ふたりの家なのに、家事をこなすのは私ばかり…。どうしたら夫がもっと家事を積極的にやってくれるの?既婚女性なら一度は考えたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、家事をしてくれない夫たちの家事をしない理由とその対処法を解説します。
「家事をしない夫」は日本特有の価値観
男女共同参画白書 平成30年版によると、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に対し、平成28年の調査結果では「賛成」は女性が8.3%、男性は9.4%となっており、「反対」は女性が21.5%、男性が17.2%となっています。
過去の調査結果と比べると、男女ともにだいぶ「賛成」が減ってきてはいますが、家庭科教育なども女性のみが受けていた時代もあり、古い日本の価値観がまだ根強く残っていることは事実です。
1980年代頃までは専業主婦があたり前で、働く女性が少なかった時代背景もあり、家事は女性の労働とされてきました。
しかし、現在は状況が逆転し、専業主婦世帯は減り続け、働く女性は増え続けています。
参考:総務省統計局「労働力調査特別調査」、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)
共働き世代があたり前になりつつある昨今、特に年齢の高い世代を中心に家事分担に対する価値観のズレが浮き彫りになっています。
これは昔ながらの「女性=家事労働」という、日本特有の価値観が一つの要因であることが考えられます。
もしかしたら、「自分は家事をしている」と思っている人も多いかも
両親が喜ぶカレンダーの便りサービス「レター」を運営するROLLCAKE株式会社が行った子育て中の家庭に対する調査によると、夫婦ともに正規雇用の共働き世帯では、家事分担の比率は「夫1~3割、妻7~9割」の回答が多く、男女による割合認識の差は小さい傾向にあります。
いっぽうで、それ以外の層では、「夫0割、妻10割」という回答者が女性で1割を上回っているのに対して、男性ではいずれも1割に満たないなど、男女の意識差がやや大きくなっている傾向が見られます。
これは家事経験の浅い夫ほど、家事への自己評価が高い割に「気付くことができない家事」が多く、家事労働全体の母数を見誤ってしまうことが原因かもしれません。
参考:ROLLCAKE株式会社「子育て中の共働き家庭の家事分担」
家事をしない夫にイライラ…どうしたらいい?
私はこんなに忙しいのに!仕事に家事に追われている私を横目にスマホ片手にソファでゴロゴロ。家事をしない夫についイライラしてしまいますよね。
「察して」という気持ちを込めたオーラを出してみても、じつはあまり効果がないことがほとんど。
まずは話し合いを
まずは時間を作り、パートナーとの話し合いの場を設けることから始めましょう。
「自分が嫌だと思っていること」を的確にまとめ、「その家事に対してどう思っているか」を相手から必ず聞き出しましょう。
見直ししたい家事分担には、パートナーと価値観をすり合わせておくことが大切です。
パートナーとの話し合いが苦手な人は、ドライブや散歩中など、ふたりでリラックスしているタイミングで話すのがおすすめ。
面と向かって話すことが苦手であれば、メールやLINEで相談してみるのもひとつの手段です。文面に残すとこで「言った、言わない」のトラブルを回避することもできますよ。
分担する家事を明確にする
お互いの認識や価値観をすり合わせできたら、家事の役割分担を明確にすることから始めてみましょう。
「名もなき家事」という言葉が流行りましたが、言語化できない家事というのは、よく気が付く人がやる事が多く、家事経験の少ない人は特に見落とす傾向があります。
「経験から気付ける家事」については上手に言語化し、目に見える形での役割分担ができるとといいですね。
毎日やる必要がある家事だからこそ、基本的にはそれぞれの「得意分野」や、「苦にならないこと」を基に分担を決めるのが良いでしょう。
もし今日しなければいけない家事を分担する場合は、2択を提示し、どちらかが一方を担当する前提で話を進めるとスムーズですよ。
▼家事分担の詳しい方法はこちらの記事をチェック
感謝の気持ちを伝える
一生懸命働くことが家族の支えになっていると認識しているパートナーは、自身の仕事に集中している分、たまに協力した家事にあれこれ指摘が入ってしまうと、モチベーションの低下に繋がってしまいます。
今の日本では男女間賃金格差があれど、給料という目に見える形で成果を出しているから、家事労働は妻に甘えてしまっている部分、妻は夫に遠慮してしまう部分があるかもしれません。
ですが、家事は無給ですが立派な「労働」です。
双方に感謝の気持ちが見えないと、お互いにストレスを抱えてしまいますよね。
決して一方的なものではなく、「労働」に対しては有給・無給に関わらず、お互いに感謝を伝えあう習慣を意識して身につけることが何より最も大切なことなのです。
ダメ出しはせず、ポジティブに具体的な改善案を
何度言っても改善しない家事については、ついダメ出しをしたくなるもの。
ですが、パートナーが時間を掛けてやった事に対し、思い切り否定してしまうのは逆効果です。
育ってきた家庭やその家事に対する価値観、ひとり暮らしでの過ごし方で家事のやり方は人それぞれです。最初から自分と同じやり方を求めるのではなく、許せるボーダーラインを見極めるのも大事なポイントです。
もちろん感謝の気持ちを忘れずに「次はここをこうしてみてほしいな!」と具体的に伝え、パートナーに対しても、「何か気になるところあったら教えてね」と伝えてみるのが良いでしょう。
どうしても譲れない家事のやり方がある場合は、最初のうちにマネジメントしてしまうのが◎。
家事も仕事と捉えれば、具体的な指示を出す方がより効果的。やり方をマスターするまでは、作業を指示しながら徹底的に指導するのがおすすめです。
息抜きする時間をつくる
毎日ある家事だからこそ息抜きする時間も重要です。
「週末5時間はひとりで過ごす」などの決まりを作り、お互いにひとり時間を確保してみてはいかがでしょうか。その間に食事の用意や、大物の洗濯など、パートナーにやっておいて欲しいことをお願いするのがよいかもしれません。
「毎週土曜日はNO家事、外食デー」など、夫婦共に休める日を思い切って設けてしまうと気持ちがグンと楽になりますよ。
パートナーの家事への認識を知り、小さなステップから始めよう
「夫より稼いでないから」「非正規雇用じゃないから」…。
夫が家事に積極的ではない姿勢に目を背け、どこかで自分を納得させる材料を探していませんか?「家事をしない夫」に必要なのは、きちんとした話し合いです。
今までのやり方を変えることは非常に労力がいることですが、まずは家事への価値観をすり合わせ、小さなことから始めてみましょう。
※ 2021年11月 時点の情報を元に構成しています
「生活・家事・ライフスタイル」 の ハウツー・ノウハウ に含まれています