準備が進んでいくと、衣装、演出、装飾になんだか統一感を感じない…。
自分たちらしさってどうやって出せばいいの!?と悩ましい状態になっていませんか?
そんなおふたりには《コンセプト》を作ることをおすすめします。
今回は、オフィシャルブライズのご夫婦に、結婚式のコンセプトメイクを体験していただきました♪
コンセプトを作ることが、いかに大切かが見えてくるはず…!
なぜ結婚式で統一感を出すのは難しいの?
結婚式にゲストとして参加していると、「ゴチャゴチャ」っとした印象を受けたことはありませんか?
素敵な会場なのに、綺麗なドレスなのに、おいしいお料理なのに、楽しい演出の数々なのに…。
それは、おそらく統一感に欠けているからです。
一つひとつは良くても、寄せ集まると統一感がないため、どこか落ちつかない気がしてしまうのです。
ゲストにそんな思いを与えず、「素敵な結婚式だった!」と思ってもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?
それは、《コンセプト》を作ることです!
結婚式にコンセプトをつくると何が良いの?
自分たちらしさを出そうとしたり、統一感をもたせるために結婚式のテーマを設ける方がいます。
しかし、テーマだけで統一感は生まれにくいもの。
たとえば、ファッションコーディーネート。
アクセサリー、アウター、トップス、ボトムス、靴…1つひとつのアイテムがどれだけ素敵でも、フォーマルなアクセサリーに、革ジャン、たっぷりレースのスカートに、サンダル…という組み合わせではそれぞれの良さが生きないどころか、「摩訶不思議コーデ」になってしまいます。
コーディネートに「横浜クラシカルデート」、「下北沢でサブカルショッピング」「皇居でラン女子会」などのコンセプトがあれば、きっとそれに沿った素敵な仕上がりになるでしょうし、ファッションのコンセプトも伝わりやすく、選ぶのも楽になるはずです。
結婚式も同様に、さまざまなアイテムをセレクトしなくてはならないからこそ、コンセプトがないと統一感がなく、ふたりの思いも伝わりづらくなってしまうのです。
コンセプトメイクを体験♪
入念なヒアリング
今回、コンセプトメイクを体験してくれたのは、yuiさんご夫妻です♡
すでに式場が決まり、今準備真っ最中のプレ花さん。
そして、元ウェディングプランナーを経て現在は、これから結婚式を挙げるカップルにコンセプト提供をしているウェディングコンセプトラボ の佐藤さんです♪
ウェディンコンセプトラボでは事前にアンケートフォームをメールで送り、新郎新婦ともに回答してもらうのだそう。
今回は体験版ということで通常よりライトな内容で作ってもらいますが、事前アンケートにお答えいただいてから、ヒアリングしてもらいました!
まずは、式場との進捗状況を伺ってから、現在抱えている悩みをヒアリングします。
結婚式準備の現状を聞く!

「すでに決まっているコンセプトはありますか?」

「式場開催のテーマを決める会に参加したり、コンセプトを決めたほうが良いと聞いて、考えてはみたのですが、なかなか決まりませんでした。プランナーさんにどういう式にしたい?って聞かれて困っています……」

「結婚式を挙げよう!となったのはどのような経緯からですか?」

「もともと私は海外で家族だけで挙げれば良いかな~なんて思っていたんですが、旦那さんが、日本でお世話になった方々を招いて結婚式挙げようよ!って言ってくれたのがきっかけです」

「バタバタと入籍してしまって、彼女は突然東京に住むことになり周りに友人も家族もいなくて、仕事も在宅なので、何か幸せで楽しめることがあれば良いなって思いました」
や、優しすぎる…!(編集部)

