日本では、ふたりの婚約は「結納」によって正式に認められてきました。
今では、「両家顔合わせ」など、形式は年々緩やかになっていますが、結納金や婚約指輪、あるいは結納返しを交わすならば準備が必要です。
結納にふさわしい時期にはいつがよいのでしょうか?
1.結納の時期と日取り
結納は当然ながら結婚式や入籍に先だって行なわれます。
結納の目的は、両人の婚約を整えることですが、同時に結婚に向けた両家両人の話し合いの場でもあります。
したがって、結婚式の招待客や費用、段取りなどの準備についての見通しをたてたり、あるいはすでに進んでいる準備の経過を確認したりできる時期に結納が行なわれることが多いようです。
「みんなのウェディング」にてユーザーにアンケート調査を行なったところ、次のような結果となりました。
結納を行なったのは、結婚式・入籍の何ヶ月前ですか?
第1位 3ヶ月未満 43.7%
第2位 3-4ヶ月以内 18.7%
第3位 6ヶ月-1年以内 13.7%
第4位 6ヶ月以内 13.0%
第5位 4-5ヶ月以内 10.9%
これによると、3ヶ月前後に結納を行なったカップルが約6割いることがわかります。
結婚式の3ヶ月前であれば、結婚式の招待客リストがほぼ決まり、全体の予算が把握できる時期でしょう。 衣装選びも本格的になるころです。
特に費用のことは両家にとって、あるいは両人にとっての重要事項でもあるので、具体的な金額について話し合えることは、とっても有益ですね。
結納によい日取り
さて、「本日はお日柄もよく」といわれるように、おめでたいことは「よい日取り」に多く行なわれてきました。
よく利用される日取りは「大安」「先勝」などの「六曜」に基づいたものです。
最近は、よくないとされる「仏滅」を気にしないカップルや、あるいは式場側が「仏滅」の値引きサービスをするケースもあり、以前ほど意識されなくなっているようです。
また、結納のスケジュールをあわせるにも今どきは両親たちも忙しく、「土日であれば六曜は気にしない」という傾向も強くなっています。
けれども、年長者や保守的な地域柄では、現在でも「六曜」は重要とされることが多いので、十分に配慮したうえ、結納の日取りを決めるようにしましょう。
大安(たいあん・だいあん)
一日中吉とされる日で、すべての祝い事に吉とされる日です。特に結婚式や結納に最適です。
式場の予約はもちろん、結納の会場予約にも人気の日取りなので、早めに日をおさえましょう。
友引(ともびき)
友を引くということで一般には大安に次ぐ良い日とされ、結婚式や結納などには良いとされています。
一方、正午は凶とも言われ、また不祝儀には避ける日です。
先勝(さきがち)
「先んずれば勝つ」ので、午前中が吉とされる日です。
急ぎごとや願い事交渉ごとに良い日ともされ、結婚式や結納の場合は午前中の式がよいとされます。
先負(さきまけ)
「先んずれば負け」なので、何事も急がず慌てず、控えめが吉とされ、結婚式や結納には午後からが吉とされます。
赤口(しゃっこう)
祝い事や新規のことは慎むべき日とされていますが、正午(正午あたりの時間帯)は吉とされています。
仏滅(ぶつめつ)
何事も謹むべき日とされて、大安の反対の日になります。
十二直
なお、この「六曜」に加えて「十二直」という日取りもあり、次のようになっています。
建(たつ)…万物を建て生ずる日。すべてにおいて最吉日
満(みつ)…すべて満たされる日。結婚式や結納には大吉
平(たいら)…平安・平等の意。結婚式や結納には大吉
定(さだん)…物事の基礎を定める日。結婚式や結納には吉
執(とる)…執り行うの意。結婚式や結納やその他祝い事も吉
成(なる)…物事の成功成就の意。結婚式や結納には吉
開(ひらく)…運が開ける日。結婚式や結納・新築・開店など吉
除(のぞく)…百凶を除く日だが、結婚式や結納・旅行には凶
破(やぶる)…破るの意。祝い事はすべて凶
危(あやぶ)…何事も控えめにして慎む日。新しく始めることは凶
納(おさん)…執り納めるのに良い日だが、結婚式や結納には凶
閉(とず)…金銭の収納には吉だが、結婚式や結納には凶
本格的には「六曜」と「十二直」の組み合わせで日取りを決めるようです。
しかし、「大安」であっても「破」「危」が加われば、佳い日とはいえず、反対に「仏滅」であっても「満」「平」が加われば、それほど悪くはありません。
このように、これだけの組み合わせからよい日取りを選ぶのは、とても難しいものです。
したがって、日取りを気にしすぎて、スケジュール調整が不可能!になるよりは、せめて「六曜」くらいを配慮して決めるのが現実的かもしれませんね。
結納によい季節
さて、結納によい季節はあるのでしょうか?
基本的に、結婚式を基準に「○ヶ月前」と結納の時期を決めるため、適切な季節というものはありません。
ただし、地域によって、夏は酷暑となり、冬は豪雪となることがあるでしょう。 また、新年前後は気ぜわしく、避けたほうが無難です。
マナーにとらわれない服装に揃えたり、場所を考慮するなどして、両家で話し合って無理のない状態で結納をむかえられるとよいですね。
体験談
「暑い季節だったので、服装を緩やかにした」
■略式でしかも初の暑い時期だったので、親も含めて、男性はワイシャツとスラックス、女性はワンピースに、事前に決めて連絡しあいました。(20代後半女性)体験談
「新婦の実家は雪の深い地域だったので、レストランで結納した」
■ホテルの和風レストランで結納を行ないました。新婦の実家で行うのが正式ですが、新郎の実家が遠く、結納の時期が真冬だったため、新婦の実家まで来てもらうのは申し訳なかったからです。(30代前半女性)
2.結納返しの時期
正式な結納は、仲人が両家を行き来して行なわれます。 かつては、一方が結納をおさめ、もう一方が日をあらためて結納返しをすることが多くなされました。
しかしながら、現在では仲人をたてるケースが少ないことと、スケジュール調整の関係から、両家が平等に結納を贈り合う関東式だけでなく、ひろく同日に結納と結納返しを行なうケースがほとんどのようです。
両家で日程と場所を相談したうえで決めることをおすすめします。
※ 2016年8月 時点の情報を元に構成しています
「結納」 の キホン に含まれています