にそういった事案もあったのですね。
これはぜひ一度確認したいですね。
詳しく教えていただき本当にありがとうございます!

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自然災害によりキャンセル料が発生した場合のポイントまとめ

  • ①キャンセル料は通常発生すべき損害が限度と交渉しよう
  • ②高すぎるキャンセル料は、消費者契約法第9条1項で無効と交渉しよう
  • ③受け入れてくれない場合は、消費者センター、弁護士に相談しよう

以上、自然災害によるキャンセル料について弁護士の方にお話をお伺いしました。
ぜひ参考にしてみてください。

※ 2019年10月 時点の情報を元に構成しています