「結婚式について悩んでいるというのはどうして?」

「じつはこれまで結婚式に参列したことがなくて、イメージがわかないんです。彼のほうは何度かあって結婚式ってすごく良いものだよって言っているんですが、結婚式の流れとか、どの時期に何をするかというのが全然わからないです……」
ナシ婚派だったyuiさんが、旦那さんからの思いがけない結婚式をしよう!との提案に喜びつつも、戸惑っている様子が伺えました。
そんなおふたりに、コンセプトメイクのプロはどのようにして、おふたりならではを紡ぎ出すのでしょうか。
これまでの人生と結ばれるまでのストーリーを聞く
名古屋の建築学科に所属する学生連盟で知り合ったというyuiさんと旦那さま。
お互いものづくりが好きという共通点があり、意気投合してお付き合いがスタートしたそうです♡
大学時代はお互い制作が忙しかったこともあり、それぞれの活動に邁進。
転機はyuiさんが就職し、静岡転勤になったことだそうです。
知り合いもいなく、仕事の環境も変わり慣れない生活を送るyuiさんの元にあしげく旦那さんが通ってくれたことで、yuiさんには旦那さんが学生時代とは違って見え、かけがえのない頼りになる存在だと感じたそう。
そんなクリエイターおふたりの結婚式は、ゲストも建築関係の方が多く来ることもあり、自分たちらしい結婚式を作り上げたいと思い始めたんだとか♪
結婚式のストーリーって?
幼い頃から造形に趣深く、受賞履歴もある旦那さま。
大学から思いがけず建築学科に入ったyuiさん。
おふたりは一見すると同じ分野でつながっているように見えますが、つながりは意外なところにあることがヒアリングを通してわかってきます。

「結婚式を通してゲストにどんな影響を与えたいですか?」

「周りには結婚式がまだという人が多いので、今回自分たちの式を通して結婚式良いな、とか結婚式やりたいって思ってほしいです」

「結婚式って暗い顔で帰る人がいないですよね。式をして終わりではなくて帰宅しても家族に話したくなるような結婚式にしたいなと。来てくれた方たちに自分たちらしい式だったねって言ってもらえるような結婚式にしたいなと考えています」
数々の質問と回答を重ねること約4時間……!
なかには本当にそれコンセプト作りに関係あるのかな~というところを深掘りしたりと、とにかく細やかに、「なぜ?」を追求していきます。
「お互いを色で表すと何色?」
「ふたりの関係性は何に似ている?」
「よくプレゼントで貰うものってありますか?」
一見結婚式に関係なさそうな質問ですが、質問の回答から、おふたりが大切にしている価値観や共通の想いが紡ぎ出せるのです♪
yuiさんご夫妻からも、何事にも没頭して、やりきる姿勢や良いものを作り出したいという共通の価値観が垣間見えました。
コンセプトの提案
ヒアリングから約3週間後。
佐藤さんからおふたりの結婚式のコンセプトが完成したとの連絡をいただきます♪
提案1
提案2
おふたりへのコンセプトは
「two dots」
「arche-design」
のふたつでした。
※通常は4案程度ご提案後、ブレストしながら最終的にひとつのコンセプトを紡ぎだし、採用されたコンセプトに沿ったアイデアをプラスしたものを製本して差し上げています。
なぜおふたりのコンセプトはこのふたつになったのでしょうか。

「two dotsのほうは、ふたりの個性を活かしながら、そこから生まれるさまざまな可能性への期待とゲストとのつながりにスポットを当てました。
ふたつの点がつながることで線になり、線が重なることで面になる。面が重なり大きな立体になる基本プロセスは建築の基礎ともつながります。
また同時に、個々の点は個性的なおふたりを表しています。おふたりという点(個)がつながることで線になることで、さまざまな未来を描いたり、人をつなげたりする可能性が生まれます。
おふたりがつながり、手を取り合うことで描ける未来の可能性を広げ、ゲストとの関係性も強く結んでいくことが今後の生涯において大切です」

「ふたつめのコンセプトは、結婚式に向けてすでにアイテム制作を始めているというyuiさんの頑張りを生かし、ふたりの原点にスポットを当てて作りました。
おふたりの共通点である建築の語源は、ギリシャ語の“arche tekton(アーキテクトン)”という言葉。
「最高の技術者」という意味です。“最高の”という意味をもつ『arche』と『design』を組み合わせています。
ここにはものづくりをしているおふたりだからこそできる『最高の結婚式をデザインする』という意味と『最高の夫婦をデザインする』というふたつの意味を込めています。
ふたりの特技を生かした最高のデザインでゲストをもてなし、同時に夫婦としての始まりをおふたりでデザインしてくれればなと思います」

「ありがとうございます!2つのコンセプトを見たとき、正直に両方良いなと思いました。一つ目は自分たちだけでは決して出てこないもの。ふたりらしさが伝わるのは2つめだと思いました!」

「今彼女が結婚式に向けて制作しているものとかを考えても、2つ目のほうが合っているんじゃないかなと感じました」

「では、決めたコンセプトのほうを今後は深掘りして考えて細部に落とし込んでいきましょう!
たとえば、このarche-designにはふたつの意味があります。
ひとつは最高の1日をデザイン、もうひとつは、夫婦としてのはじまりをデザイン。
1日でふたつをデザインしなくちゃいけないなんて、忙しいけど楽しそう!というのがコンセプトの根底にあリます。
このコンセプトを具現化するために、コンセプトカラーを決める、モチーフを決める、ロゴなどを決めると今後装飾や演出などいろんなことが決めやすくなるかと思いますよ♪」
コンセプトメイクを終えて
yuiさんご夫妻に、コンセプトをいただいた率直な感想を聞いてみました!

「自分たちふたりでコンセプトやテーマを作ろうと話し合ってはみたんですが、全然折り合いがつかなくて……。
いつまでも決まらなかったんです。でも、前回のヒアリングが終わったときに、お互い結局同じこと考えているんだってことがわかって。
やっぱり第三者の存在って必要だねって話しました」

「そうなんです。お互いきっと同じことを言っていると思うんですが、ニュアンスが違ったりでまとまらないんですよね……」
まさに、結婚式準備真っ最中のおふたり。
この結果はプランナーと共有したのでしょうか。

「これまでグダグダと決まらなかったことが、コンセプトこれになりました!って伝えたら、一瞬でいろんなことが決まってびっくりしました笑
インスタで1人で調べて良いなと思ったことをフローリストさんに提案しても、これでいいのかなって立ち止まることもあったのですが、コンセプトを共有してからは、その軸からぶれていないかという基準で見てくれるようになったので、本当に話が進むようになりました。スタッフもコンセプトに沿った提案もしてくれてすごく助かっています」

「今までは、自分が奥さんのセンスが好きだったこともあり完全任せきりで進めてもらっていたのですが、彼女のなかでは不安やこれで良いのかなっていう思いがあったこともわかりました。
コンセプトを作ったことで、言葉やイメージも一緒にわかり、奥さんも喜んでいるのが良かったです。本番では、なぜこのコンセプトになったのかという過程をゲストの皆さんにプレゼンするのも良いかなと思っています」

「今回のコンセプトメイクは結婚式のためだけじゃなくて、ふたりの今後の人生においてもすごく大切な時間になりました」

「自分たちのことを他人に4~7時間とか話すことないですからね!笑
今回のコンセプトはしっくりもきたし、意外でもありました。こういうことって式場ではなかなかやってくれないので、コンセプトを作るって大事だなって感じました」
コンセプトをいただいたyuiさんと旦那さま。
これから式に向けて、素敵な時間を過ごしてほしいですね♡
通常はより長い時間をかけて、ヒアリングと複数のコンセプトを提案しています。
今回は体験版ということでしたが、結婚式準備だけでなく今後の人生においても大きな影響を及ぼしたというコンセプト作り。
人生の晴れ舞台にコンセプトがあれば、ストーリー性のある1日を作ることができ、ゲストの皆さまにもおふたりの人となりと共に伝わるはず。
せっかくの結婚式をただのパーティーで終わらせたくない方は、ぜひ《コンセプト》を作ってみてはいかがでしょうか♡
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※ 2019年3月 時点の情報を元に構成しています
「披露宴演出」 の スペシャル に含まれています